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育児より辛い、先の見えない婚活地獄(東京タラレバ娘)

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今回は『東京タラレバ娘』(東村 アキコ 著)を取り上げます。

育児より辛い、先の見えない婚活地獄

東京タラレバ娘(1)

「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する最新作!!

息子が1歳を過ぎたばかりの頃、育児疲れで気持ちが荒れきっていたある日、東村アキコのファンである旦那が買って帰ってきた。

 

婚活経験者にとってはあるあるの連続で、爆笑の先にあまりに辛すぎて泣きそうになり、未だに未婚である友人たちの顔が頭に浮かんだ。育児も辛いけど、先の見えない婚活に比べたらマシだと思った。子供の成長を目の当たりにできて、いつか終わりがあるとわかっている子育てのほうがずっと楽なのだ。

 

買ってきてくれた感謝とともに、めちゃめちゃ面白かったと旦那に報告したのだが、どうやら男性には理解に困しむ内容だったらしい。登場人物たちの悲喜交交を笑っていいかどうか分からないと戸惑いを感じたのかもしれない。

 

物語は高校の同級生であるアラサー独身女性3人が恋に奔走するものなのだが、彼女たちの恋はかなりしょっぱくて、東村流のギャグがその痛々しさを笑いに転化させている。主人公の売れない脚本家の倫子は10年前に振った男からの再アプローチに心踊るもそれは単なる勘違いで、ネイリストの香はギタリストとして成功した元カレと再会するが、彼には本命のモデルの彼女がいて2番目の女になってしまう。父の居酒屋を手伝う小雪はお店の客として知り合ったサラリーマンとの不倫がやめられない。

 

彼女たちは何かあれば3人で集まってはクダを巻いて飲みながら、あの男と付き合っていレバ、あと○歳若かっタラ、などタラレバを繰り返して、女どおしで傷を舐め合っているのだ。

 

35歳が近くなり、恋愛の先に結婚や出産が見えてしまうからなのか、打算や計算が働き、感情に押し流されることなく頭で考えて動けなくなってしまうことがある。そのくせ押しに弱く、女として求められることが嬉しくて、不毛な関係だとわかっていてもやめられない気持ちも痛い程わかる。結婚したいけど、なかなかいい相手に出会えないと感じている独身女性にとって、3人の登場人物の状況や心情は身を切られるような展開の連続だ。

 

1月から日本テレビで実写ドラマがスタートしていて話題だが、原作よりも登場人物の年齢が3歳若い設定になっているせいか、漫画に比べるとタラレバ女たちの辛さが随分マイルドになっている気がする。女、30歳と33歳の差は大きいでしょ。

 

そして、少しだけ苦言。ドラマの放送スタートにあわせての刊行スケジュールなのかもしれないが、6巻、7巻、ここのところの新刊はちょっと薄い(ページ数が少ない)気がする。すぐに新刊が出るのは嬉しいけれど、すっごく面白いのに、あっと言う間に読み終えてしまって、物足りなさを感じることもある。

 

最新刊である7巻では、タラレバ女3人にズバズバと正論を言い放ってきた謎のイケメンモデルKEYの過去が明らかになり、カバーイラストの通りジェットコースター的な展開になっている。(水蓮)

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