chaoさんのレビュー
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探偵の探偵III
松岡圭祐 / 講談社文庫
本書が 「探偵の探偵」 の最終章?
9
早速読みました。意外な結末に、成程!だからか!等と納得しながら読み終わりました。
最終章も玲奈の醒めた行動から始まり、玲奈の追い求める答えに向かってノンストップで突っ走ります。
目の前の答えに辿り着い…てから玲奈の心が見えて来ます。
答えを見つけた後に玲奈の物語は続くのでしょうか?須磨と桐嶋の会話に伏線は残されているので楽しみは残ります。琴葉も成長しています。
★★★★なのは、松岡作品では暴力に対する身体ダメージが軽んじられてる気がするので減点です。大の男にゴルフクラブで腕を何回か打撃されても打撲だけで済むとは!
この当たりの描写をハードボイルドタッチで描いて頂けたら★★★★★ですねぇ~。大藪作品(大ファンです 笑) なら病院送り間違いなし!次回は病院送りで(笑)
でも、面白いですよ。読んでみて下さい。 続きを読む投稿日:2015.03.17
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償い
矢口敦子 / 幻冬舎文庫
初めての矢口作品面白ろかったぁ~
6
人間の持つ色々な心の傷・・・・何処かで絡み合い時間の経過と共に緩んだり硬い結び目となったりして、人生の時は進んで行く・・・・
殺人事件が主題となりながらも、本当の主題はその殺人事件の裏にある、人の心の…崩壊。けして警察小説ではありません。
心に大きな傷を負いホームレスと成った日高が、忘れることことの出来ない過去の日高(ホームレスに成り切れない自分の心)と向き合い「償いとは何か?どうすべきか?」少年を疑いながらも、突き付けられる少年の心の闇。
半分まで読まない内、日高より先に読者は日高の疑念と同じ犯人に辿り着きます。(日高解からないのかよ~ ムッ!)
なんだよ~こんな簡単に判るの?て気持ちを持ちましたが、それは筆者の「思う壺」です。(笑)
犯人探しでは無く、その人の心の傷を読む本ですね。
暗い内容ですが面白いです。 続きを読む投稿日:2015.11.18
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ワン・モア
桜木紫乃 / 角川文庫
桜木さんにしては演歌でなくポップス系の話し・・・と (^0^)/
5
爺が今まで読んだ桜木さんの本の中では一番ポップス系の話しでした。
これまで読んだ本(と言っても4冊ですが↷)は桂銀淑の唄がピッタシの演歌小説でしたが、作風が変わった感じのする話しです。
タイトルの「ワ…ン・モア」が最後のエピソードとなる6編の連作です。一つ一つのエピソードが登場人物を取り巻く、その時の瞬間を語り最後のエピソードの「ワン・モア」へと繋がって行きます。
初めのエピソードを読み始めた時「また桜木ワールドの演歌に嵌ったなぁ~(-.-;)」と思ったのですが、2つ目のエピソード辺りから趣が変わり、4・5エピソード辺りに成ると、「桜木さんこれ有り?」
と戸惑いと新たな喜びを感じて来ました。(チョット大袈裟か・・・笑)
でも爺の様な順で桜木作品読んで来ると、異色と思える驚きがあります。
釧路の冬の晴天の如き輝きがあります。
読んで見て下さい。また、桜木ワールドのファンになります。 続きを読む投稿日:2016.10.23
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起終点駅(ターミナル)
桜木紫乃 / 小学館
ド演歌の世界・・哀歌な人生を感じさせる桜木ワールド!
5
ホテルローヤルに次いで桜木ワールドに浸りました。
読中の気分は、40年程前に奥羽本線を走っていた夜行列車「急行 日本海」で見た秋田・山形・新潟間の海岸線を思い浮かべました。
低く垂れこめた鉛色の雲、見…える海岸線には荒く打ち付ける白波、聞こえる哀歌は「藤 圭子」の声(知らない読者もいるかも 笑)。
けして艶歌を歌う石川さゆり(まだデビュー前かなぁ~ 笑)や藤あや子では有りませんでした。
ホテルローヤル、ターミナルの2作の桜木ワールドは40年前の日本海で見た鉛色の雲と藤 圭子の声を思い出させてくれました。(ウツの時は読まない方が良いかも・・・笑)
2作に共通なのは「したたかで強い女」と「したたかに成り切れない男」の物語。
ホテルローヤルは各エピソードが時間軸で繋がって行きますが、ターミナルは6つのエピソード中、2・5のエピソードに繋がりは有りますが、他のエピソードは単独のストーリー展開です。
ホテルローヤル同様好き嫌いの分かれる本かと思います。
本はお薦めしますが、ウツの時に読むのはお薦めしません。(笑)
続きを読む投稿日:2016.01.07
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幽落町おばけ駄菓子屋
蒼月海里 / 角川ホラー文庫
息抜きの時間に最適~
5
同じアヤカシ=幽霊物でも、「古道具屋 皆塵堂」ほど人情小噺と言った趣では有りません。
時代が現代なのと、登場人物が「主人公 僕」を初め「大家の 水脈」「飼い猫 ジロー」が今風の若者として描かれているせ…いかも知れません。
ドラえもんのアヤカシ物と言った感じです。困った人を見たら助けずにはいられない「のび太」が「僕」、ドラえもんが「水脈」、幽落町はドラえもんの「どこでもドア」の如く東京23区には直ぐ行けます。
まぁ~、ハードボイルド小説、推理小説、戦争小説等を読みすぎて、凝り固まった頭を緩める隙間小説としては最適です。
ページ数も少なく、短編小説ですので好きな読み方が出来ます。
コミック好きな方にも是非! 続きを読む投稿日:2015.11.10
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壇蜜日記 0(ゼロ)【文春e-Books】
壇蜜 / 文春e-Books
壇蜜さん半値で買って御免なさい m(_ _)m
5
半値で購入しました。でも、まとも買いしてもお買得の内容でした。
グラビアお姉さん(アイドル年齢ではない!)の日記風戯言が書かれている本と思い、半値にポイントが有ったので、つい購入。(^0^)
しかしな…がら、掲載されている桜木詩乃さんとの対談で、桜木さん(同郷なので、さん付け 笑)も言ってますが、韻の踏み方が絶妙と云うか、壇蜜型の文章が小気味良く読み手に話し掛けてくれます。
僅か3~7行位の日記(1日分)ですが、起承転結の結(落ち)が絶妙!納得あり、笑あり、壇蜜の感性が光まくります。
私は、「うちの子」(壇蜜流ファン総称)ではなかったので、本名も知りませんでしたし、姓は「壇」 名は「蜜」ってのも知りませんでした。壇蜜は熟語だと思ってました。(笑)
しかし、この本を読むと「壇さん」の「うちの子」に成ります。
昭和女子大学卒の才媛だったのかぁ~とこの本を読んで、納得。
「私の奴隷になりなさい」のボテ感あるボディーにガッカリしたのですが、この本は期待を裏切りません。
兎に角読み処満載です。
18歳(一応 笑)以上の男女にお薦めします。食わず嫌いの人に「蜜」を味わって頂きたい。
続きを読む投稿日:2016.03.07