emuefuさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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流星ワゴン
重松清 / 講談社文庫
やり直しがきくんだ。でも、あきらめちゃいけないんだ。
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テレビドラマを、見てから読んだ。
妻は家に帰らず、一人息子は家庭内暴力、家族崩壊寸前、仕事はリストラで無職。いつ死んでもいいやとウイスキーのボトルを片手に一切れのパンをかじりながら駅前のベンチに腰…かけていると、旧式のワインレッド、オデッセイが目の前にスッと止まる。 助手席にいる少年に誘われ乗り込むと、間もなくのちに朋輩となるチューさんが乗り込む。オデッセイから降りるときは、命が尽きるときと言われる。
車は過去にさかのぼり、いくつもの分岐点に止まる。
その時は解らなかったが、今、その場にいると見えてくる。しかし、変えられない。
行くもの分岐点に立ち寄り、振り返ることで自分自身が見えてくる。
家族の気持ちを考えず、なりゆきまかせ、投げやりだった自分が見えてくる。
そんな自分がオデッセイを降り、最低最悪の現実に戻った時にとった行動は・・・ 続きを読む投稿日:2015.04.08
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芙蓉の人
新田次郎 / 文春文庫
気象庁職員の描写
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八甲田山も読みましたが、冬山の過酷さが詳細に描かれておりその場から早く抜け出たい気持ちに掻き立てられながらつい先を読み続けてしまいました。
現実にあったことなのでしょうが、今の時代には公のために命を懸…けて挑む人がおそらくいないでしょう。当時の日本人の心意気というか、現代人は少しでもいいから見習いたいものである。
世界遺産となった今、素人に冬は無理としても登頂し野中夫妻が目にした光景と挑んだ場所を確かめてみたい。 続きを読む投稿日:2015.05.28
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天地明察(特別合本版)
冲方丁 / 角川文庫
お見事!算哲
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長男として父の名を受け継ぎ、城内において囲碁を生業としてきたが、和算に関心を持ち次第にのめりこむ。
異例の二本差しを与えられ、もてあましながら本業と趣味に走り回る囲碁侍。
あるとき、知識を評価され全…国の観測を命令されたことで、算哲の人生が変わる。
以来、権力の争いに振り回されながらも、多くの知識人に助けられ、自らの体験と知識をもとにカレンダーつくりに励むが、出した予報が「合うときもあれば、合わざるときもあり」で信用失墜となる。
知識人から「過去の文献にも誤りはある」、正解を導き出せ。の言葉に、日本オリジナルのカレンダー作成に挑む。
観測の命令から25年、独学で得た知識をもとに今までより正確なオリジナルカレンダーを完成、人生で得た知恵を活かし公式カレンダーとして認められ、全国に普及することになった。
理解ある多くの人々の支援とともに独学で作り上げたカレンダー、正しいだけでは認知されないこと、自分は表舞台に立たないことを理解しているから成功した。お見事、算哲いや渋川春海。
続きを読む投稿日:2015.09.29
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日輪の遺産
浅田次郎 / 角川書店単行本
戦争は悲惨だ
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年末の競馬場。万策つきた社長は大穴で勝ち従業員のボーナスを稼ごうとしていた。不思議な老人との出会いから巻き込まれる太平洋戦争末期の隠された莫大な遺産を巡っての人間模様。
老人から渡された手帳の手記を元…に現代と当時をの様子を切りかえながら。
大人でも子供であろうと国のためには死をいとわない戦争の悲惨さを痛感させられる物語である。 続きを読む投稿日:2015.10.28