h-mさんのレビュー
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わがふるさとは黄泉の国
半村良 / 角川文庫
表題作が長編だったらなおよかった
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古事記に出てくる「黄泉の国(よみのくに)」「黄泉比良坂(よもつひらさか)」というような、おどろおどろしい死後の世界の地図上の言葉などが出てきます。神話の陰の部分に思わず反応してしまう人におすすめです。…
実際そのような世界に迷い込むことになるかもしれません。もし、かの地に近づいたら、読む速度を緩め、イメージしながら先に進むのがよいと思います。
それぞれの作品はすべて全く違ったモチーフ・雰囲気の作品で、ごまかしようがないくらい寄せ集め感があります。
あくまで私の主観ですが、表題作だけでよかったかも。 続きを読む投稿日:2017.11.17
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光ラズノナヨ竹【文春e-Books】
壇蜜 / 文春e-Books
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福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班 / 講談社現代新書
NHKスペシャル取材班の力作
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震災直後の緊張状態が続く中、「一刻も早く核燃料を水で冷却しなければメルトダウンが起こり、東日本はこの先百年間人が住めない壊滅的な状態になる」という報道もされていたように記憶している。国民は、ヘリコプタ…ーによる散水や、消防車による注水に希望の光を見ていた。
しかし、今の解析では、消防車による注水が始まった時点で、1号機の核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかったと推測されるのだそうだ。
その結果、核燃料と原子炉の構造物であるコンクリートは混ざり合い、「デブリ」と呼ばれる塊になった。デブリは1号機だけでおよそ279トンで、もともとのウランの量69トンに比べ4倍以上の量に膨らみ、今後の廃炉作業の大きな障害となっているのだそうだ。
福島の原発は結局今どうなっているのか? 最近意識から遠ざかり気味のこの問題だが、実際には解決に至っていない進行中の問題であることを認識させられた。 続きを読む投稿日:2017.10.20
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ダメなあいつを、なんとかしたい!
心屋仁之助 / 廣済堂出版
妖怪“かわいそう”
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母親に愚痴を聞かされ、母親を「かわいそう」と思いながら育った人にお勧めです。
その感覚を捉え直すことで、ダメ男製造機をやめることができ、彼氏や旦那の態度に変化が訪れるかもしれません。
2~3時…間で読めますが、必要な人は何度か読み返すことになるでしょう。
ただし、相手が「とんでもない」程度のDV夫であったりする場合は、この考えだけで解決するものではないと思います。
基本的にこの本では、周囲の人物は自分の鏡であるというような前提ですが、現実はそれだけではありませんから。
続きを読む投稿日:2017.09.01
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男は一生、好きなことをやれ!
里中李生 / 三笠書房
読んで元気になりました
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この手の本は読まないのですが、今の仕事に悩んでいて、ようやくこれからどうするかという自分の結論らしきものが見えてきたときに本屋で見つけ、購入しました。
好きなことが仕事になれば、それはすばらしいことに…違いありません。
文章に勢いがあり、女に対しても積極的であるべきだというようなトーンで、まあ、昭和の馬鹿な感じがしないでもありませんが、読後感としては「爽快」でした。
私は5つ星評価ですが、逆に、断定的に物を言われるとむかむかするようなタイプの人には向かないかもしれません。また、このような本のすべてに当てはまることですが、生き方に結論を出すのはあくまで本人ですから、過剰にノウハウを求めるのであれば、どの本も役に立たないかと思います。
著者は若い頃、親の転勤による転校もたびたびあり、心身の不調にも悩まされたそうです。
繊細な内面の男が、このような豪快(?)な本を出しながら、妻(「女たち」と書かれてはいるが)に心から感謝してなんとか生き抜いている、というような感じでも読めました。
そういう意味では、過剰なノウハウを期待するのではなく、今まさに迷っている繊細な男がモチベーションを上げるために読むのにおすすめの本かと思います。
男は、たまにはこのようなタイトルの本を意味もなく手に取らないといけない。(作者の文体) 続きを読む投稿日:2017.03.26
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生きていてもいいかしら日記
北大路公子 / 毎日新聞出版
サラリーマンやOLと対極にある公子さんの日常
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読みながら、ときどき思わず笑ってしまいます。
この人の本は気分転換によいです。
40代で親と同居している者の、妙な余裕みたいなものがこの楽しい文章を作り上げるのだと思います。文筆業で生計を立てているよ…うな作家には、このような雰囲気のよい(?)作品は書けないように思います。
お勧めです。 続きを読む投稿日:2016.11.18