TIME TALENT ENERGY ―組織の生産性を最大化するマネジメント
マイケル・マンキンス(著)
,エリック・ガートン(著)
,石川順也(監修)
,西脇文彦(監修)
,堀之内順至(監修)
,斎藤栄一郎(訳)
/プレジデント社
作品情報
社員の生産性が低いのは、働き方の問題というよりも「時間・人材・意欲」マネジメントの問題だった!
戦略コンサルティングファーム、ベイン・アンド・カンパニーの調査で、
組織の希少資源である時間・人材・意欲を効率的に配分している好業績の企業は、そうでない企業に比べて生産力指数が40%も高いことが明らかになった。
とりわけ、最も重要な仕事を最も優秀な「Aクラス人材」で編成したチームにやらせているかどうかで生産性に決定的な差がつく。
【著者紹介】
マイケル・マンキンス
ベイン・アンド・カンパニー サンフランシスコオフィスのパートナーであり、米州の組織プラクティスのリーダー。25年以上にわたり、企業が長期的な成長を遂げるために組織戦略の策定に携わっている。
エリック・ガートン
ベイン・アンド・カンパニー シカゴオフィスのパートナーであり、グローバルの組織プラクティスのリーダー。約20年にわたり、組織デザインや企業統合、コスト削減等のプロジェクトを手がけている。
【目次より】
プロローグ 本当に希少な経営資源
第1章◆組織の生産力を最大限に引き出すには
第2章◆組織の時間を取り戻せ
第3章◆オペレーティングモデルの簡素化
第4章◆「違いを生み出す人材」を見つけて育てよ
第5章◆オールスターチームの編成・配置
第6章◆社員のやる気を奮い立たせる
第7章◆「勝てる文化」を醸成せよ
エピローグ 好循環を生み出す
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 3.7 (10件のレビュー)
-
【感想】
企業にとって大切なのは、「時間・人材・エナジー」。
これが主題の、個人ではなくマネジメントの視点で書かれた論文のような書籍。
結構メンタリティな要素に偏っていた気がするが、、、
やはりこの3…点が、働きやすさや業績の両面で「優良企業」と評価される企業の必須条件なのだろう。
時間の無駄遣いを無くし、マネジメントや節約など、有効活用すること。
人材配置や組織編制について、バランスではなく一挙集中すること。
各々が最高なパフォーマンスでエナジーが発揮できる為に、愛着やプライドを持たせる環境作り。
大筋は組織全体のパフォーマンス向上の話だったが、「そのような組織から選ばれる人材になる為のヒント」も多数見つかった気がする。
プレイヤー、マネージャー関係なく、一読の価値がある本でした。
【内容まとめ】
1.企業にとって本当に希少性のある経営資源、競争力の源泉、要するに大事なのは「時間」「人材」「意欲」である。
2.ピーター・ドラッカー「時間は希少な資源である。時間をマネージできずして、他に何をマネージできるというのか。」
→無駄な行為で、1日、1週間、1ヶ月、1年のうち何時間を浪費している?
3.一般的に人が1つのトピックに集中できる時間は約18分間、トピックを変えても約45分間。電話会議だと23分間で集中力が途切れる
4.人材は確かに大切だが、何でもいいわけではない。本当に必要なのは、誰よりも組織の使命を理解し、戦略を実行に移すことのできる人材である。
独自のスキルや経験を職場に提供し、企業の成功に欠かせない任務について、チームメンバーと協力して進める事ができる人材なのかどうかだ。
5.勝者とは「ベスト志向、勝利へのこだわり、新しい見方を受け入れやすく、学んだ知識の吸収が早い。不屈の精神を発揮し、必要な処置を怠らない」
6.「仕事そのものへの愛着とプライド、当事者意識、会社の目標への共感」この3つが優良企業の条件
7.部下の業績(成績)アップとやる気を奮い立たせた結果、人材の能力は極限まで活かしきれる!
【引用】
企業にとって本当に希少性のある経営資源、競争力の源泉は、「時間」「人材」「意欲」である。
p15
ネットフリックスが採用するのは、
「大人として振る舞える人格者で、会社に対する使命感があり、自ら思慮分別を働かせて責任を果たすことを心得ている」自立した人物だ。
社員にしてあげられる最高のご褒美は、彼らの同僚として一流の人材を採用するだけ。
p29
・結局は組織の問題
社員の生産性が実力通り、あるいは要求通りに発揮されないのは、社員ではなく組織に原因がある。
p35
社員が当事者意識を持ち、やる気が溢れる状態になれば、生産性の損失分を補って余りある。
p54
ピーター・ドラッカー
「時間は希少な資源である。時間をマネージできずして、他に何をマネージできるというのか。」
無駄な行為で、1日、1週間、1ヶ月、1年のうち何時間を浪費している?!
p80
・効果のある会議を開く
1.議題は明確に絞り込んで
明確な議題があれば、優先事項が伝わる。また先送りしても問題ないものもわかる。
2.会議時間はできる限り短く
一般的に人が1つのトピックに集中できる時間は約18分間、トピックを変えても約45分間。
電話会議だと23分間で集中力が途切れる。
3.会議の事前準備を周知徹底する
会議の前に資料を準備して事前配布し、出席者が前もって目を通せるようにする。
情報共有の時間を省ける。
p89
「時は金なり」というなら、それなりに扱うのが筋だ。
つまり時間予算を作成し、時間投資に目を光らせ、時間の無駄遣いを削減するのである。
p124
ジム・コリンズ
「人材が最も重要な資産なのではない。適切な人材が重要なのだ。」
人材は確かに大切だが、何でもいいわけではない。
独自のスキルや経験を職場に提供し、企業の成功に欠かせない任務について、チームメンバーと協力して進める事ができる人材なのかどうかだ。
本当に必要なのは、誰よりも組織の使命を理解し、戦略を実行に移すことのできる人材である。
p137
優良企業とそうでない企業で何が違うかと言えば、Aクラス人材の配置方法だけ。
ほとんどの普通の企業は、優秀な人材の配置に関して、無意識に平等主義を実践しているといえよう。
一方、優良企業は、希少な人材の配置に関して、あえて不平等主義を貫いている。
ビジネスの命運を握る職務(全体の5%程度)に優秀な人材を集める。
p152
・勝者とは
ベスト志向、勝利へのこだわり、新しい見方を受け入れやすく、学んだ知識の吸収が早い。
不屈の精神を発揮し、必要な処置を怠らない
p179
・オールスターチーム
スター社員、並の社員、成績不振社員を「バランスよく」組み合わせたチーム編成。
スター社員が他の社員を底上げしてくれるとの期待あっての編成だが、こういうチームがうまくいくとはまずない。
・米国海軍SEALS
隊員一人一人が並外れた能力の持ち主で、隊員1人の戦場での破壊力は平均的な兵士の10倍以上と言われている。
このシールズ隊員10人でチーム編成すると、平均的な兵士の100倍を遥かに上回るため、重要な警戒任務やミッションはシールズに託される。
大きな成果を目指すための重要なステップは、スター社員を集めたチーム、つまりオールスターチームを作り、特に重要な任務に配備することだ。
平均的なチームと比べて成果も大きく、しかも短時間で成果を出す!
「目的遂行能力」と「相乗効果」
勿論、我の強いこの面々を上手にマネージする手立ては必須だが…
p190
・エクストラ マイラー
→1マイル余計に進む人。与えられた職務の範囲に留まらず、期待以上の仕事をする社員。
当事者意識を持って献身的に時間とエネルギーを投じる。
また、チームのメンバー同士を積極的につなぐ接着剤となる!
p193
個人の我の強さを打ち消すくらい、大きなゴールを指し示せ!!
p201
レンタカーを洗車する人はいない。
自分が持ち主という意識や、その車とのつながりがないため、わざわざ余計なエネルギーを使おうと思わない。
ビジネスも同じ。
あたえられている仕事に関して、社員が当事者意識を持てず、また奮起させられることもなければ、職場や顧客に対して、あるいは自分自身の成功に向けて、わざわざ自発的に意欲を発揮しようと思わない。
p205
当事者意識が低い理由は、想像に難くない。
組織が複雑で、会社が死ぬほど退屈な場になってしまっている。
そんなところにいても主体性が芽生えることはまずない。
仕事は機械的で型通りの退屈な反復作業。
しかも上司に逐一監視され、どうでもいいような子細なことまで指図される。
日々の業務が単調で味気ないせいで、こうした会社側の狙いがかえって腹黒く映ったり、心に響かなかったりするのだ。
意欲向上、当事者意識向上のために、一体何が足りないというのか?
→企業としての志があまりに低い。
→まずは「やる気を引き出す」というテーマを掲げること!
1.仕事そのものに愛着、プライドを感じているか?
2.他の社員との関係性によって当事者意識を持つ、あるいは保てているか?
3.会社の目標に共感できているか?
本当に素晴らしい会社は、この3つの面で社員をやる気にさせている。
会社の目標を社員の仕事の中身に落とし込み、部下を奮起させられる上司を育成し、各社員が自分の潜在能力をフル発揮できる優秀なチームを育て上げている。
p215
・管理者個人よりもチームに権限委譲
ホラクラシー
→ヒエラルキーが全く存在しない、完全フラットな組織管理。ヒエラルキーに対する概念。
p239
・業績&モチベーション
特に優れたリーダーは、業績を上げることとやる気を奮い立たせることの両面に例外なく長けている。
業績だけがいいリーダーは組織に耐え難い犠牲を強いている可能性が高いし、奮起させる事だけに躍起になっていると結局業績が冴えない為に社員のやる気を削いでしまう。
p246
なるべく多くの社員から当事者意識ややる気を上手に引き出せれば、その分組織としての生産力は高まる。
だが、単純なサービスだけでは足りない。
トップを巻き込んでの綿密なマネジメントと、社員が全身全霊で仕事をする環境づくりにひたむきに取り組む必要がある。
当事者意識だけではなく、大部分の社員を奮起させようと取り組む必要がある。
業績アップと部下のやる気を奮い立たせた結果、人材の能力は極限まで活かしきれる!続きを読む投稿日:2018.06.21
制度が好きな人向き。TTEの順ではなく、ETTの順序・力点で書いてもらう方が、共感しやすいと思った。
投稿日:2020.12.26
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