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梟の巨なる黄昏
梟の巨なる黄昏
笠井潔/講談社
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総合評価

6件)
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     本作の主人公は売れない作家の布施朋之である。彼は、作家としての成功を夢見ながらも満たされない日々を送っていた。読む限りでは、若い時に文学賞をとったことが、大きな制約になっている。文学を描こうとするが、母親との関係がテーマとなる。テーマが、現代的だと言っても、売れるような人が惹きつけられるような作品は書けない。読んでいても、この布施朋之では無理だし、早く諦めるべきだと思うが、採用されないのは、編集者が悪く、自分の才能を理解していないと思っている。読んでいて、これだけ自意識が強ければ、さらに無理だ。そして、健気な女房に食わせてもらっている。  女房の和子は、パートに出かけ、子供を育て、そして、校正の仕事までやる。収入は妻しかないのだ。たまたま旦那の布施朋之がやった校正が、全くダメだった。こいつは、校正もできない作家である。  そんな彼のもとに、異端の作家・神代豊比古が遺したとされる空前の大作『梟の巨なる黄昏』の原稿が大手出版社の次期社長、美貌の編集者阿久津理恵によって、布施朋之に持ち込まれる。  この原稿は、「呪われた書物」として知られ、手にした者を破滅させると伝えられていた。  布施朋之の同級生の流行作家の宇野明彦は、アメリカ旅行をして、そのことを本にしたら、売れた。 瞬く間に、流行作家になる。昭彦が好きだった和子は、布施朋之と結婚した。しかし、布施と結婚した後に、なぜかふらりと宇野明彦のところにきて、関係を持つに至った。その関係以後、布施夫妻に子どもが産まれて成長する。その子供がひょっとしたら、布施ではなく、俺の子供ではないかと思う。それを出版会社の理恵に調べさせるのだが、理恵は布施の子供のように調査事実を書き換えた。どうしても、次期社長になるには、宇野の原稿が欲しかったのだ。  『梟の巨なる黄昏』を読んだ布施朋之は、妻に殺意を抱き、そして、事件が起きることになる。  読み進んでいくうちに、重層的な物語の進行となり、ここでは小悪魔が、健気な和子なんだよね。いやいや。本当の主人公は、息子だった。

    1
    投稿日: 2025.08.07
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    ◆ネタバレがありますので未読の方はご注意ください 「世界を破滅させる小説」というからにはその中身が知りたかった。「リング」は呪いのビデオとしてその中身を生理的恐怖で表現していたし、人間を発狂させるということであれば「ドグラマグラ」などもあるし。うーん、「ドグラマグラ」が読みたくなってしまった。ラストで子供が使者だったというどんでん返しはいいが、梟とは何だったのかとか、登場人物それぞれの視点で物語を語る展開などももう少し緊張感がほしかった。ちょっと期待はずれ。

    0
    投稿日: 2018.10.15
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     素材は美味しそうなのに、味付けがいまいちで失敗した料理を食べたような感。ミステリとしては道具立てのリアリティの欠如が気になるし、ホラーとしては書き込み不足で怖さがない。

    0
    投稿日: 2015.09.21
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    メディアが撒き散らす殺意を書いた作品であるが この2年前に出版された鈴木光司「リング」ほどの キャッチーさを持ち得てはいない しかし「父性への失望」が引き金となって 人類を破滅へと導くラストは 後年、実際に持ち上がる衰退の兆し…すなわち セックスレス/少子化問題について 予見的だったと言えないこともあるまい そしてその「父性への失望」こそが 現代において私小説というジャンルを成立困難にしたものといえる 「ダメ」と「ダメじゃない」の区別がつきにくくなってきたというかね しかし 「死の可能性」を踏破することで、これを乗り越えた者は ひょっとしたらいたのかもしれない それを考えると この物語の結末にも、多少の希望があるように思えるのだった

    0
    投稿日: 2013.10.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    異端の作家、神代豊比古が遺した空前の大作『梟の巨なる黄昏』は、手にした者を破滅させる呪われた書物でもあった。不遇の作家・布施朋之とその妻、流行作家の宇野明彦、大手出版社の次期社長、美貌の阿久津理恵。一冊の魔書をめぐって四人の男女の欲望が交錯する。戦慄の異色長編サイコ・サスペンス。

    0
    投稿日: 2012.07.26
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    3月 書物にまつわるシリーズ。 飛鳥井探偵シリーズのように登場人物がプロトタイプに作られているのが特徴的。 近親相姦のあたりは色づけとしておもしろかった。 結局書物「梟の巨なる黄昏」はどうなるのだろう。

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    投稿日: 2007.03.27