veronicaさんのレビュー
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35
このユーザーのレビュー
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バチカン奇跡調査官 ソロモンの末裔
藤木稟 / 角川ホラー文庫
平賀さん、やっぱりあなたは天使です!でもって、伏線もそろそろ回収されそうな気配…
5
面白かったです。ソロモンとシバの女王のお話は、聖書だけでなく様々な伝説や物語などに多く取り上げられているし、契約の箱もグラハム・ハンコックの本などで散々出てきているので、実は、え~、いまさら?という展…開になるのではないかと危惧していたのですが、全然そんなことはありませんでした。まさに藤木ワールド全開で、一気に読んでしまいました。今回も、謎解きのクライマックスがたたみかけるようでハラハラドキドキでしたが、二人だけではなく、立場も信仰も違うたくさんの人の協力で先に進んでいくところがとても新鮮でした。そしてこういう時代にこそ、宗教はこうあるべき、というテーゼも明示されていたように思います。懐かしい顔ぶれもちょこちょこ出てきてうれしかったし、何より平賀さんが素晴らしかった。ああ、やっぱり神父様なんだなぁ、と改めて惚れなおしました。うん、ロベルトさんが宝物というわけがわかる!読み終えた後、全体的に大変バランスのよい作品だったという印象が残りました。伏線もいろいろ回収されていますので、今後イギリスのあの人とか、フランスのあの人とかも出てくるのかも、と期待。最後の思わせぶりな終わり方もよかったし、ますます目が離せません。 続きを読む
投稿日:2016.02.25
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バチカン奇跡調査官 悪魔達の宴
藤木稟 / 角川ホラー文庫
お久しぶりのあの人
5
新刊はドイツが舞台ということで、実は少々期待しなくもなかったのですが、1巻以来のナチスがらみのネタで(あ、短編集にはチョッピリ出てきましたけど…)、マギー神父も久しぶりに登場!というわけで、一気に読み…上げてしまいました。ふぅ…。2巻があまりにドラマチックなゆえに、よく1巻は別物、という説も聞きますが、私としては、やはり1巻はこのシリーズの原点なので、こんなかたちでよみがえってくれるととてもうれしいです。予告通り、エクソシストの場面も盛りだくさんでした。謎解きの方も生物学あり、物理学あり、歴史学あり、で相変わらず脳ミソを酷使してくれるのも快感。平賀家のリフォームも明らかとなり、いろんな意味で満足度が高かったです。次は2月! 続きを読む
投稿日:2015.10.26
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バチカン奇跡調査官 ゾンビ殺人事件
藤木稟 / 角川ホラー文庫
粒選りの4作品
3
藤木先生は本来長編作家ですが、この短編集はエッセンスを凝縮した濃い味わいで、これまた別の魅力満載といった一冊です。今回の蘊蓄は絵画でした。書き下ろしの「絵画の描き方」は、絵の具の作り方から絵画史まで豊…富な知識を提供しつつ、その中に僅かなフィクションとロマンスを加えることで、とても生き生きした出来映えの作品でした。休日でも全然変わらない平賀さんは微笑ましいですが、ロベルトはちょっと災難でした。あのあと、キッチンに臭いが染み付かなかったかな、と余計な心配(笑)。その他、ビルがともかくカッコいいお話と、マギー・ウォーカー博士の意外な人間味がチラ見せのお話、そして若きローレンの推理が冴える(といっても本人にとっては暇つぶしでしかない)ゾンビのお話、と全部で4つの作品がてんこ盛り。さて、あなたのイチオシはどれでしょう? 続きを読む
投稿日:2017.02.25
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バチカン奇跡調査官 原罪無き使徒達
藤木稟 / 角川ホラー文庫
ついに舞台は日本へ!
3
待ちかねた新刊!しかも舞台は日本の天草とあって、折からの世界遺産ブームにも乗ったタイムリーなお話。手元に教会群の写真を載せた雑誌を置いて風景をたどりながら読みました。いつもながらの謎解きやアクションは…健在な一方、おどろおどろしさはあまりなかったかな、と思います。隠れキリシタンのとらえ方も、豊富な資料に支えられてよく掘り下げられています。相変わらず考えすぎるロベルトとまっすぐに突き抜けている平賀のコンビは秀逸。ロベルトの新しい職務の様子や、バチカン内部の裏事情なども興味深く読みました。サウロ大司教はやはりすごい人です。それにしてもロベルト、なんかよく殴られている気がするのは私だけでしょうか?シン博士もだんだん仲間になっていくようでうれしかったです。次はローレンが読めそうなので、6月をワクワクしながら待つことにします。 続きを読む
投稿日:2015.03.28
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陰陽師 鬼一法眼〈一〉~義経怨霊篇~
藤木稟 / 光文社文庫
待ってました!
2
もう随分前に新書版で読んだことのある作品ですが、ようやく電子版になってくれたか!と小躍りしています。1巻はとりあえず登場人物の紹介と背景の説明、みたいな感じでしょうか。盛り上がるのはこれからなので乞う…ご期待!です。今回読んでみて、改めて藤木先生の膨大な知識量に脱帽!日常の身の回りのことや、何気ない言葉の使い方などにこんな意味があったのか!と感心することしきりでした。読み終えた後、中沢新一先生の『精霊の王』を読みたくなりました。 続きを読む
投稿日:2015.01.27
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陰陽師 鬼一法眼〈三〉~今かぐや篇~
藤木稟 / 光文社文庫
物語はいよいよ佳境に!
2
2巻のラストでお預けを食っていた気分だったので、続きが読めてとりあえずホッとしました。水鳴の成長の巻、かな。眼鏡をかけて本を読むちょっと変わりものの白拍子である彼女が結構好きです。朱雀のシリーズでも取…り上げられていた真言立川流がここでも出てきて、黒須紀一郎の婆娑羅太平記を読み返したくなりました。今かぐやのエピソードの外では、生々しい権謀術策が渦巻き、龍水の敵役もそろそろ出番のようです。次を期待して待っています。 続きを読む
投稿日:2015.02.03