
中1の娘のイジメに立ち向かっている親友に(3月のライオン)
中1の娘のイジメに立ち向かっている親友に
その少年は、幼い頃すべてを失った。夢も家族も居場所も──。この物語は、そんな少年がすべてを取り戻すストーリー。その少年の職業は──やさしさ溢れるラブストーリー。
中学生でプロ棋士になり、高校生になった桐山零が下町の和菓子屋の川本家3姉妹と交流を持ちながら、棋士として、人として、男として成長していく物語。3月に実写映画が公開されることでも話題になっている。
まだ連載中で単行本でしか読んでいないので、あくまでも、これまでに私が読んだ中での話なのだが、最も泣けたのは和菓子屋の次女・ひなたが中学校でのいじめを受けていることがわかり、いじめが解決するまでの単行本で5-7巻のあたりだ。将棋界の話も知らないことだらけだし、登場する棋士のキャラクターもみんな個性的でかなり面白いのだが、ひなたのいじめ問題は零が川本家にさらに深く関わるようになった出来事として、大きな意味のあるものだと思う。
中学校でいじめを受けているひなたの苦しみを取り去ろうと、零、ひなたの姉・あかりが奔走する中で、私が心を鷲掴みにされた素敵な人物を紹介したい。
1人目は、ひなたのお爺ちゃん。和菓子職人で、川本家を支える大黒柱。ひなたがいじめられている友達をかばい、いじめの標的になってしまったことを聞いた時に、「よくやった。」「すげぇ勇気だ!」「お前は何ひとつ間違っちゃいねぇ!胸をはれ!」と褒めたのだ。お爺ちゃんの言葉は、ひとりぼっちになるのが怖いと思いながら、自分のしたことは間違ってない、後悔しちゃダメだと心を保っていたひなたをあたたかく包み込んでくれるものだった。
もう1人は、ひなたが通う中学校の学年主任の国分先生。50代くらいで角刈りっぽい短髪&黒ぶちメガネの先生はひなたのクラス担任が心を病んでしまったために登場し、いじめの解決に向けて動いてくれる。いじめ首謀者の女生徒とひなた、それぞれの保護者を交えて3者面談やクラス内での聞き取りを行い、その後も首謀者の女生徒との面談を定期的に行う。教育者の責任感から女生徒と向き合い真の改心を目指すのだが、このやりとりも含めてカッコ良すぎて、名言連発で惚れてまうやろーな先生。
中学校でのいじめの雰囲気や当事者たちの気持ち、先生や学校の様子だけでなく、いじめにあっている当事者の周りの大人や先生の対応の重要さがよくわかって、何度も鼻の奥がツンとして、涙がこぼれた。
京都で暮らす親友の娘さんが、中学校でいじめを受けているらしい。早く笑顔で学校に行けるように祈りを込めて、「3月のライオン」をオススメしたい。いじめ未解決の中で修学旅行へ行くひなたのことを心配した零が鴨川のほとりでひなたを見つける場面が個人的に大好き。(水蓮)


