フィッシングキャンプで心呼吸!野に抱かれ、川に寄り添い、海へ還れカヌーやカヤック、登山や沢登りなどの技術。夜を快適に過ごすための野営術。そうしたアウトドアのテクニックを活かすことで、釣りはさらに楽しいものになる。なかでもキャンプ・野営術は、自然を知り自然に溶け込むための格好のアクティビティではないだろうか。自慢のキャンプ道具を存分に活用し、釣り場の近くで夜を明かすことで、朝まずめや夕まずめなど、釣りのゴールデンタイムに腰を据えて釣りに向き合える。自然の優しさも強さも存在する河畔や海辺で、長い時間・・・
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日本三大怪魚の貴重な一種との永続的な関係を目指す 「巨大魚 アカメの謎」
刀を持たず、乱れぎみの袴はかまにブーツを履いた坂本龍馬の銅像が見下ろす、景勝地の一角にある高知県「桂浜水族館」。
本館左手の巨大な水槽に近づくと、それまで群泳していたアカメがいっせいにこちらを向く。
暗い水槽の中でも、銀白色の鈍い光を発する魚体は、まるで金属の武者甲かっちゅう冑や鎧よろいを身に着けているようにも見え、魚食性の大きな口、頑強な顎が目立つ。
頭部は目の上で大きくへこみ、背は大きく盛り上がり、その背びれは厚みがあって、先端はおそろしく鋭い。
そして、アカメの名の由来となる赤い目が、ルビー色にキラリと光る。
この水族館で、親子二代にわたってアカメの飼育を担当した高谷尚司さんは、「臆病ですが好奇心が強く、それでいて頑固なアカメですが、その容貌からは想像できないほど性格は温和です。水槽の中で仲間と激しく争う姿をまったくといっていいほど見ることはありません」と話す。
自然界でのアカメの正確な寿命はわからないが、水族館では20年以上の寿命は充分考えられるという。
この長寿の理由は、この性格にあるのかもしれない。
清流と大海原を行き来し、悠々と時を過ごす日本の固有種アカメは、この国の太古の記憶もその赤い瞳に宿しているのだろう。
アカメと釣り人が穏やかに過ごせる環境を未来につなぐことが、今を生きる私たちにできるよろこびでもあるのだ。 -
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静寂な湖面に煌めく、釣りと自然のストーリー 「釣り人たちの天然湖沼物語」
釣り人が湖水に魅かれるひとつの理由
峰々に囲まれた山上湖を目指し、バックパックに釣り具と食料、寝袋やテントまで背負って峻険(しゅんけん)な峠を越えると、キラリと輝く水面が見えた。
樹幹の間から見えるその輝きが、清く澄んだ湖水だと気づくと、ほかの何ものにも代えがたいうれしさが込み上げてくる。
また、険しい林道を歩くようなスピードで車を走らせ、やっとたどり着いた湖で、鏡面のような湖水に記された波紋を見たときの期待感は、忘れようがない。
湖沼の釣りは不思議な魅力があり、湖面を眺めているだけで、心が和んでくる。
深淵な緑の湖面は、まるで心の中に大切にしまっておいた翡翠(ひすい)の玉のようにも見えて、これまでに訪れた釣り人の心をどれほど励まし、癒してきたことだろう。
湖を見るだけで心の傷がふさがり、救われた人も多いはずだ。
それは、釣り人が湖に魅かれる理由のひとつである。 -
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自然に出会い、魚と戯れるための魔法の道具
漁船や釣り船は、漁労と移動という二つの目的を持って発展してきた。途方もない距離を移動し、漁具として、ときには家、舟屋として発達した漁船史は、考古学、民族学的な研究に必要不可欠な要素だ。そして、こうした漁師や釣り人の創意工夫の上に現在のさまざまなタイプのボートフィッシングがある。大海原に漕ぎ出す、あるいは川を下りながら自分でポイントを探し、自分の釣り方で魚を釣る。この誰にもしばられない自由なスタイルこそが、マイボートフィッシングの魅力であり、ますます注目が集まる最大の理由だろう。さらに釣り以外の要素として、キャンプや食などのプラスアルファの楽しみ方を取り入れる人も増えている。
マイボートフィッシングは十人十色、釣り人それぞれが持つ感性を反映できる魔法の道具かもしれない。 -
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特集:釣りを通して環境教育を実践する、元釣り少年たちの活躍
BOYS LIFE 未来の釣り人たちへ
釣りをたしなむ人の多くは、少年時代の思い出を心に秘めてロッドを振っている。
しかし現在、都市部、地方に関係なく、子どもたちの外遊び離れが進み、そうした問題解決の一環として「釣りや魚をきっかけに外遊びの楽しさを気づかせる」活動が、日本各地で行われるようになっている。
水産庁による「子ども釣り場」の創設構想、各地の釣り普及団体による「全国釣り教室」の開催といった大規模な取り組みをはじめ、学校や自治体などでも水生昆虫を採取し餌にして釣りを行う授業など、NPO や個人レベルでの活動も増えている。
そこで今号の特集では、釣りを通して環境教育を実践し、未来の釣り人たちを応援、サポートする元釣り少年たちの活躍をレポートする。 -
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鮭・鱒と日本人
サケ・マスを巡る、“釣り・漁労・食”文化
縄文時代以前より、サケ・マス科魚類は、日本人の暮らしに必要不可欠な存在だ。その漁労・食文化は、北海道はもとより東北地方から関西北部地方に至るまで、独自の文化が培われている。また、そうした文化的な背景を経て「世界一進んだサケ科魚類の研究」を行ってきた。 「鮭の町」として知られる新潟県村上市三面川流域では、サケの調理法が100種類を超えるといわれ、平安時代には、遠く京の都にサケが献上されていた。さらに江戸時代後期になると、世界に先駆け、サケの母川回帰性を発見し産卵に適した分流「種別」を設け、現代のサケ・マス孵化事業の礎を築く。そこで今号では「鮭・鱒と日本人」と題して、日本各地のサケ釣りや漁労、食文化、 持続可能なサケの保全を目指すワイルドサーモンの研究などを探る。 -
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標高3000メートルから水深1200メートルまで! 垂直の釣り旅で巡る生態系のワンダー。
北アルプスの懐ともいえる、標高3190メートルの北穂高から流れ出たひと雫は、幾筋もの流れとなって沢が合わさり、「南から東へ、東から北東へと向きを変え、犀川、千曲川、信濃川と名前を変えて350キロ以上の流程を経て、日本海に注ぎ込む。冬、3000メートル級の峰々を持つ北アルプス立山連峰の室堂平付近に積もった8メートルを超える積雪は、シベリア寒気団が地球の息吹として運んできたものだ。「その降雪と夏の降雨を合わせると、年間6000ミリ以上となり、世界有数の降水量として、日本三大深湾のひとつ富山湾へと流れ込む。さらに富山湾には、豊富な河川水や海底湧水が流れ込んでできる 低塩分な沿岸表層水と、水深300メートルを超えると水温2度という冷たい深層水が存在することで鉛直に海水温が激変し、生息生物に強い影響を与え、独自の生態系を形成している。北アルプスの峰々を仰ぎイワナを釣り、湖や大河でマスたちと戯れ、日本海のマダイ、富山湾の深海系の魚とアクセスする。山と海を垂直、あるいは鉛直的に捉え、「釣りを通してひとつながりに眺めてみると、これまで見過ごしていた日本の奥深さと大きさを感じ、山や海とのさらなる一体感が得られるのだ。まさに、真実は“垂直の釣り旅”にある。 -
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「皮に恋して、骨まで愛する」魚食民族ニッポンのSDGs
「鮭のまち」として知られる新潟県村上市三面川流域では、サケの調理法が100種類を超えるといわれ、平安時代には遠く京の都にサケが献上され、越後村上藩の主要な財源となっていた。しかし、江戸時代後期になると、乱獲により不漁が続く。そこでサケの母川回帰性を発見した越後村上藩の下級武士・青砥武平治(あおとぶへいじ)は、三面川に産卵に適した分流“種川"を設け(種川の制)、サケの産卵を助けることでサケの回帰を促した。これは養殖でもなければ、単なる漁獲でもない。まさに江戸時代に行われたSDGs、持続可能な取り組みだ。さらに明治12(1879)年に欧米式のサケ・マスの孵化放流を種川の制が進んだ三面川で行うと、5年後の1884年には、それまでの約5倍の約73万7千匹を漁獲。単一河川では、日本の最高記録となっている。やがて、昭和23(1948)年に発足した近畿大学水産研究所では、「養殖用原魚は天然資源に依存しない人工種苗を使うべきだ」という理念のもと、1970年に水産養殖種苗センターを設立。枯渇が予想される水産資源を補うため、世界に先駆け18魚種の種苗生産に成功している。こうした種苗、栽培、養殖といった水産資源の増産技術の背景には、「頭や内蔵、中骨や皮に至るまで捨てることなく、大切に味わう」という日本独自の魚食文化がある。 -
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魚類図譜に込められた「知の冒険・智の愉悦」
「日本の博物学が世界に誇る最大の遺産は、美しい彩色が施された魚類図譜です。質と量ともに江戸から明治、大正にかけて、日本ほど魚類図譜の成果を上げた地域は、ほかに見あたりません。作家、博物学研究者の荒俣宏さんは、そう称賛の声を上げる。世界最古の魚類彩色図譜といわれる『モルッカ諸島魚類彩色図譜』(1718~1719年)に描かれた魚の数は約400点。以後、20世紀初頭までヨーロッパを中心に大作の魚類図譜が次々と出版された。そして、高松藩5代藩主・松頼頼恭の命に奉じて制作された、日本で初期の彩色魚譜「衆鱗図」(1760年前後)は、 立体的な折立形式の全四帖に723点の海の生き物が描かれ、名だたる世界の魚類図譜をしのぐ規模と完成度を誇る。しかし、残念なことに、日本の博物魚譜は筆写本にとどまり、欧米のように石版を起こしての印刷に至らなかったことで、このような素晴らしい魚譜の存在が世界に周知されなかった。「日本の魚類図譜は、生き生きと描かれています。刺身を食べている民族ですからね。描いた絵がおいしそうに見えないとだめなのです」荒俣さんが語るように、日本の魚類図譜に宿る生命感を見つめると釣り人ならなおさらのこと、これまでとは一味も二味も違う新しい見識が芽生えるかもしれない。 -
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フィッシングキャンプで心呼吸!野に抱かれ、川に寄り添い、海へ還れ
カヌーやカヤック、登山や沢登りなどの技術。夜を快適に過ごすための野営術。そうしたアウトドアのテクニックを活かすことで、釣りはさらに楽しいものになる。なかでもキャンプ・野営術は、自然を知り自然に溶け込むための格好のアクティビティではないだろうか。自慢のキャンプ道具を存分に活用し、釣り場の近くで夜を明かすことで、朝まずめや夕まずめなど、釣りのゴールデンタイムに腰を据えて釣りに向き合える。自然の優しさも強さも存在する河畔や海辺で、長い時間を過ごすことで得た気象や地理などの知識、魚の生態そのものを見つめる生物学的な視点も知らず知らずのうちに学んでいるのだ。キャンプ場を利用して家族を楽しませながら、渓流釣りに興じる人。シーカヤックを利用し、陸からはアプローチできない秘密のビーチで野営や釣りを存分に堪能する人。地磯にタープとコットを持ち込み、気が済むまで釣りに励むソロ・ルアーフィッシャーマンなど・・・・・・。おのおのが持続可能なスタンスでフィッシングキャンプを満喫する釣り人のライフスタイル、釣りとキャンプの楽しみ方、フィッシングキャンプの魅力を紹介します。 -
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