レビューネーム未設定さんのレビュー
参考にされた数
14
このユーザーのレビュー
-
日曜日たち
吉田修一 / 講談社文庫
温かくてユーモアもある
3
吉田修一さんは、「最後の息子」のころから大好きです。長編もいいのですが、私は個人的に短編が好き。
今回の作品、温かさがにじみ出る章もあれば、文章のリズムからしてユーモアがあってそれが下品ではなくて本当…によかったです。すでに3回ほど読みました。 続きを読む投稿日:2014.11.28
-
あんちゃん
山本周五郎 / 新潮社
「いさましい話」が素敵でした。
3
山本周五郎さんはまったく古さを感じない短編をたくさん残しています。「いさましい話」と「菊千代抄」にノックアウトされました。「いさましい話」の主人公玄一朗の、若さに似合わない豪胆ぶりと気の強い奥様との愛…情の変遷がまた素敵でどきどきいたしました。「町奉行日記」と並んで好きな作品です。 続きを読む
投稿日:2013.12.27
-
傾く滝
杉本苑子 / 講談社文庫
美男でストイックな団十郎
2
杉本さんの作品は、時々とんでもなくサディスティックなので恐る恐る読んだのですが、これはいい作品でした!美男で潔癖な団十郎、その家族、彼を導く浪人たちの愛憎がこれでもかと描写されていますが、それがすべて…美しく悲しい。
団十郎の家系は、伝説と悲劇に彩られていますが、これを読んでさらにそのドラマチックな家系に興味を持ちました。 続きを読む投稿日:2013.12.27
-
家日和
奥田英朗 / 集英社文庫
皮肉が利いているけど幸福感あふれる短編
1
奥田さんの作品は「ガール」以来でしたが、どの作品も皮肉やユーモアが随所に見られるのに、しあわせな家族の肖像がきれいに配列されている感じです。
文章も非常に読みやすくて、不眠時にも疲れなく読めるのであり…がたいです。 続きを読む投稿日:2013.12.27
-
骸骨ビルの庭(上)
宮本輝 / 講談社文庫
悲しいけれど温かい本
1
宮本さんが「にぎやかな天地」でちょこっと触れていた人物が、主人公になったのかなあと感じました。
彼の作品には、「他人の子を育てる」というシチュエーションがよく登場しますが、これはその際たるものでした。…終戦後、巷にあふれた孤児たちを育てた一人の男性の物語で、彼に育てられた子供たちが大人になってからのお話です。その一人ひとりが非常に個性的で、彼らが話す大阪弁と、主人公の東京言葉が優しく絡む感じでした。
悲しみがあふれているけれど、なぜかじわーんと胸が熱くなる本でした。 続きを読む投稿日:2013.12.27
-
初恋温泉
吉田修一 / 集英社文庫
さまざまな愛の形と温泉
1
十代の、誰にでも覚えがある初々しい恋があったり、愛していても終わらざるを得ない夫婦であったり。彼らとともに各地の温泉が細やかな描写とともに描かれています。
投稿日:2013.12.03