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綴られる愛人
綴られる愛人
井上荒野/集英社
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総合評価

11件)
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    とんでもなく安直な感想を書きます。 何処かの知らない誰かと文通したいなと思っていました。読み終わってやめておこうと思いました(._.)

    6
    投稿日: 2025.06.01
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    事実を偽ったまま、文通をする二人の男女。女性は男性に夫への殺人を教唆する。果たして男性は恋心を抱く見知らぬ女性のために、殺人を実行するのか? 登場人物がみな、自分のことしか考えない身勝手な人たちで、感情移入できる人が誰もいなかった。 そこがこの小説の歪さ、気持ち悪さを作り出していて、独特の余韻が残った。

    12
    投稿日: 2024.10.14
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    文通によってもたらされた嘘と事件。 登場人物それぞれの人物像が、会話や文面により徐々に浮き上がってくる感じ。 結末で、事件が解決したのかそれとも続くのかはわからないが、これはこの終わり方でいいように思う。

    1
    投稿日: 2021.06.19
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    お互いの身分を偽って、手紙のやりとりをする男女。夫の殺人を依頼する女。それを本気で実行してしまう男。現在から過去へ、そして往復書簡のやりとりと共に流れる時間。 夫との関係を見つめ返す事が出来た女の思いは、出されなかった手紙として綴られる。 出口のない世界にいた男にも、一筋の光が見える。

    0
    投稿日: 2021.05.17
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    21歳大学3回生の航大と35歳作家の柚、2人は自分自身の素性を隠し"綴り人の会"を介して文通を行なっていく。 徐々に創造の世界と現実との境界が曖昧になっていき、恐ろしい事件が起こってしまう‥。 ☆感想 どうしようもない男と女の文通のやりとりを読んでいて、どうしようもない気持ちになったが続きが気になって一気に読んだ。

    1
    投稿日: 2021.04.25
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    身分を偽りながらの文通ですが、互いの満たされない現実や 乾きの様な物から逃避しようとでもする様に徐々に言葉に熱が高まって行きます。 今時、珍しい文通と言うツールで、それぞれの手紙にお互いが疑心暗鬼になりながらも徐々にのめり込んで行く過程にドキドキさせられました。 ラストの展開が少しあっけない印象を持ちましたが、新鮮な恋愛サスペンスとして楽しめた1冊でした。

    0
    投稿日: 2021.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    *夫に支配される人気作家・柚。先が見えない三流大学三回生の航大。二人はひょんなことから「綴り人の会」というサイトを介して、文通をはじめる。柚は「夫にDVを受けている専業主婦」を装い、航大は「エリート商社マン」だと偽って―。便箋の上に書かれた偽りが、いつしか真実を孕んで、二人をくるわせていく。掻き立てられた情動が、やがて越えてはならない一線を踏み越えさせて…。緊迫の恋愛サスペンス! * うわー、捻じれてるな・・・!全員、いい感じに捻じれてる。手紙を小道具に使ってのその描写が、とにかく巧い。 いつこの嘘がバレるんだろう?どうやって収拾がつくんだろう?とドキドキハラハラしっぱなしでした。

    0
    投稿日: 2021.02.15
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    簡単に届くメールやLINEと違って手紙の良さがある。待ちわびる時間もまた素敵なもの。文通をやっているからよく分かる。 まさかこんな展開になっていくとは!相手の顔が見えないからの良さが、逆に恐ろしいことに利用されるなんて!

    2
    投稿日: 2020.11.06
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    東京在住35歳の人気女性作家は、夫の暴力に怯える28歳の専業主婦『凛子』に、 富山に住む21歳の三流大学に通う学生は、貿易関係の会社に勤める35歳のエリートサラリーマン『クモオ』に。 お互いの素性を偽り「綴り人の会」という文通コミュニティを通して、手紙のやり取りをする。 手紙は月に2回、綴りの会を介し、それぞれの自宅へ送られる。 こちらから出した手紙はすぐには届かないし、相手からの返事もすぐには来ない。すぐに来ないどころか、返事をくれるのかさえ分からない。 待っている間に想いが募り、相手の返事を待たずにこちらからまた出してしまう。そうやって、手紙の上での恋愛は、待ってる時間にどんどん狂おしくなっていく。 初めて読んだ作家だが、とても面白いなと思った。 クモオの人としての浅さの描写がリアルで秀逸だった。21歳ってこんなに馬鹿なんだろうか。わたしもその頃はこんなに愚かだったのだろうかと考える。 凛子はクモオに、自分との愛を成就させるためにDV夫を殺してくれと頼む。夫が生きている限り、わたしはあなたと会うことすらできない。 ここから更にクモオの浅はかさが加速する。呆れながらも、彼から目が離せない自分がいる。 肉体が伴わない恋は美しい。言葉だけが作り上げる愛の形は、ほぼ完ぺきな形状をしている。問題は寿命が短いということ。 実体がなければそこに悦びはない。 霞を食べて生きていけるのは仙人だけだ。 これをよんで、文通っていいなと思ったのは、わたしだけじゃないはずだ。綴り人の会のようなそんなコミュニティが存在するのかと、ネットっで検索した人もおそらくいるだろう。 そんな気持ちにさせる話だった。

    0
    投稿日: 2020.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    双方自分の経歴を偽って始めた文通。女は下にサバを読み、男は上にサバを読む。本当は35歳と21歳なのに、手紙の中のふたりは28歳と35歳。 20歳そこそこの学生にエリートサラリーマンの中身を伴った手紙など書けるはずもなく、女は最初から彼の嘘を見抜いている。しかし男は浅はかで、偽りの自分の姿に酔い、自分と彼女は相思相愛であると思い込む。会ったこともない相手なのに。 終盤まではどちらにもイライラします。女に妄想を掻き立てられている男のことが馬鹿っぽく見えるし、そんな彼に嘘をついて都合よく利用しようとしている女が怖い。美人売れっ子作家の彼女に対する私の嫉妬も多分に含まれています。ふたりが初めて会ったときの、彼女の容姿への彼の感想を読んで安心する私が居るのでした(笑)。 自分を偽りながら手紙を書くふたりの心理描写が上手い。彼は手紙を書く技術を磨けただろうかなんてことを考える。手紙だけで燃え上がる恋ももしかしたらあるのかもしれないけれど、嘘で塗り固めた手紙なら、きっとどちらかは冷めている。破綻の道へしか進まない。

    0
    投稿日: 2019.12.22
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    文通を介して知り合って2人。21歳の大学生航大は35歳の貿易関係の仕事と偽り、35歳の作家柚は28歳の専業主婦と偽る。手紙の中で進むそれぞれの想像と航大の膨れ上がる想い。次第に嘘の中に真実が混じり始めながら進む。メールほど気軽ではなく電話のように反応が見えない手紙。自然と過剰になったり重くなったり。返信を待つ間の感情や出した後の迷い。軽い気持ちで始めたはずがどんどん大きくなっていき止められなくなる過程に圧倒される。

    1
    投稿日: 2019.05.30