聖地巡礼・コンテンツツーリズム研究の第一人者である北海道大学観光学部教授 山村高淑さんと聖地巡礼プロデューサー柿崎俊道との対談。岐路を迎えたアニメ・マンガ聖地巡礼研究の次のステップについて、論議を交わします。 ・聖地巡礼イベントと商売、ボランティア・大きくなる聖地巡礼イベントの転換点・研究者業界に広まる「聖地巡礼」・今の聖地巡礼研究へのアプローチに欠けているもの・自治体と聖地巡礼、そして研究者・聖地巡礼研究は次のステップへ
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埼玉県秩父市には「秩父3部作」と呼ばれる、この地域を舞台にした作品があります。テレビシリーズおよび劇場作品の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(『あの花』)と、どちらも劇場作品である『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』です。秩父出身の脚本家・岡田麿里さんと、長井龍雪監督、田中将賀さんのクリエイティブユニット「超平和バスターズ」が手がけた作品です。2022年は第1作『あの花』の放送からちょうど10年目です。
2022年5月14日、秩父地場産センターでイベント「あの日見たN氏を僕達は忘れない。」が開かれました。N氏とは、聖地会議16でも対談をしていただいた秩父市観光課のアニメ担当 中島 学さんです。ツイッターではN氏と名乗っているため、ファンの間で通り名となっています。そのN氏が観光課から他部署に異動することになりました。役所の仕事は2、3年で異動することが知られています。しかしながら、アニメ担当として活躍していたN氏は他に代わりがいないこともあり、10年間、観光課に在籍していました。そのN氏がついに異動する!
「あの日見たN氏を僕達は忘れない。」を企画したのが、今回の対談相手の給食当番さんです。『あの花』ファンのひとりとして、この10年、めんまのお誕生日会や数多くのトークイベントを主催した人物です。ファンとして、イベンターとして、どのように考え実行してきたのでしょうか。ご覧ください。
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー
2022年11月2日
●本電子書籍は2022年12月17日初版発行『聖地会議30』を元に制作されました。
●本電子書籍の全部または一部を、著作者ならびに発行・発売元の許可なく、複製、転載、公衆送信することを禁じます。 -
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埼玉県飯能市の醸造所で若林福成さんと対談をしました。若林さんが設立したばかりのやまね酒造です。
とはいえ、僕は地域で活躍する若き経営者として聖地会議の対談をお願いしたわけではありません。じつは若林さんと知り合ったのは随分前のこと。彼が高校生の頃でした。当時、埼玉県鷲宮町(現埼玉県久喜市)ではアニメ『らき☆すた』による聖地巡礼ブームで沸き返っていました。その渦中で若林さんと知り合ったのです。彼は高校生でしたが、地域活性化を考え鷲宮町商工会に出入りしていました。
ブームの渦中のなかで、若林福成さんは自分の町である埼玉県栗橋町(現埼玉県久喜市)のことを考えていました。どのようにキャラクターを使った地域おこしをすればいいのか。鷲宮町から学び取ろうとしていました。その成果は、栗橋町の井上酒店と「栗橋みなみ」の地域おこしに結びつきます。
「栗橋みなみ」とは『鉄道むすめ』シリーズのキャラクターです。当然のことながら、『鉄道むすめ』には著作権があり、権利元が存在しています。株式会社トミーテックと東武鉄道株式会社です。キャラクターによる地域おこしは権利元の協力が欠かせません。画像の使用ひとつをとっても権利元の許可が必要であり、場合によっては画像を使用した際のデザイン監修が発生します。高校生の若林さんは井上酒店の店主である井上武利さんと企業間を奔走します。そのエピソードはひとつのドラマです。ぜひ対談本編でお楽しみください。
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー -
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アニメ聖地巡礼に関わっていると、行政の対応がアベコベのように感じることがあります。eスポーツやIT、ネットを推進しようという動きと、スマホやインターネット、ゲームの利用を制限しようという動きです。
近年、とくに大きな話題となったのが「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例」です。ゲーム依存を防ぐため事業者に必要な対策を求めたり、子どものコンピュータゲーム利用は1日当たりは60分、学校などの休業日には90分を目安としています。さらに義務教育終了前の子どもはスマートフォンなどの使用を午後9時までとし、それ以外の子どもは午後10時までに使用をやめることが明記され、保護者はこういったルールを子どもに遵守させるよう努めなければならないとしています。
家庭内のことに行政がどこまで踏み込むべきか。議論は尽きないでしょう。
とはいえ、僕が気になったのは、前述したようにアベコベの部分です。行政はサブカル分野を応援したいのか、拒絶したいのか。どっちなの?
「聖地会議28」はITセキュリティを専門とする石田淳一さんとの対談です。石田さんは全国の学校をまわり、文部科学省発信の情報モラル、情報セキュリティを啓蒙する活動に携わり、また、2022年からはじまる高校「情報Ⅰ」の委員を務めています。大きな世相の流れ、子どもたちを取り巻く教育環境の変化についてお聞きました。
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー -
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アニメ聖地巡礼がブームになって10年以上が経ちました。アニメ聖地巡礼という現象が大きくなるにつれて、多くの企業や組織、個人が関わってきました。もっとも存在感のある組織が一般社団法人アニメツーリズム協会です。会長は『機動戦士ガンダム』の監督として知られている富野由悠季氏。理事長はKADOKAWA会長の角川歴彦氏。そして、一般社団法人日本動画協会、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社JTB、成田国際空港株式会社、日本航空株式会社、WILLER株式会社、株式会社やまとごころが名を連ねます。
ふしぎでした。
ブームにはなっているものの、たとえば聖地巡礼ビジネスは数億円のアニメ制作費を賄うほどの規模感はまだありません。また、聖地巡礼には運の要素が強く、安定したビジネス展開は見込めません。聖地会議シリーズの目的はそうした不安定な聖地巡礼現象を紐解くことにある、としているものの、僕自身、わかってきたようなわからないような、という曖昧さのなかにいます。
一般社団法人アニメツーリズム協会はアニメ聖地巡礼にどのような未来を見ているのか。
聖地会議27は、一般社団法人アニメツーリズム協会の事務局長寺谷さんとの対談です。 -
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僕がアキバ文化における神田明神の存在に気づいたのは、アニメ『ラブライブ!』以降のことです。『ラブライブ!』のスクールアイドル「μ's」の練習の場として明神男坂が描かれました。男坂の階段を作中と同じように駆け上ろうとするアニメファンが多く出るだろうな、と思いました。案の定、多くのファンが神田明神を訪れ、男坂を駆け上りました。
『ラブライブ!』のテレビ放送が終わった1年後の、2016年、神田神社の第1回納涼祭りが開催されます。アニソン盆踊りでは多くのアニメファンで賑わい、話題となりました。
じつは第1回納涼祭りには僕は少し絡んでいるのです。聖地会議主催の飲み会の参加者から「神田明神のお祭りでキッチンカーや屋台を出してくれる人を探している」との相談を受けて、同じく飲み会に参加していた飲食関係者を紹介しました。このマッチングはかなりうまくいったようです。その後、双方からお会いするたびに感謝されました。
伝統ある神社とアニメの組み合わせに、ちょっとした疑問も僕の頭をよぎりました。聖地巡礼・コンテンツツーリズムにおいて神社、お寺は馴染みのある存在です。地域を舞台にした多くのアニメ作品では、ロケーション先として神社仏閣が頻出します。盛り上がっているからといって、この流れをすんなり受け入れていいのか。それとも、伝統や格式を踏まえた行動をすべきなのか。
神田神社 権禰宜の岸川雅範さんに率直に質問をしてみました。
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー -
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「聖地会議 総集編3」です。聖地会議13から聖地会議18までの収録です。
今回は、ビジネス、自治体の当事者の方々と対談をしました。聖地巡礼・コンテンツツーリズムのプレイヤーには企業と地域、ファンの3者がいます。「聖地会議 総集編3」はこのトライアングルから企業と地域にスポットを当てた形です。
JTBコミュニケーションデザイン 古関和典さん、株式会社DLE 代表取締役CEO&Founder 椎木隆太さん、埼玉県観光課 課長 島田邦弘さん、秩父市役所産業観光部観光課 中島 学さん、リリカル株式会社取締役デザイナー・ブランドOctober Beast代表 北山友之さん、公益財団法人埼玉県産業文化センター 田中康士郎さんの6名です。
特別収録は「鷲宮スペシャル座談会! 『らき☆すた』と歩んだ10年 これからの10年」と題し、島田菓子舗 島田吉則さんと埼玉県観光課 課長 島田邦弘さんと私の3名でアニメ『らき☆すた』と埼玉県久喜市鷲宮(旧鷲宮町)の10年間を振り返りました。
皆さまのおかげで、聖地巡礼・コンテンツツーリズムへの理解がいっそう深まりました。
ありがとうございました。
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【聖地巡礼ビジネスへの理解を目指して】
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー
【聖地会議13】
古関和典 JTBコミュニケーションデザイン JTBピクチャーズ マネージャー
JTBコミュニケーションデザイン コンテンツツーリズム
・地域へのロケ誘致と地域の観光地化
・映画『ジヌよさらば?かむろば村へ?』
柳津町は3度盛り上がる
・B級グルメとプレイスメント
・観光地ではない場所を観光地に
・リバイバル上映とコンテンツツーリズム
・権利処理は企画段階から!
・コンテンツツーリズムには乗り越える力がある
【聖地会議14】
椎木隆太 株式会社ディー・エル・イー 代表取締役CEO & Founder
キャラクターは地域で育み、世界へ
・キャラクターに地域性を与えない
・アニメ作品をハリウッドメジャーに売り込む
・チェーン オブ タイトル
・椎木マン
【聖地会議15】
島田邦弘 埼玉県秩父地域振興センター 副所長(現 埼玉県観光課課長)
え? この前!?
埼玉県庁 観光課は2009年に設立!!
・埼玉県庁には観光課がなかった!
・アニメとゆるキャラに課せられた観光イメージの「底上げ」
・コンテンツツーリズム黎明期の幸福
・埼玉県らしいアニメイベントとは、なにか
・エンタテインメントに行政はどのように取り組むべきか
・ファンの作品に対する愛に頼る違和感
・アニメ施策「ペット」論
【聖地会議16】
中島 学 秩父市役所 産業観光部観光課
アニメが変えた秩父市の姿
・『あの花』がくれた変化
・アニメによる地域活性化とは
・ファンと秩父の絆
・作品愛とコミュニケーション、スタンプラリー
・たまり場
・中島さんの課題
【聖地会議17】
北山友之 リリカル株式会社取締役デザイナー、ブランドOctober Beast代表
コンテンツビジネスで知っておきたい
製作委員会&監修会のトレンド
・コンテンツに執着しないアニメ製作委員会
・コンテンツビジネスにこれから挑むには
・1クールのアニメ作品でコンテンツビジネスを行うには
・グッズに使用する新しい絵素材の入手方法
【聖地会議18】
田中康士郎 公益財団法人埼玉県産業文化センター
アニ玉祭が生まれたワケ
劇場、音楽堂等の活性化に関する法律と指定管理者制度
・アニ玉祭と文化庁「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」
・アニ玉祭と指定管理者制度
・アニ玉祭と聖地巡礼
・日本とアメリカの公立会館の役割
・アニ玉祭と地域の参加
【鷲宮スペシャル座談会!】
『らき☆すた』と歩んだ10年
これからの10年
島田吉則(島田菓子舗)
島田邦弘(埼玉県国際課課長)
柿崎俊道(聖地巡礼プロデューサー)
【「聖地会議 総集編3」を編集し終えて】
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー -
アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』とその舞台となった静岡県沼津市を巡る記事が、2016年以降、続々と静岡新聞に掲載されています。
書いたのは静岡新聞 東部総局 副部長の橋爪 充さん。新聞記者です。
橋爪さんと僕は以前いた会社の同僚です。部署は違うものの席が近く、よく雑談をしていました。退社後、橋爪さんは静岡新聞に転職なさり、僕は聖地巡礼プロデューサーになりました。そうした縁から、橋爪さんからは聖地巡礼・コンテンツツーリズムの取材を受け、聖地巡礼プロデューサーとしてのコメントを静岡新聞に提供したこともあります。
今回は僕から橋爪さんに取材をしたいと思いました。地域にもっとも近い立場から、長期に渡って特定の聖地巡礼・コンテンツツーリズムを取材しているケースはほとんどないからです。新聞記者は沼津市と『ラブライブ!サンシャイン!!』をどのように記事にしてきたのか。どうぞ、ご覧ください。
また、対談で取り上げた静岡新聞の記事は日付と記事タイトルを本文中に明記しています。該当記事は図書館などで参照していただければ幸いです。
柿崎俊道/聖地巡礼プロデューサー
・注目したい!!
・マジックをつかまえろ!
・ヨーソローエコノミー
・静岡新聞社のキモチ
・ライバル来臨
・フェーズを移ろう
・NUMAZU -
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位置情報ゲームの大本命がきました。
スマホアプリ『テクテクテクテク』です。
聖地会議24は『テクテクテクテク』を開発したゲームクリエイター麻野一哉さんとの対談です。
『テクテクテクテク』は街を歩いて画面上の日本地図をタップすると、自分が触れている街区がファンタジー色に塗られます。ゲームのフィールドは日本人に馴染みの深い住所を利用しています。街区を塗り、字を100%にするとボーナスが発生。そして、字を塗り、区市町村を100%にするとさらに大きなボーナスが発生します。
対談中、麻野さんは何度も「歩きスマホ」について言及しました。
位置情報ゲームの代名詞ともいえる『ポケモンGO』はヒットの代償として、「歩きスマホ」や運転中の「ながらスマホ」を助長させるものとして新聞やテレビで槍玉にあげられました。結果、『ポケモンGO』は移動速度を制限するシステムを追加することで対処しました。
後発となった『テクテクテクテク』はどのように「歩きスマホ」「ながらスマホ」に対応したのでしょうか。麻野さんたちゲームクリエイターの挑戦と工夫がそこにはありました。
位置情報ゲームは、聖地巡礼・コンテンツツーリズムの重要なジャンルです。今回はその最新事情をお届けします。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー
・『テクテクテクテク』の原点は、緑の蛍光ペンで地図を塗りつぶしていた
・「となりぬり」がユーザーの敷居を下げる
・「予約ぬり」によって歩きスマホを防ぐ
・しょうもないギャグ満載の愛すべきモンスターたち
・世界観がないからこその、自由
・『テクテクテクテク』の信号
発行日:2019年2月28日 -
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アニメ聖地巡礼が成功するための条件はいくつか考えられますが、そのひとつに地域のキーマンがあります。キーマンはアニメ作品をファンといっしょに楽しみ、地域とファンの調整役になります。ファンが集まることのできる場所を提供し、ファンの活躍の場を用意します。
島嵜浩一さんの経営する焼き鳥屋「まめちゃん家」は秩父市道生町にあります。秩父鉄道「秩父駅」から徒歩9分。僕はいつも西武線「西武秩父駅」からいくので、徒歩25分です。
「まめちゃん家」はふつうの焼き鳥屋ではありません。「秘密基地」が併設された焼き鳥屋です。秘密基地とは、アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』に登場した掘っ立て小屋のこと。登場人物の高校生 宿海仁太が友人たちと小学生の時分に「超平和バスターズ」を結成し、その本拠地(遊び場)としました。その小屋を焼き鳥屋の店内に作ってしまったのです。いや、スペース的には秘密基地のほうが大きく、秘密基地のおまけに焼き鳥屋がくっついているといったほうが正確かもしれません。
道生町の秘密基地はアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が放送された2011年に完成しました。あれから8年。今ではファンの活動拠点として定着し、日々、全国の作品ファンが訪れています。
今回の聖地会議は秩父のキーマン 島嵜浩一さんとの対談です。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー -
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聖地会議22
伊月/『らき☆すた』を守るために
僕が書籍「聖地巡礼アニメ・マンガ12ヶ所めぐり」を書いたのは2005年です。その後、各地で聖地巡礼ブームが起きました。アニメ『らき☆すた』は2007年。アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は2011年。アニメ『輪廻のラグランジェ』、アニメ『あの夏で待ってる』、アニメ『ガールズ&パンツァー』は2012年。アニメ『ラブライブ!』は2013年。
そうした地域を取材し、驚かされることがありました。そして、理解が及ばないことがありました。
ファンの熱量です。
グッズを購入し、地域へのリピーターになるだけではありません。地域イベントへボランティアとして参加する、町内の清掃活動に加わるなど、地域貢献にも前向きです。
あまりに熱すぎるファンの姿に驚くと同時に、彼らの熱の源泉を知りたいと思いました。
今回の聖地会議はそんなファンのひとり、伊月さんです。埼玉県久喜市鷲宮(旧鷲宮町)と『らき☆すた』の活動を紹介する同人誌「おっかけ!セーラーふく」「らき☆すたうぉーかー」を10年間に渡り刊行し続けてきました。
どんな地域でも、ファンがいなければはじまりません。ファンの熱意の源泉を知ることで、より聖地巡礼・コンテンツツーリズムへの理解が深まると僕は考えています。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー
発行日:2018年5月31日 -
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聖地会議21
片渕須直監督
片渕須直監督の緻密な調査による映画作りを具に知ったのは、映画『マイマイ新子と千年の魔法』のトークイベントでした。制作に使用した航空写真や地形図などから昭和30年代の様子、そして1000年前の周防の国の様子を抽出し、アニメ制作へと繋げていく。驚いた私は「アニメ『BLACK LAGOON』など、今までの作品も同じように作られているのですか?」とイベント中に質問をしました。監督から「そうですね」と他の作品についても触れていただきました。
そのすぐ後、山口県防府市で『マイマイ新子と千年の魔法』の舞台を巡る「マイマイ新子探検隊」があると知り、すぐに参加します。監督、そして地域の皆さんと昭和30年の姿、1000年前の周防の国と呼ばれた姿を想像しながら歩くのは、とても楽しい体験でした。聖地巡礼における、これぞひとつの到達点。その思いは今も強く残っています。
そして映画『この世界の片隅に』です。登場人物たちが話す広島の言葉に亡き祖母の姿が重なりました。すずさんとほぼ同い年です。当時、祖母は広島市の牛田と呼ばれる中島本町のすぐ北の地域にいました。そして、すずさんと同じように10代で結婚をし、九州の嫁ぎ先へと赴きました。祖母は原爆を免れましたが、家族は被害に合っています。
片渕監督との対談は「マイマイ新子探検隊」で垣間見た聖地巡礼の到達点の、さらにその先を感じるものとなりました。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー
発行日:2018年4月27日 -
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聖地会議20
おぎの稔
大田区議会議員
現役オタク議員に聞く
ツールとしての議員
聖地巡礼・コンテンツツーリズムに欠かせないキーマンがいます。
議員です。
行政の活動は選挙によって選出された議員たちの議会によって審査され、承認されます。僕が自治体から請け負っているアニメイベントも、もちろんそのひとつ。
しかし、アニメイベントの準備中に議員と会うことはないし、打ち合わせの場でも議員と会うことはありません。イベントに訪れた議員と挨拶を交わすくらいです。今ひとつ、議員の存在に実感が湧いてきません。湧いてきませんが、議会の承認を得ていることは間違いなく、そこで多くの議員の審査を経ているわけです。プロセスはわかるけども、なんとなく腑に落ちません。
そこで、今回は大田区議会議員のおぎの稔さんに対談をお願いいたしました。
おぎのさんはオタク議員としてコスプレや同人誌、コミケなどに積極的に参加し、同人文化に近いところで活動をしています。大田区をコスプレで盛り上げるために奮戦をされています。
僕は「議員」をどう捉えればいいのか。どのように考えたらいいのか。今後、どのような切り口で協力関係を築いていけばいいのか。
おぎの稔さんとの対談を通じて、考えます。
柿崎俊道 聖地巡礼プロデューサー
?
・議員は「課長対応」
・議員から行政へのルート
・自治体とアニメイベント
・ツールとしての議員
・自治体予算の使い方
・コスプレイヤーが活動しやすい街へ
発行日:2017年12月20日 -
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