にゃらにゃらさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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闇の守り手1 ナイトランナーI
リン・フルエリン, 浜名那奈 / C★NOVELSファンタジア
怒涛のジェットコースターファンタジー
1
背景、世界観もかなり作り込まれていてとても面白い、テンポよくサクサク読めます。読み進めていくほどに、先が気になって止まらなくなりました。
”闇の守り手”は表紙絵の謎の美青年サージルと、純朴な美少年アレ…ク、二人の出会いの章になります。
二人とも無敵というわけではないので、かなりぼろぼろ状態での旅。どの章も結構ギリギリ、読んでる方は毎回ハラハラです。
この主人公の一人のサージルは密偵で、女装したり家に忍び込んだり盗みをしたりで、秘密を探り出すような仕事をしています。アレクはその弟子となります。
次の”光の狩り手”ではほんのりBL風味な部分も出てきて、叶わない切ない恋なんかも味わえます。
魔法らしい魔法は、かなり後半にならないと出てきません。主人公二人が魔法を使えないので、全章とも基本的に剣や弓での戦いです。
二人には神託や運命があり、そこに戦争やら陰謀やらも絡んできて、次々に問題が起こり、読んでて空きません。とりあえず最初の三冊を読んでみてください。
ちなみに、それぞれの上、中、下できちんと終わってはいますが、大きく言うと、”闇の守り手”+”光の狩り手”で一括り、次が”月の反逆者”、その次に”神託の子”+”禁断の書”でまた一括りという風な感じになってます 続きを読む投稿日:2017.03.09
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7SEEDS(1)
田村 由美 / 月刊flowers
小学館漫画賞作品
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小学館の漫画賞を取った作品です。こちらの作家さんは、『バサラ』でも漫画賞をとっています。実力のある作家さんなので読んで間違いはありません。
いつも通り自分の部屋の自分のベッドで眠ったはずなのに・・・…目が覚めると嵐の海の真っただ中で溺れかけているような状況から始まります。引きこもりであったり、暴力事件を起こしていたりと、何かしら問題を抱えた少年少女達が第一部の主人公達です。見知らぬ者どうしでようやくたどり着いた島、そこには見たことも聞いたこともない動植物があふれ、果たして日本かどうかもわからない。2巻の序盤で彼らに何が起こったのかが判明します。
スケールの大きな話です。ストーリーは二人のヒロインをメインに、交互に展開していきます。
水や食べ物を得るのも命がけ。服も道具も、今手にあるもの以外なにもありません。どうやって食べ物を得るか、どうやって害獣を避けるか、どうやって生活していくか。どうやって日々生き延びるか。
命がけの彼らの生活にドキドキハラハラさせられながら、生きる、生かされているということについて深く考えさせられます。
序盤は映画にありそうなサバイバルモノっぽいですが、巻が進み過去に起こったことが明らかになるにつれ、ありきたりなサバイバルものなんかじゃないとつくづく思わされます。ところどころ泣ける巻も多いです。
4巻も辛いですが、10巻.11巻がとくに怖いです。そしてとても悲しい。
過去の人々の悲しい出来事がある一方で、今必死に生きる少年少女達の変化が、とても力強く鮮やかです。出来れば21巻まで読んでほしいです。今のところ、一番好きな巻なので。
絵柄は好き嫌いがあるかもしれませんが、そんなことは些細に思えるほど面白いです。むしろこの迫力を出すにはこの絵でないと、という気さえしてきます。
男女関係なく楽しめる内容だと思いますので、男性の方も是非読んでみてください。 続きを読む投稿日:2014.04.30
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完璧☆彼氏彼女(1)
三次マキ / 別冊フレンド
美男美女ではないけれど、彼も彼女も可愛い
1
『イタズラなキス』を思い出しました。
元気でややアホな女の子が、振られてもめげずに彼を追いかける、という構図が。
ただし彼は超完璧男、というわけではなく、イケメン(風)なキンけし好きの同級生で、告白…した夏に向かって平気で「俺メンクイだから」みたいなことを言ってしまうようなヤツ。
小学生のような趣味を持つ、まだ恋を知らない彼なわけですが、そばにいる夏にしだいに気持ちが移っていきます。
お決まりのような切ないシーンもありますが、全体にほんわかした優しい感じの話です。
一条も夏も、おバカですが好感が持てて、読んでいてほのぼのした気持ちになれます。ちょろっと読むにはちょうどいいです。 続きを読む投稿日:2014.04.28
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嘘喰い 1
迫稔雄 / 週刊ヤングジャンプ
知略でのし上がる
1
31巻まで一気読みしました。
ギャンブル漫画というと、ポーカーだのルーレットだのがメインの話しに思えますが、そういったのとは違いました。
カードを使った賭けも出てきますが、毎回趣向をこらしたさまざまな…ゲームで賭けます。
迷路ゲームであったり、数当てゲームであったり、ババ抜きだったりいろいろです。億の金が飛び交い、足りなければ命で足す、そういう勝負です。
主人公の獏は力はへなちょこですが、悪魔のように頭がよく相手の心理を巧みに誘導します。
相手は血を見るのが大好きな悪い金持ち、みたいなのが多いです。もちろんさまざまなイカサマをしているわけですが、それを見抜いてさらに利用してしまう獏の手腕の鮮やかなこと。劣勢に思えたのが、想像もしないような手で勝ちをかっさらう様は圧巻です。
読者側は、相手がどんなイカサマをしているのかがまずわかりません。それを獏がどうやってひっくり返したのかはもっとわからないです。一番最後に種明かしをされるわけですが、それがミステリーの謎が解けたときのような爽快感があります。
獏はイカサマを見抜けるわけですが、それを申告せずあえて毎回乗るわけです。申告して運だけの勝負になると負けるかもしれないから、と。その辺のふてぶてしさが最高です。
ゲームには毎回、蜻蛉という秘密結社から立会人が派遣されてきます。ゲームのルールを守らせる審判役です。負けた方から金や命を、力でもって強制的に取り上げます。この立会人達も見た目も性格も個性豊かで、しかも立会人同士で競り合う関係にもあったりします。
蜻蛉内部の立会人同志の戦い、政府や警察、海外の闇組織、様々な思惑が絡み合いながら物語は進みます。複雑すぎて一気読みした私は混乱しました。
ギャンブルだけじゃなく、バトルもかなり激しいです。獏なんかは激弱なので、かなりハラハラさせられます。うまく頭をつかって切り抜けていますが。
激弱といえば、獏に拾われた梶ですが、彼も後半にいくにつれて成長していきます。カモだった梶がこんなに強い子に・・・。と、なんだか親心を覚えて嬉しくなります。
『善人』は出てきません。主人公の獏も悪い人じゃないけど、良い人ではないです。梶も、人はいいかもしれませんが、善人とは言いきれず。蜻蛉のボスさえも悪い奴のようで、裏事情を見てしまうとそうでもないような…でもいい人ってわけではけっしてなく・・・。いいもわるいもなく、善悪のすべては混沌としています。
後の巻に行くほどゲームが複雑で、解説されても確立の問題とかなにがなにやらわからないのもありますが、そのへんは読み流しつつも面白かったです。絵も少しずつ変わって、後に行くほど見やすくなります。 続きを読む投稿日:2014.04.28
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恋する暴君 1巻 チャレンジャーズシリーズ
高永ひなこ / GUSH COMICS
恋する暴君 1巻 チャレンジャーズシリーズ
高永ひなこ
笑えるくらい手強い受
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受けがもう、ツンデレっていうよりツンギレです。受けの宗一先輩は凶暴で横暴で、言葉と同時に手足がでるような人。しかし攻めの後輩森永も、負けずにしつこく「せんぱいせんぱい」とすり寄っていきます。そしてまた…「うざいっ」と殴られる・・・。
受けが長髪、凶暴、変な眼鏡…と最初こそ微妙に思いましたが、読みだしてみるとその辺は全く気にならなくなりました。むしろエッチのときなんか、長い髪が乱れる様がすごく色っぽくてよいです。この作者さんの描くエッチシーンは品よく、かつエロティックで好きです。普段は横暴な宗一ですが基本的に恋愛に不慣れで、色っぽいシーンになると、普段はわんこで下僕な森永と立場が逆転します。その辺の二人のギャップも魅力。真っ赤になっちゃう宗一先輩はとても可愛いです。巻が進むほど可愛くてしかたなくなります。乱暴なところさえも魅力と思えるほどに。
面白すぎて思わず紙媒体で全巻買いました。全体にコメディ調で楽しく読めますが、二人の感情や過去などの背景もしっかり描かれていて読みごたえがあります。同性との恋愛に宗一が戸惑い、怖がる様。受け入れてほしくて必死な森永。どちらの気持ちもわかって切なく、そういう気持ちの揺れが見えるところも読む側としては夢中になれる点です。
1巻は、一年前に宗一先輩に告白はしたけれど、時間が経ちすぎてどうも失念されているような気配・・・。という森永君の悩みから始まります。先輩油断しすぎて強引に食べられちゃうわけですが。翌朝、当然宗一は怒り狂って謝罪も告白も聞く耳を持ちません。思い続けても叶わない恋に絶望した森永は… と、この続きはどうぞ買って読んでみてください。
一年前の告白については『チャレンジャーズ』という別の作品の3巻に入っています。『恋する暴君』はそれの続編という形ですが、チャレンジャーズを読まなくても問題はないです。チャレンジャーズは大分古い作品で、絵柄が表紙とはけっこう違います。『恋する暴君』方は表紙の絵と同じで綺麗な感じです。後半の巻に行くほど、もっと絵が綺麗になっていきます。 続きを読む投稿日:2014.04.10
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寒冷前線コンダクター 富士見二丁目交響楽団シリーズ
秋月こお, 西炯子 / 角川ルビー文庫
寒冷前線コンダクター 富士見二丁目交響楽団シリーズ
秋月こお, 西炯子
小さなオーケストラに在籍するバイオリニストのサクセスストーリー。
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仕事帰りのオジサンたちが趣味で集まってやっているような、そんな小さなオーケストラに在籍する主人公、悠季の成長物語。彼の才能を見つけた圭が、悠季を徐々に大きな舞台へと引っ張り上げていきます。
私がBLを…読むようになったきっかけの本です。主人公は序盤は、すぐに「僕なんか」みたいに言う卑屈な人間ですが、シリーズが進むごとに強く成長していきます。逆に序盤は完璧なヒーローに見えた圭の方が、後半に行くほど虚勢が剥がれて脆さを露呈したり。良い意味で二人とも人間的で共感がもてます。二人のダメなところにイライラハラハラしつつ、愛しくて仕方ない。
BLお決まりのエッチな描写とか、このシリーズに関してだけは必要ないと思うくらい。とにかく物語の先が気になってしかたない。
二人が在籍する小さなオーケストラの人々も、温かくて好きです。クラッシックにも興味がわいて、無性に聞きたくなるという。
BLじゃなかったら男女問わずに広めたいシリーズだけど、二人の愛情のつながりも見どころの一つで、男同士だからこそってところもあり・・・。
長い話ですが完結していますし、興味がある方は読んでみるのをお勧めします。下記は読む順番です。
寒冷→さまよえる→マンハッタン→リサイタル→未完成→アクシデント→ファンキー→金のバイオリン→サンセット→アレグロ→運命は→シンデレラ→リクエスト→退団→小夜子→ボンボワイヤージュ→マエストロ→アポロン→バッコス→青き男→シャコンヌ→ブザンソン→ミューズの→闘うバイオリニスト→その男指揮者→復讐→バイオリン弾きの→センシティブ→ロメオ→嵐→カノン→アンダルシア→螺旋→誰がために→三つの愛→スキャンダル→決別→間奏曲→選ばれし者→天上の愛→リサイタリスト→冬の旅→天国の門→富士見二丁目交響楽団(上・下) 続きを読む投稿日:2014.03.01