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マンガを掘りつくせ!Manga Diggin’ vol.7 『贄姫と獣の王』

「このマンガがすごい! 2017」にランクインした新たな異種ロマンス!

人外×王道少女マンガ『贄姫と獣の王』をご紹介!!

第7回は、Reader Storeコミック担当・島村が担当させていただきます。
今回ご紹介する作品は、「このマンガがすごい! 2017」(宝島社刊)オンナ編第10位にランクインした『贄姫と獣の王』(友藤結/白泉社)です。

贄姫と獣の王 1巻

異形の眷属の王に生贄として捧げられた少女・サリフィ。何者も寄せ付けない恐ろしい王の真実を知った時、サリフィは妃として迎えられることに──!?

このタイトルと表紙イラストを見て、‟「美女と野獣」みたい”と連想した方も多いのではないでしょうか?そう、本作はいわゆる“人外モノ”です。


昨今『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ/マッグガーデン)や『亜人ちゃんは語りたい』(ペトス/講談社)のヒットで、マンガ業界でひそかに盛り上がりをみせる“人外モノ”……。そんななか、ついに‟少女マンガにも人外モノの注目作が登場!! ”ということで、ピックアップさせていただきました!


舞台は瘴気(しょうき)漂う禁忌の地。そこにはかつて人を喰らい支配した異形の眷属(けんぞく)と、恐怖をもって彼らを統べる王がいた……。主人公の少女・サリフィは魔族の王に捧げられる99番目の生贄。普通なら恐れ怯えるはずですが、生贄となる運命を知りながら生きてきたサリフィは王を恐れません。運命を受け入れ、あっけらかんとしているサリフィの表情には諦めさえも感じられます。供儀(くぎ)の夜、サリフィは予期せぬ形で王の真実の姿と彼が本当は優しい心の持ち主だということを知ることに。そして、サリフィは王の側にいることを願うようになります。王もまたサリフィのことを受け入れ、自分の妃に迎えると言い出して……。こうして物語は大きく動き出します。

王様はモフモフで、イケメンで…!?

少女マンガに登場する人外キャラというと、人間の姿に獣耳をつけたイケメンが主流ですよね。それももちろん大好物ですが、本作の魅力の1つは、王様が“大きな牙とモフモフの毛皮を持った獣”だということです。さきほど触れた、王の真実の姿というのは“魔族と人間のハーフ”であること。彼は月の光が射す天啓の夜にだけ人間の姿を現します。しかし、その時以外はずっとビーストモードなのです…! 獣耳イケメンがときどき獣姿になるという従来の設定とは真逆です。

作中、王様の持つ立派な尾にサリフィが、‟モフッ”とするシーンが何度も描かれています。(上記画像参照)これはたまりませんね! 私もそのモフモフに顔をうずめてみたい…。また、王様がサリフィを抱きかかえるシーンや、一緒に眠るシーンの2人の大きさの対比にとても萌えます!


まだ‟恋愛”という感覚とは少し離れている関係の2人ではありますが、純真無垢で自由なサリフィの行動は実にかわいらしく、それを受け入れる王様の姿は甘々でときめきます。 種族は違えど、2人の関係や物語の展開は王道の少女マンガなので、胸キュンすること間違いナシです。

まるでマスコットキャラのようなモフモフ感に癒されながらも、時に現すイケメンな人間の姿にドキドキ……。王様は姿のギャップにときめくことができる、2倍美味しい素敵なキャラクターなのです‼

魅力的な人外キャラクターたち

「少女以外、全員人外。」と単行本の帯に記されているのですが、まさにその通り。魔族世界では主人公のサリフィ以外、本当にみんな”人外”なんです。獣姿や怪物のキャラクターが脇を固めます。この人外たちがまた魅力的でかわいいこと!


私のイチオシは、“ザ・魔族”な見た目のキュクとロプス。最初はサリフィの監視役をしていた2人ですが、すぐに打ち解けてサリフィのおしゃべり相手に。この2人が魔族世界の案内役となり、雰囲気を和ませる良い役割を果たしてくれます。宰相のアヌビスは小言をいう小姑のようですが、犬の姿をしたイケメンさんです! 先生もイケメン(人外だけど…)のつもりで描いているとのこと。


見た目はみんな人外ですが、それぞれが個性的。中身は人間臭いところもあり、愛着が湧いてきます。最初は‟人外モノ”に違和感を感じる方もいるかもしれませんが、読み進めるうちにきっとお気に入りの人外キャラクターが見つかるはずです。


また、読者にとって毎巻の楽しみになっているのが、巻末の単行本描き下ろしページです。なんと作中に登場するキャラの人外と人間の姿が逆転! サリフィがケモノの姫になり、他のキャラが人間の姿で描かれたショートストーリーが掲載されています。ファンにとっては「先生、ありがとうございます」という感謝の念が堪えないオマケ。ぜひ本作を最後までチェックしてみてください。


現在、3巻まで刊行されている本作。異形の王と共に生きることを決めたサリフィがたどる運命は…? そして、王の秘密の真相とは…? 今後の展開から目が離せません。少女マンガ、人外モノが好きな方は是非お手に取ってみてください!

“人外モノ”がお気に召したら…

もっと他にも“人外モノ”を読んでみたいという方には『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ/マッグガーデン)をオススメします。魔法使いのエリアスは正真正銘の人外。街に出かける際、変装の意味で人間の姿になりますが、基本は異形の姿をしています。

人外も好きだけど……‟恋愛要素や人間的な設定多めでお願い”という方には、『神様はじめました』(鈴木ジュリエッタ/白泉社)がオススメ! 妖狐や蛇、天狗などイケメン人外が目白押し。こちらも『贄姫と獣の王』と同様に、主人公・奈々生(人間)以外は神様や妖怪(人外)ばかりです。

(本記事は2017/2/21に、【es】エンタメステーションに掲載されたものです)

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本コラムで紹介した作品①

本コラムで紹介した作品③

コンシェルジュ・プロフィール

島村


Reader Storeコミック&ラノベ担当。映画とマンガをこよなく愛しています。りぼん育ちのゆとりアラサー。夏は盆踊りを嗜みます。1年中夏だったらいいのに。

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