【感想】サービスブランディング―――「おもてなし」を仕組みに変える

博報堂ブランドコンサルティング / ダイヤモンド社
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • japapizza

    japapizza

    「ブランドの約束」をきちんと機能させるための基盤をつくる3つのポイント。
    ・どこでそれを実現するのか〈事業領域〉
    ・どのような人材がそれを実現するのか〈人材要因〉
    ・どのようなプロセスで実現していくか〈提供過程〉
    サービス財のマーケティングミックスについて、4Pに加え、「人」と「物的環境」で構成されるという。
    サービス市場を?サービスの提供スタイルと?顧客との関係という2つの軸で4つに分けて解説している。
    (A)「店舗×非契約」型市場:スーパー、コンビニ、病院、ホテル、レストラン
    →特性として、「移動コストの大きさ」「店が五感体験をもたらす」「浮気が多く報われない(継続性への対応)」「一貫性と各申請のバランスとり」
    (B)「店舗×契約」型市場:銀行、予備校、英会話学校、フィットネスクラブ
    →特性として、「短期間で効果がわかるかたちをつくって信頼を得る」「カスタマイズ疲労を防ぐ」「ストーリー性でつなぎ止める」「サービスの『ぜい肉』をそぎ落とす」
    (C)「無店舗×非契約」型市場:通信販売、広告代理店、引越し、宅配便
    →特性として、「サービスの信頼性を自創的に生み出す」「多様なニーズや状況を『仕組み』で柔軟に取り組む」「複合性を織り込みながらサービスの継続的進化を図る」「購買が購買を生み出していくサイクルを構築する」
    (D)「無店舗×契約」型市場:生命保険、弁護士・税理士、ハウスクリーン、訪問介護
    →特性として、「『見えない』『さわれない』を払拭する物語」「サービスの特徴を的確に表す明快な価値規定」「顧客と社員の共通のモノサシとしてのサービス品質基準」「顧客との日々のやり取りを反映させた継続的なサービス改善」
    これだけでもかなり頭が整理された気がする。それにしても、本書に収録されている図表が秀逸なものばかりで感心した。あまりじっくりと読めなかったが、面白かった。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.08

  • nozoe

    nozoe

    サービスを如何に収益化するか、を考えているとき、参考に手に取りました。
    サービスブランディングという概念を、わかりやすく説明してあり、具体的な事例も多く、非常に参考になりました。満足です。
    専門家の方は、もう少し突っ込んだないようが欲しいと思われるかもしれません。続きを読む

    投稿日:2014.07.27

  • hokkaido

    hokkaido

    大学院でのサービス・マネジメントに関する授業の復習として、5年前に読んだ本を再読。タイトルには「ブランディング」という言葉が入っているけど、どちらかというとオーソドックスなサービス・マネジメントに関する理論をまとめた感じで、あまりブランディングの理論的な内容は含まれていないように感じる。

    内容としては、サービスの無形性・変動性・複合性・継続性という4つの特徴や、サービスと顧客接点の関係を分析するフレームワークとして、サービスの約束をコアにしたマーケティングの4P+人(People)+物的証拠(Physical Evidence)という6Pを提唱した上で、サービス産業を「有店舗・無店舗」と「有契約・無契約」という切り口で4つのマトリクスに整理し、それぞれの象限ごとの留意点や成功要因を先のフレームワークで明らかにしていく。

    非常にオーソドックスなサービス・マネジメントの1冊だとは思うし、2008年時点の日本のサービス業における成功企業の事例ばかりという価値はあるけれど、これならハーバード・ビジネス・スクールのヘスケット教授の本を読んだ方がいいかもしれない。
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    投稿日:2014.01.12

  • prepre1212

    prepre1212

    ブランド確立に必要なものは?

    →ブランドとは企業と顧客とが一緒につくっていくものであり、長期的な精神的な関係こそが最終目的
    まずはブランドが大切にすべき新たな顧客像の規定を行う
    一貫性と革新性のバランスを取る
    市場シェアの拡大から顧客シェアの拡大に変化、つまり企業のレンズから顧客のレンズに切り替える
    サービスの授受に伴う時間コストも加味する
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    投稿日:2013.10.06

  • haruiro867

    haruiro867

    このレビューはネタバレを含みます

    サービスブランディングとは何か
    製造の現場では、内部の絶対基準で品質や生産性の評価が決まる
    一方、サービスは顧客との接点において生み出されるものであり、そのやりとりの中で評価が決まる
    故に、サービスの価値や品質評価は極めて相対的なものであり、それを生み出す現場の従業員が、個々の顧客の期待にいかに効果的にこたえられるかがカギ。
    つまり物理的な差異よりも、サービスの持つ価値を、顧客・従業員に見えるようにすることが重要であり、それを実現する仕組みがサービスのブランディングなのである。
    →つまり、対顧客だけでなく、従業員へのメッセージ性もサービスにけるブランドづくりとして重要な要素になってくるということ。

    ■ブランドの価値はどのようにつくられるか
    ・機能的価値+心理的価値
    ex.安全:機能的価値 安心:心理的価値
    ・求められること(期待)、できること(能力)、やりたいこと(意思)の三点においてブランドとは何かをつきつめていく。
    これをもとに、ブランドの約束としてシンプルかつ心を動かす言葉でブランドが提供する価値を表明する必要がある。

    ■従業員へのブランディング
    ブランドの約束がシンプルで力強いほど、従業員への影響は大きくなり、現場のサービス品質向上の大きな原動力となる。
    顧客二何を約束し、どういう体験を提要しようとしているのか。
    →当行にとっては、quality for you1
    品や上質性、信頼を与えるのが約束
    これについては従業員の理解もかなり深いのではないか。ただし、そのメッセージを皆が敬い尽くそうと感じているかというとそうではない。むしろ、卑下するような風潮さえ感じられる。かなり愛社精神が低いようにも感じる。原因はqualityという表現に見合わない、支店内部の環境の悪さ(汚い)、上司の罵声、事務の煩雑さ。

    ■ブランドのロイヤル顧客を把握する
    CS推進運動やCS調査は、誰を大切にするのかをはっきりさせないまま実施しても無意味である。あらゆるお客様の不満を解消すること難しく、従業員にとっても負担。
    購買データだけではなく、その人の持つ価値観や真の購買動機、ライフスタイルなどを加味した顧客像の規定が必須となってくる。
    →データベースマーケティングでこれを実現しようとしている。EBM。
    もっと相談課の担当者が個別にデータを打ち込んでいってそれをマーケティング戦略に活かすということをしたほうがいい。担当者はそれぞれに自信の頭の中でマーケティングを実施していて、それが後任にはもちろん引き継がれないし、銀行としてのデータという財産にもなっていない。S-CRMなど、訴訟リスクに備えたデータ入力も重要だが、その部分をもっとマーケティング戦略的にカスタマイズさせて、担当者の意識そのものをもっと分析・戦略的に変えていけるようにしたい。

    ■サービスマーケティングの6P
    product
    place
    price
    promotion
    physical evidence
    people
    →promotion people place physical evidenceがサービスにおいてはポイントになるのでは。
    promotionにおいては、
    マスメディアとの相性はそこまでよくない。コスパが悪い。特に店舗型ビジネスにおいては、生活圏に利用できる店舗がないと、広告でいくら伝えても無意味だから。
    また顧客によって利用目的が異なるため、利用によってこんな効果がでますよというのが、一律で響きにくい。
    無形商品であるサービスにおいて有効なのは、口コミである。企業発信でななく、体験者の評価によって、潜在顧客の不安を払拭することが可能なのである。

    ■サービス業のタイプ分類
    支店の諸手続窓口は、店舗×非契約型?
    エグゼ・PBOが、店舗×契約型
    外訪は、無店舗×契約型
    →同じ銀行でもサービスの形態が複数にわかれていることがわかる。
    つまり、それぞれに応じた戦略をとらねばならない。

    ・店舗×契約型のサービスは、顧客がサービスを受けられる状態になるまでに、物理的・心理的ハードルが高い。
    だからこそ、一度会員となりサービスを選んだ顧客は、その瞬間から店構えやスタッフ、内装の隅々に至るまで、あらゆる要素を「会員である自分のために存在するもの」として思い入れていくメカニズムが働く。

    ・店舗×契約型にお0けるブランディング上の特性
    ①短期間で効果がわかるかたちをつくって信頼を得る(無形性への対応)
    ex.エステでは一定の効果がみられるまで時間がかかるので、契約の前段で効果が出やすい脱毛などをお試しコース化
    ②カスタマイズ疲労を防ぐ(変動性への対応)
    いつも来店する契約顧客に対応していると、自然とサービスのカスタマイズ化がすすむ。そうなると、店舗間や顧客ごとにサービスレベルの大きなばらつきが生じてくる。また、従業員の力次第でもサービスに変動は生じる。
    本部サイドの支援によってこれは解消できる。
    ex.語学スクールでは、出席動向や習熟度をみえ、適時に新しいクラスの設定や顧客対応をはかり、標準メニューの中で解決する。
    顧客の基本属性によるセグメント対応だけでなく、提供しているサービスに対しての意識・行動をもとに再度セグメントを考えることが重要。

    ③ストーリー性でつなぎとめる(継続性への対応)
    強い売り込みがなくても、いつの間にか「次回も来よう」と思わせること
    ex.会員制のリゾートホテル事業
    会員にカスタマイズされた(権利者だけに有効な)施設利用のカレンダーを与えたうえで、年間の来館スケジュールを組んでもらう。その情報をもとにシーズンごと施設周辺の見所を知らせるプロモーションやイベントに即した接客対応をはかる。
    毎回のサービスの意味付けを行って、継続性を担保しなければ、顧客は自然消滅してしまう。

    ④サービスの「ぜい肉」をそぎ落とす(複合性への対応)
    複雑さや煩雑さは顧客に嫌われる。
    →銀行にとってもっとも求められているポイント

    ・顧客の志向や目的は変化しつづける、それを継続的につかまえていく、もしくは潜在的なものをつくりあげていくことが必要であり、それは属人的なスキルの面もあるため、従業員へのブランディングが重要となってくる。顧客に対しては、最終的に「私の」場所という意識、つまりメンバーシップの意識をもってもらうことで、長期のサービス提供が可能となる。

    ■高品質な顧客を有する
    「普通、エルメスのバッグをプレゼントするときは、ディスカウントショップで買わずに、銀座の直営店や然るべきデパートで購入するもの。ホテル選びでもそうなってきた実感がある。たとえば、出張の時は他のサイトでもいいけど、それ以外の時は一休を使うなどの使い分けがみられる」
    →よいものはよいところで。同じものでも買う場所によって自分の感じ方が変わってくる。それが価格などに負けないブランドの力。
    そしてこういったブランドの力でサービスを選択する顧客は高品質な顧客であり、他業種への連携等にも生きてくる。
    当行でかねてよりアパロンを組んでる顧客を、業者二紹介するとか。圧倒的な信頼。

    ■顧客満足度調査
    企業のレンズではなく顧客のレンズで評価すべき。
    何かを注文してから出されるまでに、何分かかったかは指標としてそこまで役に立たない。実際は「ただいまミルクをあたためていますので」という一言があれば、同じ待ち時間でも印象は全く異なるからだ。

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    投稿日:2012.05.14

  • ryokomatsuzaki

    ryokomatsuzaki

    迷った時に再読。これはサービス業に携わる人には読んで欲しい。サービス業を分類し、それぞれのケーススタディーから勝ちパターンを研究している。読むたびに発見がある。多分、また読む(^-^)

    投稿日:2011.12.10

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