h-mさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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福島第一原発 1号機冷却「失敗の本質」
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班 / 講談社現代新書
NHKスペシャル取材班の力作
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震災直後の緊張状態が続く中、「一刻も早く核燃料を水で冷却しなければメルトダウンが起こり、東日本はこの先百年間人が住めない壊滅的な状態になる」という報道もされていたように記憶している。国民は、ヘリコプタ…ーによる散水や、消防車による注水に希望の光を見ていた。
しかし、今の解析では、消防車による注水が始まった時点で、1号機の核燃料はすべて溶け落ち、原子炉の中には核燃料は全く残っていなかったと推測されるのだそうだ。
その結果、核燃料と原子炉の構造物であるコンクリートは混ざり合い、「デブリ」と呼ばれる塊になった。デブリは1号機だけでおよそ279トンで、もともとのウランの量69トンに比べ4倍以上の量に膨らみ、今後の廃炉作業の大きな障害となっているのだそうだ。
福島の原発は結局今どうなっているのか? 最近意識から遠ざかり気味のこの問題だが、実際には解決に至っていない進行中の問題であることを認識させられた。 続きを読む投稿日:2017.10.20
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脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体
中野信子 / 幻冬舎新書
文章が読みやすい
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ドーパミンを「脳内麻薬」「快楽物質」と表現することにうさんくささを感じる人にとっては、物足りない本かもしれません。ものすごく掘り下げた、という感じもないかもしれません。
しかし、「美人脳科学者が人体…の深遠なる謎に迫る」という紹介文に反応した人にはおすすめです。
文章が読みやすいので、この分野に興味があれば楽に読めますし、そろそろ電子書籍でましな本でも読もうかという気持ちも満たされ、ドーパミンが少し出ます。
続きを読む投稿日:2017.09.08
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「量子論」を楽しむ本 ミクロの世界から宇宙まで最先端物理学が図解でわかる!
佐藤勝彦 / PHP文庫
量子論のワンダーランド
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アインシュタインとボーア、そして「生きているけど死んでいる」猫とのおしゃべりから始まり、まんまと量子論のワンダーランドに迷い込んでしまいました。
電子を「粒」ではなく「波」と捉えることで、それまで説…明できなかったことが解決したことなど、量子論が発展していった歴史が分かりやすく書かれています。
最後の章で、ビッグバン理論についてもちらりと触れていますが、今までと違った不思議な感覚でイメージされ、最後まで楽しく読みきることができました。
理科の読み物が好きな人たちにとって、自然観や世界観が変わってしまうきっかけとなり得るのでご注意! 続きを読む投稿日:2017.09.08
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知っておきたい日本の神話
瓜生中 / 角川ソフィア文庫
知らなかった
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弟が調子に乗って神殿にクソを撒き散らすので、姉のアマテラスは岩戸に隠れてしまいました。
辺りは暗くなり、どうしたらアマテラスが出てきてくれるかと、やおよろずの神々は話し合いました。
ある女神が桶を…逆さにおいて、その上に上がり、乳房や陰部を露わにして裸踊りをすると、神々の笑いと喝采で、「何事か?」とアマテラスが出てきて、辺りは明るくなりました。
「日本人なら誰でも知っている」と言われても、私はこんな話を初めて聞きました。
私のような初心者にお勧めです。
古事記や日本書紀がなんの本か、初めて知りました。
すみませんでした。 続きを読む投稿日:2017.09.05
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ダメなあいつを、なんとかしたい!
心屋仁之助 / 廣済堂出版
妖怪“かわいそう”
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母親に愚痴を聞かされ、母親を「かわいそう」と思いながら育った人にお勧めです。
その感覚を捉え直すことで、ダメ男製造機をやめることができ、彼氏や旦那の態度に変化が訪れるかもしれません。
2~3時…間で読めますが、必要な人は何度か読み返すことになるでしょう。
ただし、相手が「とんでもない」程度のDV夫であったりする場合は、この考えだけで解決するものではないと思います。
基本的にこの本では、周囲の人物は自分の鏡であるというような前提ですが、現実はそれだけではありませんから。
続きを読む投稿日:2017.09.01
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男は一生、好きなことをやれ!
里中李生 / 三笠書房
読んで元気になりました
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この手の本は読まないのですが、今の仕事に悩んでいて、ようやくこれからどうするかという自分の結論らしきものが見えてきたときに本屋で見つけ、購入しました。
好きなことが仕事になれば、それはすばらしいことに…違いありません。
文章に勢いがあり、女に対しても積極的であるべきだというようなトーンで、まあ、昭和の馬鹿な感じがしないでもありませんが、読後感としては「爽快」でした。
私は5つ星評価ですが、逆に、断定的に物を言われるとむかむかするようなタイプの人には向かないかもしれません。また、このような本のすべてに当てはまることですが、生き方に結論を出すのはあくまで本人ですから、過剰にノウハウを求めるのであれば、どの本も役に立たないかと思います。
著者は若い頃、親の転勤による転校もたびたびあり、心身の不調にも悩まされたそうです。
繊細な内面の男が、このような豪快(?)な本を出しながら、妻(「女たち」と書かれてはいるが)に心から感謝してなんとか生き抜いている、というような感じでも読めました。
そういう意味では、過剰なノウハウを期待するのではなく、今まさに迷っている繊細な男がモチベーションを上げるために読むのにおすすめの本かと思います。
男は、たまにはこのようなタイトルの本を意味もなく手に取らないといけない。(作者の文体) 続きを読む投稿日:2017.03.26