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ソ連史
ソ連史
松戸清裕/筑摩書房
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総合評価

34件)
3.8
8
9
7
3
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    ソ連に対する私のイメージは、「冷戦の敗北者」「独裁的な社会主義国家」というステレオタイプなものだったのだが、本書を読んで、自身の単純な認識を改めることになった。 特に興味深い点を2点挙げる。選挙の祝祭としての役割と環境問題である。 一党独裁制であったソ連だが、人民の抑圧という反面、民意を汲み取る努力を欠かさなかった点は甚だ意外であった。選挙は、ソ連共産党への追認に加え、人民統合の舞台装置として活用されていた点が面白い。 また、利潤の最大化を目的としない社会主義国家であっても、環境問題が深刻化していたことは逆説的に感じた。日本と異なり、法整備がなされて尚、環境破壊が続いた点に、ソ連の環境問題の独自性があると思う。 この他にも、大テロルの要因、大祖国戦争の実態、雪どけ後の経済停滞、ソ連崩壊の理由が端的にまとめられており、ソ連史の基礎知識習得に大いに役立った。適宜再読し、20世紀の大国への理解を深めていきたい。

    2
    投稿日: 2025.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    以前からソ連に興味があったものの調べもせずぼんやりと生きていたため、ようやく手を出してみました。ソ連史の全体について要点を抑えつつ多面的に書いてあり、良書でした。 実態が伴わないながらも一般的なイメージの一党独裁的なソ連というより、遥かに自由(統制しきれなかったとも言えるが...)で、国民の声を聞いていることに驚きました。 また、国民側も不満一色という訳ではなく、明るい未来を信じて共産主義建設のために献身した人々が少なからずいたことも驚きでした。 投票率の高さや国への投書の数はすさまじく、また国側も民意を組む意図があったというのは、政党を選べない一党支配だからこそ国民も「この政党に変わってもらわなければならない」という切実さがあるように思えました。   資本主義に対抗する崇高な理念だった社会主義がどうしてああも失敗してしまったのか。今日では資本主義でも社会主義でもない体制が模索されており、新しい理念というのはしばしば魅力的に映りますが、少なくともそうした対抗文明には一定の危機感も持たなければならないなと思わされます。 本書の締めくくりの言葉が非常に印象的だったので、以下に引用します。 ─ソ連の歴史を研究する者としては、果たして「対抗文明」が現れることがよいことなのか疑問や不安を抱かないでもない。善き意図が善き結果につながるとは限らず、「対抗文明」のほうが優れたもの、善きものとなるとは限らないからである。こうした疑問や不安を払拭する意味でも、ソ連という強力な「対抗文明」の歴史、そしてソ連の存在した二〇世紀の歴史から学ぶべきことはまだ尽きていないのではないかと思う。

    2
    投稿日: 2023.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1922年・ソビエト連邦結成のその前夜から1991年の消滅まで。 労働者階級、つまり被搾取人民の解放のために革命は起こり、世界初の社会主義国家連邦が生まれました。それがソビエト連邦です。マルクス・レーニン主義のもと、資本主義を超えるものとしての社会主義からはじまって、貧困のない共産主義まで到達させようとするのがこの連邦の目的でした。しかしながら、ソ連結成まもなくから、食糧確保のためにまもなく農民の搾取がはじまるのです。目的のために手段を正当化するのが、権力(ちから)の強い側のやり方。こういった政治の強引なやり方は今も昔もよく行われることで、社会主義でも民主主義でもその主義にかかわらず、警察や軍隊までをもときの政体がそのしもべとして使うことは珍しくないと思います。露骨さの度合いの違いがあるだけで、どの国でもそういったことはあるのではないでしょうか。 話はソ連に戻りますが、マルクス・レーニン主義は、人民の自発性を重視し奨励する主義なのですけれども、それ自体は間違っていないのではないか。人民の意識の変化が大切だと考えるのは、僕だってそうです。権力がへたに人民の意識を洗脳していくわけじゃなくて、人民が自律的に自分の知的好奇心にしたがって自己の意識を育んでいく。そういうありかたが、よりよい社会を下からつくっていくことになっていきます。 でも、ソ連ではまずスターリンという独裁者が台頭してきます。スターリンの下、学問や芸術が政治に従属させられ中央集権化が強められていく。このことから現代社会への教訓とするのるのは、政治が最上位でゆるぎないという至上主義って、僕は社会の偏りが過ぎるのではないか、ということだと僕は考えます。学問や芸術は独立した分野として尊重されながら在ることが望ましい気がするんです。政治視点の一面的な価値観で考えるべきではないのではないか。 ただ第二次世界大戦において、スターリンはヒトラーのナチスドイツと正面から戦って、退けたのでした。これはとても大きなポイントです。いわゆる独ソ戦。国内深くまで攻め込まれ、苦しみながらも最後にはナチスドイツを撃退した。まず、ドイツと正面切って戦っていたのはソ連だけだったのでした。それが、ドイツ敗北に終わった戦後の世界での戦勝国・ソ連の発言権を強めることに繋がります。ソ連という社会主義国への世界からの見え方が輝いたものへと変わってくる。 第二次世界大戦での死者数は、ソ連がもっとも多いそうです。全体で5000万人とも言われる死者のうち、ソ連の死者は2600万人とも2700万人とも言われるそう。それが、ソ連の指導者たちに恐怖や不安を植え付けることになります。独ソ戦の経験によって、「完全にやっつけないとこっちがやられかねない!」と過去の経験からそれが「ありうる」と判断し、危惧する(これ、実は原理主義にもつながる話だと思うのです。「原理主義」って「理想主義かつ完璧主義のこと」ということです)。スターリンによる大粛清(百万人以上もの人たちが殺された大テロル)や独ソ戦後のソ連の対外的にも対内的にも厳しいやりかた、それらはどうやら、西側諸国への不信と恐怖からきている。 そんなスターリンは死後、フルシチョフらによって批判され、ソ連には揺り戻しがやってきます。人民は、ずっと引き締められてきましたから、弛めてくれる政策を望んだ。それをフルシチョフは読み取っていて、ゆるめていきます。そんな1950年代から1960年代までは、まだ貧しさがありながらも社会主義の行く先への民衆の期待感は強かったようです。でも、思うように発展しない経済状況があり、しばしの安定から停滞の時期を経て、人々の期待感は失望へと変わり、労働意欲の低下、規律や秩序の乱れにつながっていきます。 迎えた80年代。本書終盤にあたります。ソ連解体前、ゴルバチョフの時代の彼のやり方はとてもシンプルでピュアな感じがしました。(こういう古いやり方を刷新する感じが「新しくて正しい」とするテーゼとして、当時成長期だった僕の内部にそっと根を張って今にいたるような気がします。そういう時代の空気を十分すぎるほどに吸って育ったのではないかと) ゴルバチョフのやりかたは、どろどろした政治はもうやめよう、というようなやり方のように感じるのです。政治力の使い方も、いわゆる政治力然としたものとは違うような感覚。強権的な支配、利己性などを志向していないかのよう。志向性がいわゆる政治家のそれと違うから、あれだけの思い切った舵取りを試みられたのでしょう。ペレストロイカ(改革)、グラスノスチ(マスコミの存在を重くみる、情報公開の政策)、世界平和の新思考外交がゴルバチョフ時代の特徴です。 ゴルバチョフは権力をクリーンでクリアに使おうとしたようにさえ本書からは見受けられます。そのスタンスは、甘いといえば甘く、拙いといえば拙く、若いといえば若いのではないか。だけれど、そのドラスティックさに、油っこさを(あまり)感じません。ちょっと話が飛んだようになりますけども、ゴルバチョフ氏は既成の宗教の枠外にあるような神の存在を考えていた人なんじゃないかと思うんです。そういう人のやり方だからこそのような気がします。 さて、あとは読みながら感じたことを列記して終わります。 ・まずソ連がそうだったけれども、社会主義国家や共産主義国家を称する国々は、人民の幸福のために国を発展させていくとの目標がたんなる張りぼての看板にすぎず、実際は軍事国家に転じていきがちではないだろうか。 ・ロシアは伝統的に強いリーダーを求めるそうです。強権的なリーダーを好む国民性。また、政府や機関誌などにも投書をよくする国民性で、そこに批判や意見や陳情などが多く寄せられていて、政治に役立てたり、訴えを受け入れて願いをかなえたりするシステムが成立しているそうです。これはソ連に限らず、日本でもあることです。 ・本書を読むと、社会主義の実験場・パイオニアとしてのソ連の格闘の盛衰をざっくり知ることができました。そのうえで思うのが、北欧の社会民主主義の国々は、おそらくソ連の失敗を細かく分析してよく勉強したうえで政治をしているのだろうなあということでした。具体的にどうこうとはちょっと言えない程度のふんわりした感想ではあるのですが、これまで読んできた本や記事などの記憶からそう感じるのでした。 以上、ソ連を知ることは、ロシアの背景を知ることにもつながります。また、他山の石として日本を振り返って客観的に考えたり、他国と比べてみたりなどするためのひとつのものさしを手に入れることにもなります。実際、こうやって苦労したりがんばったりしてたんだなあ、と想像しながら読むとおもしろかったです。学生時代、決められた時間に決められた進み方で決められた歴史の部分を他律的に勉強させられ、覚えることを強要されて歴史はもういいや、となりましたが、こうやって好んで一冊読んでみると、味わいがあって歴史も悪くない、という気持ちになりました。

    8
    投稿日: 2022.08.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「戦争は女の顔をしていない」コミック巻末で監修者オススメ書籍 だったのたが どちらかというと第2時世界大戦は序章で戦後の指導者と制作がメイン? 何故国民の中に制裁があったか愛国心はどこからかとかは本作では分からず。。 伝表とまではいかないが たんたんとしている 国民の7人に1人 男性だと5人に1人が戦争で亡くなったこと 勝利に酔いしれたが その後も国民への締付けは緩まなかったこと スターリン亡き後恩赦で囚人解放により犯罪がふえたこと どうもかたい文章から遠ざかっていたせいか全然頭に入らず。。 いや学生時代から 『日本人はなぜ黒縁丸メガネなのか』凄い読みやすいと感じたなぁ。。

    0
    投稿日: 2022.01.23
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    名前を知っているだけの旧ソ連の歴史や指導者たちについて その善悪も入門レベルで知ることが出来るように思う。 ”悪”とみなされることの多い旧ソ連。 結果としてうまくいかなかった事実は揺るがないが、 民意を汲み取ろうとし、民意に応えようとした事実もまた揺るがない。 教科書だけでは分かりえない一国の歴史の一面を、 もっと興味をもつように書かれた一冊

    0
    投稿日: 2021.02.04
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    ロシア革命からソ連崩壊までを一気に辿る新書。マクロ的な考察や分析、あるいは問題提起が行われているわけでなく、いわゆる概括的な入門書として歴史の大枠を掴むのに向いている。政治体制の変遷や日本との関係など興味深い部分も少なくないが、ソ連からみた第二次世界大戦の歴史観が最も印象的だった。戦勝国と言うと英米の側から考えることに慣れすぎているが、ロシアが常任理事国であることの意味を改めて考える機会になった。

    0
    投稿日: 2020.09.27
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    社会主義というものが実際にはどのように運用されたのかということに興味があり読みました。 ソ連の成立や崩壊は二度の世界大戦や冷戦が時代背景として大きくあるのでそれが経済に与えた影響が甚大だったことがよくわかりました。 人民の生活なども含めて簡潔に動向がまとめられており、読みやすかったです。

    0
    投稿日: 2020.04.25
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    偉大なゴルバチョフ、そしてスーパー独裁者スターリンの足跡と、ソ連の社会主義における計画経済を深くしれた。

    0
    投稿日: 2019.11.09
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    ソ連という国に漠然と貧しくて嘘だらけの国というイメージや教科書に載ってるようなことしか知らなかったので、正しい理解のために読み始めてみた。 そもそも生まれた時にソ連は解体されていたし、ソ連=ロシアみたいな習い方をした。もちろん大学受験の時にはある程度国の集まりということや、スターリンやゴルバチョフのことは習った。 その国の最高権力者の思想や政策が日本以上に人々の生活に強く影響を与えていた。自分の権力を維持するために粛清を行ったことで、有能な人間を失い、自分の指示に従うことを優先したスターリンや、アメリカとの優劣に重きを置き、外に見えることを優先したフルシチョフなど、その影響を受けた国民の生活は予想よりも劣悪だった。 日用品や食料の不足による飢餓、それらを手に入れるための行列、移動の制限など、生活する希望はあったのかわからないと何度も感じた。 驚いた点として、国民の意見を吸い上げるシステムとして、国に手紙を出すというのが一般的であったことである。新聞や雑誌に意見や不満などを送ることは理解できるが、国に意見を出し、それが反映されることもあったことは、国民の不満を常に意識していた国としては、非常に手っ取り早い方法だったからではあるが、ある意味では民主的でもあると感じた。 現在のロシアは国としてしっかり成り立ち、国民が幸せであるという視線で読み始めたが、決してソ連解体後は国として裕福になったり、国民生活が安定したわけでもないでもなく、ソ連時代のマイナスの根は深いと感じた。

    3
    投稿日: 2019.04.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    非常に読みやすい文体で、時代や分野の記述バランスも良い感じ。頭のなかにソ連史の時系列・因果関係的地図を描くことができた。ゴルバチョフの回想録?の引用が随所に登場し、(史料としての批判は必要だが)とても興味深い。

    0
    投稿日: 2019.02.02
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    ソビエト連邦の成立から崩壊までの歴史を辿る。新書1冊なのでかなり駆け足ではあるのだが、面白かった。概略とはいえ地図から消えてしまった国の歴史を読んでいると、『諸行無常』という言葉を思い浮かべるなぁ……。

    0
    投稿日: 2017.01.19
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    「ソ連」という言葉。懐かしくないですか? 1972年生まれの僕としては、17歳くらいまで存在した国。有名だった国。 そして、忽然と無くなっちゃった国。 「戦争と平和」を読んだり、ドストエフスキーは読んだりしたのですけれど、「良く考えたら、詳しいことは全然知らない」と思って、ふっと衝動買い。 著者の松戸さんという方は、1967生だそうなので、2017年現在50歳くらいですね。 西洋史、ロシア史の研究家で大学教員さん。 去年だったか、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」という本を読んで。冷戦時代の東欧で少女時代を過ごした米原万里さんの自伝的エッセイ。 ソ連時代の東側で少女時代を過ごした各国の人々が、ソ連崩壊以降にそれぞれに流転して大人になっている有様を描いて大変に面白かった。 あの本なんか、「ソ連史」を知ってから再読すると、またしみじみとオモシロイんだろうなあ。 # 全般として、読み易く、そして大胆に省略しながらひたすら叙事的に語ります。 ぢゃあツマラナイかと言うとそうでもなくて。 細部のドラマに入らない代わりに、「どうしてそうなったのか?」という「理由」はちゃんと説明してくれます。 つまり、お金。食糧。生活事情。軍事バランス。政治。メンツ。 なんで、簡潔で短いのだけど面白い。納得しながら読み進められます。 # 一読、いちばん印象に残ったのは、 「冷戦の頃は、アメリカと並んで、二大大国、というイメージを持っていたのだけれど、内実で言うと、アメリカと比べて貧しい国だったんだなあ」 ということです。 それだけでも大いに発見でした。 # それから、全体を通して、 「この時期にまだ青年だったゴルバチョフは、こう回想している」 みたいな感じで、ゴルバチョフさんの目線がたびたび登場します。 これはこれで、読み手としてはライブ感があってわかり易かったです。 当然だけど、ゴルバチョフさんはスターリン時代もフルシチョフ時代も知っている訳で。 変な話ですが、ものすごくゆるい、「ゴルバチョフが主人公の現代歴史大河ロマン」を読んでいる錯覚(笑)。 ####################### 以下、備忘録のようなもの。 # ロマノフ王朝だった1914年、第一次世界大戦勃発。 帝政ロシアも参戦します。 まず、この時点でまだ純然たる「帝政」であっただけでも、大まかに言うと、最新モデルの経済先進国ではなかったんですね。 思ったより全然長引いて、総力戦になってしまった第一次世界大戦。 さらに、これは、「祖国防衛戦争」ではなくて。 国際政治利害ではじめちゃって、引っ込みがつかなくなった感じの戦争。 (どこの国もですが)厭戦気分が国民に広がります。 そして、この本を読んで思ったんですが。 2017年の日本からは想像も出来ないくらいに、食料がとにかく足らなくて、生活環境が悪かった。 それで、二月革命。 ただこれは、不徹底な革命だった。 そのときに国外にいたレーニンさんは、大慌てで焦って帰国。 扇動して軍部と繋がって、史上初のマルクス主義革命。 「ボルシェビキ革命」。これが十月革命。 まずここで、大事なのは、マルクスさんは、 「資本主義が発達して、勝ち組負け組の格差拡大など、欠陥点が多くなり、共産主義になる」という理想?というかを描いたんですが、 このときのロシアは全くそういう状況ではなかったんですね。 全然まだ流通も商業も、近代的インフラが無くて、貧しい広大な国でした。 そこで、権力をレーニンが握りますけれど、面白かったのは、 「えっーと、どうしようかな」 という感じだったんですね。ほんと。 イデオロギーとしての理想はあるけれど、何しろ前例が無い。 その上、マルクスさんの前提と違って、圧倒的に貧しい。まだ資本主義が熟していない。というか、始まってすらいないんぢゃないかレベル。 とにかく第一次世界大戦から「いちぬけた」します。戦争している場合ぢゃなくて。国内の反革命勢力との内戦優先です。 大まか言うと、「全ての農地は、工場は、国のもの」ということなんですが、歓迎する人も、反発する人もいます。 そこで細かくいろいろ、制度を修正していきます。 とにかく、恐ろしいくらい巨大な国。そして、国民の九割は教育も行き届いていない、迷信深い人々。 別段、この段階でレーニンもスターリンもトロツキーも悪役ではなくて、 「どうやったら国民みんながいちばん幸せなんだろうか。考え方としては、資本家が搾取して、勝ち組負け組に引き裂かれるドッグレースな社会より、共産主義の方が絶対良いんだよなあ」 と、模索する訳です。 模索しているうちに、飢饉でも起こったら一発で国民的窮状に陥ります。 その上、イギリスやアメリカなどを筆頭に、 「資本家から全財産奪うような前提の国家だあ?そりゃアカンやんか」 ということになって、色んな形での嫌がらせというか反発がはじまります。 ソ連側としては、 「俺らのこの思想でみんなレッツ革命」という気分で、仲間を増やしたかったのですが、なかなか上手く行きません。 それでも第一次世界大戦で列強が疲弊していたこともあって、どうにか政権は持ちこたえます。 どうにか持ちこたえているうちに、スターリンの世の中になります。 でまあ、たしかにスターリンさんは、権力暴力で反対派を根こそぎ虐殺するわけです。 この1930年代の恐怖政治はすごいですね。 歴史は色んな必然と、それを上回る偶然で作られているんだと思います。 ナチスが出てきて第二次世界大戦が始まります。 とにかく内政、工業化で必死なソ連なので、日本ともドイツともいいように外交して、 「まあ、周辺の小国は好きに切り取っていいから、お互いに仲良くしようぜ」 という内容の、秘密条約を結んでいます。 この秘密条約は、ポーランドさんとかからすると、トンデモナイひどい話です。 ところが、膨張し続けるヒトラーがソ連に攻め込んできます。 この、独ソ戦は、すごかったんですね。 とにかくモスクワ直前まで攻め込まれて、ソ連は蹂躙されます。 もう、ナチス側も「財産を収奪する」ためにやってきたようなものなので、まさに見るも無残に荒らされて、殺されて、無茶苦茶になります。 なんだけど、ナポレオン以来の冬将軍、ソ連という地理的な奥深さから、最終的には押し返して、ソ連は「勝ち組」に入ります。 なんですが。 アメリカは、真珠湾くらいしか、「アメリカの国土」は荒らされていません。 なんだけど、ソ連はもう、むちゃくちゃにされちゃったんですね。 なので、終盤戦はその恨み?ぢゃありませんが、逆に無茶苦茶に簒奪します。 とばっちり?を食ったのは日本(満州国)ですね。 まあ、条約があったとはいえ、この頃の不可侵条約なんて、どっちかがいずれ破棄することが予想されるわけだから、防衛機能を持たないのに広大な植民地を大陸に持っていた日本側の国家軍事経営者がどうなのよ、と思いますが。 とにかくシベリア抑留など、満州にいた日本人たちは田んぼを刈り取られるように虐殺されて拉致されちゃいました。 そして、スターリンさんは、1930年代に身内を大虐殺して恐怖政治を敷いて、貧しい大国をかろうじて率いていた訳ですが。 1940年代に、文字通り「祖国防衛戦争」を率いて、一応勝ったことになります。英雄ですね。 そして、冷戦構造が始まるわけですが。 「ソ連は、独ソ戦で国土の西半分を虐殺されてしまったようなものなので、そのトラウマから、とにかく領土を接する隣国は防波堤として事実上属国にしておきたかった」 という視点は、なるほどなあ、と思いました。 なんていうか。 「攻撃していくため」 ではなくて、 「あの悲惨な思いをもうしたくないから」 という防衛思想なんですね。 ま、これはアメリカも同じなんだと思います。 # そして、また、戦争の焼け跡からの工業復興。 えらいこっちゃです。 そして、「共産主義・社会主義の卸元」という立場ですから、何かとアメリカ側とやりあいます。 何しろ、アメリカは原爆もってますから。 スターリンは大いに無理をします。 (スターリンのあとのフルシチョフも) なにしろ、「ソ連共産党が経営している広大な会社=ソ連」みたいなものですから。 国民の消費的幸せとか、食料の確保とか、ライフラインの普及とか。 そういうのがまだまだなのに、無理して重工業軍事産業に金をつっこみます。 原爆、水爆、大陸間弾道ミサイル… と、軍拡レースです。 # あと面白かったのは。 「スターリンのおやっさんの恐怖政治路線は、誰も踏襲しなかった」 ということですね。 あまりにインテリを殺しすぎて、産業としての社会の効率が悪くなった、というのもあるでしょうし。 やっぱり、あんなに殺したら、そりゃ不満もでますがな、という感じなんです。 フルシチョフだってその後だって、スターリンに比べたら分厚いカリスマ性も薄いので、徐々に雪解け路線になります。 # そして、50年代60年代は、それなりに重工業主体になんとか成長してはいたんですが。 やっぱりちょっと田舎にいったら、電力も下水道もない、なんてことがザラにあって。 都会でも、金はあっても買うものが市場にない。 ひどい話です。 # そして、「国家まるごと官僚主義」みたいなものですから。 行政ノルマの達成に追われて、ごまかしが横行。 ノルマさえ達成すれば、あとは頑張っても収入が変わらないし、豊かさも実感できない。 結果、どんどん勤労意欲が低下していく。 面白かったのは、「商品がない。闇市場にはある。商品が買える、という情報があったら、みんなどんどん仕事なんか勝手に休んで行列に並ぶ」というライフスタイル。 その上、戦争で男手が恐ろしく減っています。 (その前にスターリンが勢い良く内部虐殺もしていますしね) なので、労働市場で言うと、売り手市場なんです。 ちょっとさぼったからって首にしてたら、必要なときに人手がなくなる。 経営者?側も、ノルマさえ達成していたら、それ以上がんばってもしょうがない。 (そのノルマ達成も、ごまかしが横行しています) なので、首にならない。 ほんとにひどかったみたいですね。 # で、そういうことを、政権側も自覚してたんです。 「もっと食料とか、生活必需品を生産して分配していかないと、みんな不貞腐れて働いてくれないよ」 みたいなことなんです。 50年代60年代に、西側陣営も一斉に戦争の焼け跡から経済復興して、きらびやかに商品が出回っているわけで。 なんだけど、こうなっちゃうと、 「広大な荒れ地と膨大な無学国民を抱えてもともと貧しいのに社会主義やっちゃった上に、重工業がんばらないと冷戦レースに遅れちゃう」 という足かせが重い。 どうにもならない。 その上、今と違って、「うち、こんな困ってんですよ」という情報が、あんまり外国にバレないから。 やっぱりねえ。 自分の家が実は貧しくて火の車だって言うことは、他人様には隠したいですしね。 見栄をはっているうちに、どんどん国家の経営状態は悪くなっていく。 (見栄をはる=アフガン出兵とか) # でも、「どうにかせんならん」というのは政権内部でもあったんだと思います。 そうじゃないと、ゴルバチョフに託さないですよね。権力。 1980年代、ゴルバチョフ。 もう、国内ぐちゃぐちゃ。 流通も出来てなくて、街では小麦粉がないのに、倉庫で腐ったりしています。 官僚主義にメスを入れて、自分への批判も含めて許可して情報公開して。 一部、事実上の民間会社を許して。 お金ないんだから、軍事費削って アフガン撤退。米ソ協調。 「社会主義(という名のものとの独裁的官僚主義)のせいで、ハッピーぢゃない暮らしをさせられている、ソ連及び周辺諸国の人々」 の、打倒現政権、西側合流の「東欧革命」が1989−1990。 # つまりは、ゴルバチョフが、 「もう見栄はらないよ。とにかく金がないねんから、小さな政府に仕立て直さなあかんねん」 ということですね。 ただ、ここぞとばかりに20世紀初頭から抑え込まれてきた、周辺諸民族国家が独立求めて立ち上がってきます。 ソ連邦の解体までには、ゴルバチョフさんもバルト三国とかに軍事介入していますから、ここまで早く、激しく、「ソ連」というヤクザ一家が壊滅するとは、意外だったんでしょうね。 # こうやってふりかえると、 「いやあ、貧しいのに、無理してきはったんやなあ…」 というのが率直な感想。 なんかほんと「お疲れ様でした」という感じ。 興味を持って読むと、この手の新書、お手軽に俯瞰図を見せてくれて、なかなか面白いものです。

    1
    投稿日: 2017.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    [ 内容 ] 一九一七年の革命から生まれ、一九九一年に崩壊した社会主義国家・ソ連。 二〇世紀の歴史上に巨大な存在感を持つこの国は、いまだ「冷戦の敗者」「失敗した社会主義国」「民意を無視した全体主義国家」といったイメージで論じられることが多い。 しかし、その歩みを内側からたどってみると、そこでは必ずしもその印象に収まらないさまざまな試行錯誤がおこなわれていたことが見えてくるだろう。 簡潔にして奥深い「ソ連史入門」。 [ 目次 ] 第1章 ロシア革命からスターリン体制へ 第2章 「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連 第3章 「非スターリン化」から「共産主義建設」へ 第4章 安定と停滞の時代 第5章 「雪どけ」以後のソ連のいくつかの特徴 第6章 ペレストロイカ・東側陣営の崩壊・連邦の解体 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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    投稿日: 2014.11.05
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    淡々と中立的にソ連の通史を扱う。極端な事例からは教訓を多々得ることができる。現代日本にあまり引きつけすぎるのは良くないものの、いくつかの点では非常に示唆的だった。本当にソ連というのは、理想社会だったのだなあ、ということが強く残った。共産主義自体は日本以外のどこかでまたやってみてもいいんじゃない?とは無責任に思う。

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    投稿日: 2014.03.10
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    [壮大なる実験を振り返って]間違いなく20世紀の「主役」の1つであろうソ連。その誕生から崩壊までの出来事を、内政的にも外政的にも網羅的に記述し、なおかつイデオロギー色に過大に左右されない評価を下そうと試みた作品です。著者は、ソ連史を専攻し著書・論文ともに数多く手がけている松戸清裕。 まだ崩壊から20数年しか経っていないにもかかわらず、どこか「歴史」となってしまった感じの強いソ連ですが、本書ではそのソ連が何をしたか、またソ連に何が起きたかを主に時系列的に丹念に記しています。そのため、ソ連に関する前知識がまったくない方への入口として非常に有意義な一冊だと思います。記述が若干淡白で教科書的な気もするのですが、ただでさえなにかとイデオロギーの問題がつきまとうソ連という存在を記述するには適切なのかもしれません。 また、ソ連の行ったことなどについて評価を下す際、本書においてはなぜ著者がそのように考えるかを明確にしてから記録してくれているため、黒白二分法に依らない評価を読者自身が行う際の手助けを提供してくれているように思います。東欧や中東におけるロシアの影響力が高まる中で、(著者にとっては意図せずしてかもしれませんが)今改めて本書を手に、ソ連を振り返る価値は十二分にあるのではないでしょうか。 〜ソ連における政策は、民意によって形成されていたわけではないが、民意をまったく考慮しないものでもなかった。〜 参考文献が充実していたのも嬉しい☆5つ

    0
    投稿日: 2014.03.04
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    正直な感想を一言だけ。 全然面白くなかった。。 やっぱり、ソ連は避けて通っておけばよかったかな。

    0
    投稿日: 2013.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「歴史は実験できないから、汲みつくせる教訓は得よう」という主旨で、ロシア革命から91年のソ連崩壊までを書いた歴史書である。二月革命(1905)や十月革命(1917)の部分は、革命時の農村の収奪などを書いている。男性の5人に一人が死んだ独ソ戦の苛烈さ、その後の東欧への干渉にはドイツとの緩衝地帯形成の意図もあることを指摘している。そして、スターリン体制下の粛正、フルシチョフの秘密報告、スプートニクショック、フルシチョフ・プレジネフ時代の停滞、ゴルバチョフのペレストロイカなどに詳しい。労働規律の弛緩ではノルマの交渉、流通不備からくる月末の集中作業、この集中作業をこなすため、過剰な労働力を保持していたことが書かれていて、当時のソ連の労働がよく分かる。また、経済成果を重視したフルシチョフに迎合し、繁殖過程を無視して、三倍の食肉を出荷した結果、地域の牧畜に壊滅的打撃をあたえた「リャザン州事件」など、教科書にのっていないような事件にも言及している。環境破壊の項目では、社会主義の理念では労働が環境を改造すること、国営企業が汚染して国家が罰を課すという構造から、取り締まりがゆるく、また罰金をとるために「泳がせて」いたことなどが指摘されている。中国は政治改革より経済改革を先にしたので、ロシアのように崩壊せずに済んだという論に対しては、たしかに政治運動が「上からの改革」の邪魔にはなったが、要するに、ゴルバチョフは経済改革をしたかったけど、政治改革もしなければならず、結局、ロシアにおいては必要な措置だったというように説明している。中国のことを知るにも、ソ連のことを知る必要はあるし、実際、食料供出や言論弾圧、政策迎合など似た事件は多い。20世紀に存在し、たしかに魅力をもっていた「対抗文明」を学ぶ価値は大きい。ソ連の人民は社会主義を支持したし、政権も人民とのコミュニケーションを絶やさなかった。また、統制の及ばぬ所での「自由」があり、がんじがらめの統制国家ではなかったことも、ソ連を理解するには重要な要素である。随所にゴルバチョフの回想録が引用されている。

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    投稿日: 2013.04.29
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    概観がコンパクトにまとまっていて、他の本で挫折した私には程よい長さでした。基礎を一からというより、ある程度歴史や政治に対して前知識があった方が読みやすい内容だと思います。

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    投稿日: 2013.04.12
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    通史を学びたいと思って手にしたのだが、印象は今一つ。ソ連という国家が意外に国民世論というものを気にしていたというのは意外な発見ではあるものの、全体として記述は平板なように思う。「この国を知らずして20世紀は語れない」という帯の文句はその通りだと思うんですけどね。

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    投稿日: 2012.09.30
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    ソ連指導部は民意の調達に躍起になっていて、人民からの手紙やら果ては投票用紙の余白への書き込み(!)もその手段であったということには驚いた。 手堅く淡々とした記述なのでややもするとモノトーンになるのだが、ゴルバチョフの手記からの引用が彩りを添えるアクセントになっている。 で、そのゴルバチョフの改革はすべて裏目裏目に出て(ある意味で失政)、結局「ソ連史」の幕引きとなったというのは皮肉。 それにしても。 計画経済や民主集中制は少なくとも理念においては人間の理性や良心に依拠したものだと思うのだけれども、その社会主義が、神の見えざる手だの相互不信(権力分立制)に依拠する資本主義・自由主義に敗れたということは、性善説vs性悪説としてみると、性悪説の勝利ということになるのだろうか。 そう考えると、少し切ない。

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    投稿日: 2012.09.09
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    今は消滅した国家、ソ連。 本書は題名の通りこの国家の誕生から解体までを解説した本です。 新書形式なので結構駆け足な所もあるかとは思いますが、ソ連国外からの「ソ連=周辺諸国や自国民を弾圧した強権国家」と言ったステレオタイプな視点ではなく、この国家を違った視点から理解する切っ掛けとなる内容の一冊でした。 では前置きはこの位にして、以下に本書が解説するソ連史から抜粋した内容をご紹介します。 革命直後、革命政府は社会主義の理想に基づいて現実に即していない政策をとって国内外で危機的状況に陥る。 そしてその危機を国民の多大な犠牲により乗りきる。 しかし、国民に大きな犠牲を払わせたことにより国内に歪みが生じ、この歪みを解決しようと様々な政策が取られるが、これらの政策も現状に即していない物であった為、更に国民に負担をかける。 その一方でソ連政府は国民の不満には敏感であり、共産主義の理念も影響を与えた事によってソ連は福祉国家として発展。 だが、政策ミスを連発した事による経済停滞は止められず、これにアフガン進行が加わって国家破綻の瀬戸際にたつ。 ゴルバチョフはこれらの問題を解決しようとグラスノスチなどの政策を取るが、国民生活の質を向上出来なかった為、逆に国家解体と言う結果に結びついた。 特に、本書で解説されている以下の点 ・国力を考えずに重工業化を進めた為、国内が疲弊した事。 ・そして膨大な犠牲者を出したスターリンの大テロルや現状に即していない政策によりヘロヘロな状態となっている時、ドイツとの激しい戦争に突入。 ・勝利を得たものの甚大な損害を受けた事。 ・戦後は激しく損耗した状態で、国力が充実したアメリカを相手にした競争に突入した事。 や、(本書の表現を借りれば)「善き意図が善き結果につながるとは限らない」と言う表現そのままの現状に即していない政策の連発。 最早「アメリカが冷戦に勝利したと言うよりも、ソ連が自滅するまでアメリカは持ちこたえていたと言うのが正しい認識ではないか?」と言う疑問を抱く程。 ソ連解体に至る原因として様々な外的要因もあったのだろうが、もっと根本的に「現実よりも自らの価値観を優先させた」と言う原因があったのではないか。 この様な事を考えながら読了。 かつて広まっていた「ソ連=強大な国家」と言った脅威論に染まるのでもなく、かと言って冷戦後のソ連を侮る考えに立つのでもない本書の解説。 ソ連の失敗を客観的に指摘してくれる内容となっていますので、ソ連に対する上記の様なステレオタイプな視点ではなく、それ以外の視点からこの消滅した国家を理解したければお勧めな一冊です。 興味があれば一読を。 "#尚、著者が上記のステレオタイプな視点を払拭しようとした為か、若干ソ連政府が国民の意志を重視していたと言う点を強調しすぎている様な印象も受けましたが、この印象は(例えば政府に対する反対意見が表明された割合など)具体的な数値を用いた解説が少なかったからかも知れません。 #最も、ソ連時代にこの様な統計をきちんと取る事が出来たのかと言った問題があるのかも知れませんが・・・"

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    投稿日: 2012.08.04
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    新書サイズで革命から連邦解体までを記述しており、第二次大戦後の話に多く割かれております。 ソ連が一般に抱かれているイメージとは異なり、体制内で異論も表明可能であり、共産党も一方的に抑圧していたのではなく、国民の意見を聞き、それに応えようともしていた、とも。 特に目新しい知見は得られませんでしたが、チェブラーシカは1974年に初めて映画化されたとのこと。ブレジネフ時代ですね。。 巻末に参考文献集がおさめられており、最近の研究書は読んでいないので、ここからピックアップして読んでいこうかなと思います。

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    投稿日: 2012.05.13
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    私の物心がついたころには存在し、いつの間にか崩壊したソビエト連邦。あの国は何だったのかと思って手に取った。 ロシアを中心にソビエトを見ている感は否めないが、ソビエトの誕生からを一通り学べる良書。

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    投稿日: 2012.04.05
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    「ベルカ、吠えないのか?」を読んでソ連に興味を持ち、買った本。 いろんな政策が次々失敗してて残念です。 『善なる意志が善なる結果を生むとは限らない』だったかな?(引用) 社会主義の理想は地球環境とか考えるとそうあったほうがいいのかもしれないと思う。 資本主義の理想はなんなのだろう?『善』なんだろうか? 平等な富と資本主義は共存しないのか?

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    投稿日: 2012.03.27
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    北海道学園大学法学部教授(ソ連史)の松戸清裕(1967-)によるソ連内政史の概説。 【構成】 第1章ロシア革命からスターリン体制へ 第2章「大祖国戦争」の勝利と戦後のソ連 第3章「非スターリン化」から「共産主義建設」へ 第4章安定と停滞の時代 第5章「雪どけ」以後のソ連のいくつかの特徴 第6章ペレストロイカ・東側陣営の崩壊・連邦の解体 ソ連という国については、評者より上の世代はなにがしかの感慨を込めてイメージを持っているのではないだろうか。しかし、日本に住む我々の多くは、社会主義国家という壮大な実験を行ったソ連という国の成立から衰退までの通史を把握できていないのではなかろうか。 本書は、ソ連の内政史とりわけ農業政策を中心として、スターリン、フルシチョフ、ブレジネフ、ゴルバチョフの各指導者たちがとった方針を論じる。コルホーズ、ソフホーズを軸とした農業政策の挑戦と失敗にソ連という国のエッセンスが詰まっているかのように本書は論じる。 農作物にせよ、工業製品にせよ、常に数字=実績を追い求める計画経済は、指導者が示す数字ばかりが先行して、下部組織は捏造・誇張、あるいは後先を考えず短期的な成果のみを求めて「数字を作る」。 さらに、成果に関わらず一定の賃金を得る労働者は、農地経営の困難さと労働市場の非流動性に起因する「売り手市場」を背景にして、勤労に対するモチベーション・規律は低迷する。そして、仕事もせずウォッカを呷る戯画的なソ連労働者が至るところに実際に現れることになる。 ソ連という国家は歴史となったが、ソ連が抱えた課題が完全に過去のものになったわけではない。

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    投稿日: 2012.03.04
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    20120226-0308 今は亡きソ連という実験国家の歴史がテンポよくまとまっていたと思う。80年代以降がやや駈け足だったけど、余計に興味がわいた。結局、この巨大な資本主義発展段階以前の農奴国家を理想論だけで運営するのは出来なかったということかな。

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    投稿日: 2012.02.27
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    新書としてのソ連史の入門書。 レーニンの建国から、スターリンの独裁的な体制と第二次世界大戦。フルシチョフのスターリン批判からキューバ危機、フルシチョフの失脚とブレジネフ政権と2人を挟んでゴルバチョフの台頭とソ連の解体まで追っている。 共産主義のイデオロギー的な視点よりも、経済的な視点が強かったと思う。人間は経済を予測できないという視点に立つことが大切だと思った。コルホーズやソフホーズなども含めて、システムを作っても有効に活用されないと経済は停滞するのは、各国の公務員にも通じるかもしれない。 ゴルバチョフ就任時には、軍事費は、国家予算の16%の公表に反して、40%もあったという。それでは長期的に見て、国の経営はできないと思う。ソ連の消滅から分割を経て、今ではロシアの復活となっているが、なかなか壮大な実験の記録という面では、面白いと思った。実験される方はとんでもないが。

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    投稿日: 2012.02.24
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    新書でお手軽だったからタイトル買いした一冊。ソ連の誕生から解体までコンパクトにまとまってはいるのだが、「革命当初から不安定だった体制がなぜ持ちこたえ、第二次大戦にも勝利したのか」「経済政策や農業政策は生活を脅かすほど失敗していたのになぜ国民は一定の期待と支持を続けたのか」「ゴルバチョフの書記長就任から数年で連邦解体に至ったのはなぜか」といったことが今一つ明確になっていないように感じられた。一律的なイメージではとらえられない試行錯誤の歴史があったのはわかるのだが、結果的に70年以上も体制を維持しえた裏にあるものについて深掘りできていればもっと興味深かったかもしれない。

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    投稿日: 2012.01.24
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    1917年のロシア革命で実権を握ったソビエト社会主義共和国のレーニンが中心に社会主義革命を進めていく。思い半ばで亡くなりスターリンが後を継いで進めていくが、第一次、第二次世界大戦の疲労で計画通りには経済が回らなかった。また国営のコルフォーズ、ソフォーズも計画は達成できずに食料不足から餓死者まで出てしまう。対戦後は軍備に大量の予算を投入しアメリカと核開発で張合い冷戦時代を一方の雄として過ぎる。1990年にゴルバチョフの時に経済的に限界になり社会主義国家の限界を示す。しかし福祉には力を注ぎ自由主義圏では参考にせざるを得なかった。 非常に解りやすく纏めており参考になった。

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    投稿日: 2012.01.21
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    良くも悪くも入門書。 専門外の自分にとってはちょうど良いレベル。 冷戦時の東西対立については多少なりの基礎知識はあったが 内政分野の知識はほぼ皆無だったので興味深し。 昨今何かとニュースで取り上げられている中国の農村籍、 コルホーズ維持を目的として旧ソ連でも似たようなことやってたわけね。 諸学は終わったので、次は気合入れてE・H・カーの 「ロシア革命―レーニンからスターリンへ」でも読もうか…。

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    投稿日: 2012.01.21
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    集団化を強行したことに対して農民が反抗したので、スターリンは成功による幻惑という論文を執筆する。自発性の原則を強調して、集団化の生きすぎを戒めた。 計画経済では計画に基づいて生産と供給が整然となされるイメージがあるかもしれないが、戦前でさえ計画によって基本的な需要が満たされない分野は存在した。 都市住民の生活も苦しかったが、食糧供給を支えた農民たちの負担もきわめて大きかった。 ソ連国内に住むドイツ系住民を敵視する政策が採られた。、ロシアでは18世紀後半からドイツ人の殖民が奨励され、数万人規模のドイツ人が移住していた。 ソビエト政権と共産党は、自由主義(リベラリズム)に否定的な態度をとっていた。リベラリズムという用語も否定的な単語だった。

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    投稿日: 2012.01.11
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    本書は、所謂“政治史”、“外交史”というような分野に止まらず、“経済史”、“社会史”とでもいうような分野に関して詳しい。それが興味深い。 「過ぎ去った体制(=ソ連)に関して読んでも…」と切捨てず、本書に付き合う価値は存外に高いように思う。現在、“ソ連”が語られる場面は非常に少なくなっている訳だが、本書は「好いタイミング」で登場したかもしれない…

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    投稿日: 2012.01.10
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    頭に入ってこなかった・・・(;ω;) また、根拠が示されていないことが多く、特に数量的な話に目立ち、そのことが気になった。 例えば、「党員の増加は、過去○○人に対し減ってはいるものの●●人はいるのだから、出世目当てだけに限らず情熱によるもの」という叙述。 過去と数を比較しているが、単に数量を示しただけでは、根拠とはいえない。逆に、何人からなら少ないの?という話。 感覚ではなく、当時の証言がないと…。

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    投稿日: 2011.12.21
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     職場の平積みから購入。  著者も前書きで書いているが、ソ連、共産主義というのは、20世紀の壮大な社会実験。この成果、失敗を無駄にしてはいけないと思う。  特に国の政策はあまり実験できないので、失敗例について注意したい。 ①アフガニスタン侵攻について、ソ連の政治指導部は、短期間で新そ政権の樹立して撤退する予定としていた。しかし、アメリカの支援を受けた反政府ゲリラと内戦になり、ソ連は大規模な軍事介入を余儀なくさせられた。(p173)  アメリカは、この時のゲリラ支援で、ビンラディンを生み、そして、自ら、イラクとアフガンで泥沼化を引き起こした。歴史に全く学んでいない。 ②人事の安定は人事の停滞を生んだ。社会的流動性の高い1930~40年代に地位を得た人が、1960~70,時には、1980年代までその地位を維持し続けた。(p164)  優秀な先輩には申し訳ないが、やはり定年制は不可欠。これでは、若い人のやる気を極端にそぐ。 ③強制的な農民の集住化が、脱農民化を招き、農村の荒廃につながった。(p152)  どこかの知事の漁港の集約がこのような結果をもたらさないか、注視したい。  いずれにしても、もうソ連なんか興味がないと思いがちだが、そういう人気のない分野に示唆にとむアドバイスがある。  その意味で、貴重な本だと思う。

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    投稿日: 2011.12.10