サンフレッチェ広島を愛するサッカー好きさんのレビュー
参考にされた数
20
このユーザーのレビュー
-
三国志全八冊合本版
吉川英治 / 吉川英治歴史時代文庫
圧巻されるスケール感
4
三国志。そのタイトルを知りながらも手に取ってない人はその圧倒的なボリューム感に敬遠してしまっているのだろう。確かに全8巻からなる本書はそう簡単に読めるものではない。だが逆に言えばこのスケール感はこれだ…けの冊数に見合ったものがある。凄い時代、凄い人物、凄い歴史があったのだなとただただ圧倒されるのだった。
だが正直なところ最初の展開では劉備元徳が少し偽善めいた印象を受けそれでやめてしまう人もいるかもしれない。だがそれはほんの序章、以後の展開は策略あり、武勇あり、計略ありで息つく暇もない。登場してくる武将も数多く読み手にとって自分のお好みの人物が出てくるだろう。そして中にはこの武将とこの武将は戦ったらどっちが強いだろうか、この時この作戦が成功していればこの期の展開はどうなっていただろうかなどというまるでゲームの世界のようなイマジネーションを駆り立ててくれるのも魅力である。確かにこのタイトルでゲームや漫画になるのも頷けるのだった。
読後の感想はただただ圧巻だった。そしてこれを読まずに一生を終えるのは勿体なかったと思い、全て読み切ったことを誇らしくなったものである。時間が掛かってもいいので一度は手にして損はないはずである。 続きを読む投稿日:2015.03.05
-
GIANT KILLING(1)
ツジトモ, 綱本将也 / モーニング
全てはここから始まる
3
サッカー好きの人ならすでに読んでる作品だと思います。それほどにまでこの漫画は地に足着いた作品だと思います。現実離れはしてないが理性的に考えるとあり得ない話、だけど夢見てしまうようなストーリーがここには…あります。弱小クラブが強豪クラブに勝つ、そんな単純な話はどこにでもあるがサッカーを取り巻く組織や人間模様までを巻き込むストーリーはサッカーの奥深さを見事に演出してるのでした。 続きを読む
投稿日:2013.09.25
-
フットボールネーション(1)
大武ユキ / ビッグスペリオール
静かにぐいぐい引き込まれる良作
3
体幹力を鍛える。
2013年現在になってその重要性は普及してきて体幹トレーニングの教則本も巷に溢れるようになった。この漫画はその前に描かれてものとして先見の明があったと言える。
小学生などなかなか理論…で説明しにくい体幹の重要性を教えてくれる内容となってる。ここではインナーマッスルと表現されるがマネをして鍛えたいと思ってしまった。 続きを読む投稿日:2013.10.04
-
白い巨塔(一)
山崎豊子 / 新潮文庫
コップの中の喧騒
2
職場で読んでるとそんな古いの読んでるのかとからかわれた。そしてその時初めてドラマで放送されてたというのを知った。そんな何の予備知識もないままこの本と出会った。
ここで描かれてるのは医療界、ひいては大学…病院という狭い世界。そこでのしあがっていく財前助教授は悪としての役であろう。であるが一人の人間としてどこか悪として拒絶できないのはその虚栄心が他人事のように思えないからだ。
狭い世界での権謀術数、医療界でなくても心当たるものがあるのではなかろうか。 続きを読む投稿日:2013.09.27
-
歴史好きは必ず読む 宮本武蔵 完全版
吉川英治 / ゴマブックス
そこにいるようでいない武蔵
2
長い長い歴史小説。その前提に立っただけでぼくなどは敬遠をしてしまう。一人の人物の話なのに何でここまで長くするんだ。そんな嫌悪感により自ら手に取ることはなかった。
だが転機となったのはあるプロゴルファー…の推薦からだった。歴史とは無縁のようなアスリートにより剣豪として恐れられる宮本武蔵が身に寄せる危機に対して猛然と立ち向かうのではなくて災難が過ぎ去るまでじっと隠れる様が人間的だと。そしてこの伝説的人物が人間的な行動を取る場面が随所に登場するのだった。
煩悩を制御しあくまでも剣の道を究めようとする武蔵はストイックであった。それ故にそこまで突き詰めようとした剣の道も太平の世に移り変わろうとしてる時代において時代錯誤にもなりつつあった。できることならばもっと早く生まれていたならもっとその名を轟かせたことであろう。だけど武蔵の名前が残っているのはその存在自体が伝説となってるからだろう。
その伝説はこの小説は間違いなく加担することになった。それは武蔵の強さの羅列ではなくその内面から繰り出される心理に心酔するからだろう。今でも謎の部分の多い宮本武蔵、読後は武蔵への親近感を抱くと同時に常に姿を眩ませるような神秘性を感じるだろう。 続きを読む投稿日:2014.02.13
-
世界一おもしろい 日本史の授業
伊藤賀一 / 中経出版
結構まどろっこしい
2
ぼくのように学生時代勉強しなかった人間にとって「おもしろい」というのは殺し文句である。それだけで何となく楽しく読み終わった後には歴史の知識もついてるんだろうななどと飛び付いてしまう。
だが読んでみると…どこかまどろっこしい。そしてわかりにくい。というのも雑談を散りばめていて要点を掴みづらいのだ。確かに章の終わりには必ず要点を羅列してるもののどこか入りにくいという印象は拭えなかった。どうも作者の余談めいたものは興味を失わせない為の細工であるつもりなのだろうが失敗と言っていいだろう。
ただこの辺は感性の問題だろう。これで興味を持つ人は持つかもしれないしぼくのように合わない人は合わないといったことになるのだろう。
続きを読む投稿日:2013.10.01