
Serendipity ~偶発的な出会い~ vol.43 嗚呼、素晴らしき哉、“実験”人生

話題となった『あなたは絶対!運がいい』(廣済堂出版)をはじめ、絵本や日記、旅エッセイ等、執筆した本は計30冊以上、累計300万部を超えるベストセラーをもつ作家・エッセイストの浅見帆帆子さん。順風満帆な人生を歩んでいるかに見える彼女ですが、決して、もともと“運がよかった”わけじゃない。どこにでもいる普通の女の子が、どうやって“人生を楽しむためのちょっとしたヒント”を手に入れたのか――。その謎に迫ります。
スピリチュアルとは縁遠い、いたって“普通”の幼少時代

『あなたは絶対!運がいい』『わかった!運がよくなるコツ』『宇宙につながると夢はかなう』など、“運”や“夢”、“宇宙”というタイトルの本を多数出していると、どうしても私自身が“スピリチュアルな人”と思われがちです。たとえば、小さいころからものすごくスピリチュアルな環境で育ち、目に見えない世界が見え、そういった関連の本ばかりを読み漁り、運や縁やタイミングなどについていつも熱く語っているような…(そんな人いませんか?笑)。でも、実際は全然違います。
日本とハワイを行ったり来たりしていた幼少時代は、母が厳選した日本語の絵本、たとえば『ぐりとぐら』シリーズなどを繰り返し読んでは暗記していました。ジュエリーや刺繍、インテリアなどの写真集や画集も、書いてあることは読めなくても、幼心に、きれいだなぁ、と思いながら眺めるのが楽しみでした。女の子なら一度は通る道ですよね。ですから、幼稚園時代の将来の夢は“本屋のおばさん”。大好きな絵本や画集に囲まれて、1日中、自由に本が読めるなんて幸せ! それが本屋のおばさんになりたい理由でした。

小学生時代も、図書館に入り浸っているような読書家だったわけでもなく、「この1冊で運命が変わった!」といった本に出会うわけでもなく、文章が得意だとか国語の成績がズバ抜けてよかったわけでもなく…。いたって普通の小学生(笑)。ただ、1年生のころから学校の方針で毎日日記を書くという課題があって、原稿用紙2、3枚でしょうか、子供にしてはかなり長い文章を毎日書いていました。母がそれを読んで数行コメントを書いたものを先生に提出するという形式で、それはまったく苦痛ではなかったんです。小学生の毎日って本当に盛りだくさんでワクワクな日々じゃないですか。だから日記に書くことはたくさんあったんです。
そのせいか、中学・高校になっても、毎日日記を書くということが習慣になっていました。そのころはもう、母にも先生にも見せなくていいわけで、私だけの日記です。当時流行った鍵付きの日記帳に、書いてあることは恋愛の話ばかり。今読むと思わず赤面するような言葉や妄想(!?)のオンパレードです(笑)。
まさか本を書くことになるとは…。不思議な縁で現在の道に
大学卒業後ロンドンに留学し、インテリアの勉強をしていたころも欠かさず日記をつけ、同時に海外でひとりぼっちという寂しさもあって、母とパソコンでメールのやりとりもしていました。その日あった出来事や感じたこと、凹んだことやうれしかったこと。本当に他愛もない内容です。帰国後、当時を振り返りながら母とそのメールをみていたら、同席していた方が「それ、面白いから本にしよう!」と突然おっしゃって。そこで、母とのメールと日記をまとめたのが、最初に出した1冊『ロンドンの勉強』でした。
ところが、本を1冊出したとはいえ、当時はそれを職業にしようとは思っておらず、かと言ってほかにやりたいこともない。もんもんと過ごしていたある日、母に「自分が楽しく仕事をしている姿をイメージして、あとはとにかく目の前にあることを一生懸命やりなさい」と言われ、学生時代から続けていた家庭教師という仕事に、それまで以上に真剣に取り組んでみたんです。そうしたら生徒さんのお母様の知人の方の会社のインテリアの内装を頼まれ、行ってみるとそこは出版社で、社長と内装の相談をしながらあれこれ話しているうち、「次の本を出してみたら?」と言われて書いたのが、代表作となった『あなたは絶対!運がいい』なんです。目の前のことを一生懸命やっていると、道はどこかにつながるんだ…そう実感した出来事でした。
運がよくなりたい! 藁をもすがる思いで実験開始

こうやって振り返ると私のことを“単に運がいい人”と思う方も多いかもしれません。でも、もともと運がいい人ではないんですよ、私(笑)。だから、運がいい人になりたくて、あれこれ実験したんです。何をしたかって? それはもう、本当に当たり前のことばかり。最初の実験は、ロンドン留学時代。なかなかひとり暮らしの部屋が見つからず、不動産屋に行っても毎回長蛇の列。こんなとき、お目当ての部屋が回ってくるのが運がいい人なんだろうなぁ…と思った私は、運がよくなりそうな行いを片っ端から試してみることにしました。部屋を借りるための面倒なオファーの手続きも終え、やるべきことはすべてやり、ひとりぼっちの海外で頼れるものは、こうなったら運だけ(笑)。今思うと、それくらい藁をもすがる思いだったのでしょう。
そこで試したのが、小さいころから両親に言われていたものすごく単純な行い。笑顔で挨拶をする、掃除する、お年寄りに席を譲る、今留学できている状況に感謝するetc.だまされたと思って、こういう小さなことと徹底的にやっていたら、数週間後、不動産屋で私にピッタリの部屋が回ってきたんです。しかも、行きたいと思っていたインテリアの学校に、偶然ひとりだけ欠員まで出て…。運がよくなる行いってあるんだ! すごい! そう思ったらもう、毎日が面白くて。でもこれって、決して頑張ってる、無理してるわけじゃないんです。たとえば掃除が行き届いた部屋は、自分も他人も居心地がよく、気持ちいい。笑顔でいることも、挨拶もそう。こうしなくてはいけない、こうあるべきではなくて、自分がそうしたいから、する。ここがポイントなんです。
身の回りに起こることはすべて、自分の行いとつながっている

掃除をすることと目当ての部屋の当選なんて、一見まったく関係のないものに見えるかもしれません。でも、自分の周りに起こることはすべて自分の行いが跳ね返ってきた結果。つまり、運やタイミングのよさって、自分の言動でコントロ-ルできる。それは、日常生活の中で、運がよくなりそうなこと(言動も考え方も)を繰り返し実験してみることで、私が身をもって体感、実感した法則です。もちろん、タッチの差でうまくいかなかったり、何かがズレてるなぁ…と感じるときもあります。そんなときは、何かの合図。最近の自分の言動を振り返るよいチャンス。欲張っていたり、考え違いをしていた言動に気付くと、そこで運の悪いことはとまります。つまり、まわりに起こることはすべて自分への「お知らせ」なんですよね。
これを繰り返していると、どんどん、自分の本音や居心地のよいと感じること、ワクワクすることに素直に行動できるようになります。自分への信頼感が増すんです。ピカピカの部屋は気持ちいい、居心地がいい、ワクワクする→掃除する→いいことがあった!→信じて続ける、といったふうに循環していくんです。決して、きれいな部屋じゃないと運がよくならない→掃除をしなければならない、ではないんです。
努力しないと成功しない。苦労しないと出世しない。我慢しないとお金は稼げない。好きとかワクワクなどと言った“直感”に従って利益が出るはずがない。そんなふわふわとした、楽ちんなやり方で人生うまくいくわけがない。だったら、世の中の人が全員、成功しているはずじゃないか! ……と思う人もいるかもしれません(笑)。だからこそ、騙されたと思って一度、試してみてください。掃除でも笑顔でも挨拶でもいい。自分の中の気持ちいいこと、居心地のよいこと、ワクワクすることに素直に耳を傾けて、まずは何かひとつ、実験してみてください。何かがきっと変わります。人生は一度きり。実験人生、決して悪いものじゃないですから。第一、実験という言葉自体、ちょっとワクワクしませんか?
Text/Miho Tanaka(staff on)
あなたと宇宙とあなたの使命
浅見帆帆子(著)/ 世界文化社

ワクワクすることにもっと素直に正直に。そう言い続けてきた浅見さんが、人が生まれてきた役割や使命は、実はワクワクすることの中に隠れているということに言及した初の本。
「誰でも、自分が思い描ける夢や望みは必ず実現します。そこに、その人の生まれてきた役割(使命)があるからです。…あなた自身が幸せになることは、世界の幸せにも影響を与えることなのです。 だからまず、あなた自身が幸せになっていいのです」(まえがきより)。2012年、世界も大きく変わる大変革の時代に、潜在意識にアクセスして幸せに生きる引き寄せの法則。 著者自ら「集大成」と語る、「宇宙とつながって夢をかなえる」帆帆子の法則、決定版です。
帆帆子さんの仕事場拝見!
仕事場の本棚

海外留学時代からずっと集め続けているインテリアや雑貨、ジュエリー関係の本や著名な画家の画集が中心。「歴史あるものから新しいものまで、美しいビジュアルを眺めているだけでワクワクし、感性が刺激されます。特に、ちょっと落ち込んでいたり停滞しているなぁ…と感じるときに本を手に取ることが多いのですが、それはきっと私の中で何かを探しているとき。そのとき手にした本の写真や言葉にはきっと答えが隠されているんだな、と思っています」
最も影響を受けた本

「ここ10年で一番影響を受けたのが“アミ 小さな宇宙人”(徳間文庫)シリーズ。3部作なんですが、主人公の男の子が、宇宙人・アミと出会い、一緒に宇宙旅行をした体験を、架空の物語として書いているという設定なんですが、私、このお話は実話だと信じていて(笑)。宇宙人のアミは、地球に本当に必要な愛や平和の法則、みんなが幸せになる方法を説いているんですが、これからの時代にまさに必要な内容ばかりなんです。もう、目からウロコでした。実はこの本、ずっと以前に読者の方からプレゼントでいただいたんですが、当時は全然興味がなくて本棚に入れっぱなし。あるとき本の整理をしていたら、パンっと落ちてきたのが5、6年前。お?と思って読んでみたら、私が知りたかったことすべてが書いてあって大感動。以来、仕事場、自宅、実家とあらゆる場所に常備し、何度も繰り返し読んでいます」
ジュエリーブランド「亜美理」=アジアが美しい理由

数年前からずっと、アジアの人々がニコニコ笑う姿を想像するとワクワクし、アジア平和について何かできないかと心の中で思い続けていたという浅見さん。「でも、具体的に何をしたらいいかわからず、口にすることも遠慮があって…。数年前からカンボジアの里子や学校支援をしているのですが、去年の夏からやっと堂々と“私の今の夢はアジア平和です”と言えるようになりました。自分の中の枠が外れて自由になれたんですね。同時に、ひとつの貢献の形としてジュエリーブランド“AMIRI”を立ち上げました。もともと昔からジュエリーを見ているだけでワクワクしていたので、その気持ちに素直に正直に楽しくデザインし、売上の一部をカンボジアの孤児院に寄付しています」
こんな本はいかがでしょう
Profile

浅見帆帆子(あさみ・ほほこ) 作家・エッセイスト
1977年、東京都生まれ。青山学院大学国際政経学部卒業後、ロンドンに留学、インテリアデザインを学ぶ。帰国後、執筆活動に入り、『あなたは絶対!運がいい』(廣済堂出版)、『大丈夫!うまくいくから』(幻冬舎)、『あなたの運はもっとよくなる』(三笠書房)など累計300万部を超えるベストセラーに。
その他、絵本、旅エッセイ、日記シリーズ『毎日、ふと思う』(廣済堂あかつき出版)も人気。人材教育や企業研修に取り入れている企業も多く、海外でも広く翻訳出版されている。現在、共同通信社の携帯サイト『NEWSmart』にてコラムを連載中。
2011年よりジュエリーブランド『AMIRI』を立ち上げるほか、従来より関心のあった「アジア平和」に向けても活動を開始中。
公式HP
http://www.hohoko-style.com/
公式フェイスブック






