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続 悪霊列伝
永井路子 / ゴマブックス
後書き
1
著者の主張したかったことが巻末の後書きに手際よくまとめられている。本書及び前巻はこの後書きの主張の実例 という位置づけである。政治というものは今も昔も人々にとっては不満の多いものであり、不満のぶつけ先…としてしばしばスケープゴートを必要とする。その道具の一つが悪霊であるというのは大変に面白い。現代では政権交代やデモになっているのかな。 続きを読む
投稿日:2023.05.16
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黄砂の籠城(下)
松岡圭祐 / 講談社文庫
アクション映画のような作品
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籠城戦が進むにつれて攻防の内容がどんどん荒唐無稽になり史実からかけ離れてきた。特に語り部の伍長のスーパーマンぶりが鼻につく。肝心の柴五郎の印象が薄れてしまっている。この事変の結果、日本の国際的評価がず…いぶんと上がったらしいが、ここまで演出過剰だと逆にその事実が胡散臭く思える。 続きを読む
投稿日:2022.05.14
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傑作はまだ
瀬尾まいこ / ソニー・ミュージックエンタテインメント
ホッとする作品
1
代表作の「そして、バトンは渡された」とやや似た親子関係の父と息子の物語である。この作家らしい軽妙な語り口でどんどん話が進んでゆく。途中でいくらか考えさせられる場面が出てくるが、基本的には人の優しさ、善…良さを信じる 姿勢に変わりはない。やや食い足りないところはあるがホッとする作品である。 続きを読む
投稿日:2022.12.30
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かがみの孤城
辻村深月 / ポプラ社
終盤は圧巻だが
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導入部から前半部分はこの作者が得意とする悪意がじっとりと漂う学校いじめもの、悪意が鼻について全く感情移入できず、読んでいて途中で投げ出したくなった。中盤からようやく読みやすくなり、終盤は圧巻となった。…しかし推理小説としてみた場合、登場人物たちが「現在の年 や世の中の出来事 TV番組 流行り物」について全く話をしなかった 可能性はまずないので、仕掛は破綻してると思う。 続きを読む
投稿日:2022.07.28
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エロスの種子 3
もんでんあきこ / グランドジャンプめちゃ
とにかく絵が綺麗
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この作者の最大の特色である絵の綺麗さがとりわけ引き立つ作品である。大戦前後の時代を背景にした作品は、暗さが表に出ているが、後半のバブル期あたりの現代に近い作品は、男女間の心の機微や性癖が細かく描かれて…いてとても読ませる。連作短編集ぽい所もいいかな。 続きを読む
投稿日:2023.06.30
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お祖母ちゃんは歴史家じゃない 皇国の守護者外伝
佐藤大輔 / 中公文庫
雑文だな
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「皇国の守護者外伝」と銘打っているから「そうかな」という感じで読むことができるが、単独で出版されていたら単なる雑文である。本編では気にならなかった妙に気取った語り口が、このような外伝 雑文となるとどう…にも気になる。 続きを読む
投稿日:2023.06.30