個人事業主1年目の強化書
天田幸宏(著)
/日本実業出版社
作品情報
まずは、生き残れ──。
「働き方」が大きく変わる今、これまで多かった「独立開業」だけでなく、勤めている企業に「個人事業主」として契約するというケースも増えてきた。個人の自立を促す雇用のスタイルが、ますます広がっている。
そこで本書では、いざ個人事業主となったとき、食いっぱぐれない、仕事が途切れないようにするために、開業1年目にやっておきたい100のことを解説する。
・ホームページは「問い合わせフォーム」があればOK
・名刺には「事業目的」を入れる
・オフィスは「自宅+シェアオフィス」からはじめよう
・独自の「肩書き」を考える
・相手の言い値ではなく「メニュー表」を先出しする
・手応えを感じたら、積極的に「値上げ」する など
著者は、リクルート(現アントレ)発行の起業支援情報誌の編集者として、18年間でのべ3000人以上の個人事業主や起業家およびその予備軍を見てきた体感値から、成功パターンを法則化、起業支援も行なっている天田幸宏氏。
開業準備、手続き、仕事環境、お金まわりのこと、継続して儲かる仕組み、独自化戦略など、人に聞けない、教えてくれないコツを伝授。個人事業主の先輩として、かゆいところに手が届くポイントも満載。
独立を考えている人、起業したばかりの人はもちろん、副業をしたい人、独立してから長い人や小さな会社を経営している人にも参考になる一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 個人事業主1年目の強化書
- 著者
- 天田幸宏
- 出版社
- 日本実業出版社
- 書籍発売日
- 2021.10.01
- Reader Store発売日
- 2021.12.24
- ファイルサイズ
- 13.2MB
- ページ数
- 232ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (5件のレビュー)
-
起業、創業にあたっての心構えやスキルが学べる本です。
インターネットやクラウドサービスなどの技術の発展で、会社経営のコストが下がることも多くなり、個人事業主としての起業はハードルが下がりました。
そん…な環境を追い風に起業を考えている方などに、著者が自身の体験を交えながら、考えておくべきことや、実際に使える事例などを紹介しています。
個人で起業したい方にとって役立つことが多く学べるのはもちろん、会社を立ち上げたい方にとっても、共通して使えることを多く学べる1冊だと思います。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「自分の強みを、①これまでの仕事で最も達成感を得られたこと、②これまでの仕事で最も感謝されたこと、③仕事で得た知識、経験、実績を『○○力』で表現すると何か、④その強みは誰に対して効果を発揮するか、⑤その強みはどんな課題を解決するものか、⑥その強みは仕事の工程に十分に組み込まれているか、⑦その強みはどれくらいの期間、有効に機能するか、という7つの質問で強化する。」
「現状維持に陥らないため、先輩や同業者の成功例の模倣(まずは追いつく)、読書(多読より『お気に入りの精読』)、定期的な情報発信(定期的>単発)、顧客と定期交流(本音を聞ける関係性を構築)、身につけたスキルや経験を教える(学習効果が高い)、自分に『意見してくれる人』を持つ(メンター効果)、他業界の成功の創造的な模倣、の7つの習慣を意識する。」
「対話を通じて自分の考えを深める『壁打ち』を行うと、『モヤモヤ』していることが晴れる、頭の中で考えていたことが『言語化』できる、アイデアを聞いてもらい『率直な感想』が得られる、自分の中で『過度な思い込み』がないか気がつく、『いつまでに、何をすべきか』明確になる、目標達成のために『手放すこと』が見えてくる、『具体的なアドバイス』が得られる、という7つの効果がある。」
→1年目はそれなりに活動できましたが、このままだと頭打ちになりそうな感触が自分でもあります。強みを強化する、現状維持を打破する、他者との会話を通じた新たな気づきを得る、ということは、個人事業主として2年目を迎えるにあたって、特に意識したいと感じました。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・個人事業主として活躍し魅力あふれる方々には、①「強み」にもとづいた事業の実施、②圧倒的な「付加価値」が武器、③「継続して儲かる仕組み」づくり、④「下請け仕事」を極力避け、自ら顧客を開拓、⑤本業(主力事業)が苦境に陥った時の「備え」がある、⑥将来の引退に備えた資産形成の準備、⑦仕事とプライベートの垣根がなく人生そのものを楽しむ、の7つが共通している。
○主要な手続きと開業準備
・自身の強みや経験、専門性にもとづいた400文字程度の「プロフィール」と「自己紹介シート」を作成しておく。独立後は、今、何ができるのかだけを問われる。プロフィールは、導入部分に魂を込めて書くことがポイント。最初がつまらないと、その先を読んでもらえない。ストーリーで伝えることも意識する。
・その事業を行うための最上位の概念である「事業目的」を名刺に入れると効果的。何のために、誰のために、どんな課題を解決し、事業を行うのかをシンプルに表現する。「○○を通じて、□□を実現する」という方法がおすすめ。
○「最低限のツール」と「機動性のある働き方」
・独立後は基本的にトラブルの際は誰も助けてくれない。「備え」が重要。仕事で使うデータは端末上のローカル環境ではなく、クラウドに保存するのが大原則。PCを壊さないよう、外出先で使う際は慎重に。ちょっとした作業やプレゼンであれば、タブレット端末で十分にこなせる。
・自己紹介を兼ねたプレゼン資料を作る。相手に与える印象が変わるし、予期せぬオファーが来たときにも役立つ。初対面で紹介が許されるのは長くて10分程度。シンプルにまとめる。「なぜ今、私があなたと仕事をする必要があるのか」という疑問に対し、明確な答えを用意し、相手の潜在的な意識に訴えかけるのが最大のコツ。
○「マインドセット」と「事業コンセプトの設計」
・事業を持続的に発展させるには、本業である「主力事業」、稼ぐための「収益事業」、将来への投資となる「未来事業」の3つの柱を準備する。
・自分の強みを、①これまでの仕事で最も達成感を得られたこと、②これまでの仕事で最も感謝されたこと、③仕事で得た知識、経験、実績を「○○力」で表現すると何か、④その強みは誰に対して効果を発揮するか、⑤その強みはどんな課題を解決するものか、⑥その強みは仕事の工程に十分に組み込まれているか、⑦その強みはどれくらいの期間、有効に機能するか、という7つの質問で強化する。
・自己紹介には、過去のキャリアや現在取り組んでいることを表す「過去回想型」と、将来の夢や希望を盛り込む「ビジョン型」の2種類がある。日本人の9割以上が過去回想型と言われるが、ビジョン型のほうが反応がよいので、意識してみる。
・自分にしかできないという属人性は、追求しすぎると、誰も代わりができないことで健康面などへの影響がある。稼働時間にも上限がある。自動化できる「収益事業」を早めに持つことも意識し、有事のための保険をきちんとかけておく。
○何があってもつぶれない「ビジネスモデル」の構築
・個人事業主にとっていちばん大事なことは、1日も長く事業が継続できること。何があっても倒れない、倒れてもまた立ち上がって事業を継続する、という覚悟が必要。「収益性」と「継続性」の両立を意識する。最もシンプルな方法は、既存顧客とどうしたら継続できるかを模索すること。
・自分にとって簡単なことが、他者から見ると「すごい!」と思われることがある。顧客のニーズがあることが前提だが、「好き」で「得意」なことが、他者から見て「面倒でやりたくない」ことなら、大きな参入障壁になる。
・記憶に残るような「(付加)価値」がなければ、次の仕事につながることは少ない。商品・サービスを設計する中で、「提供価値」を言語化することが大事。心理的、機能的、経済的の3つの価値を言語化したい。
・特に心理的価値は、模倣しにくいので重要。本質を理解し、言語化できれば、魅力が自然と高まり、「選ばれる存在」に近づく。変化の激しい時代において重要な役割を果たす価値が「わかってくれる」。顧客は、「自分の気持を理解してくれる相手から買いたい」という根源的な欲求がある。
・成熟期に入る前に自ら手を引くのも出口戦略。チャンスは導入期、成長期の事業参入。まだ、その事業の実力や可能性が一部しか知られていない状況で参入するのは比較的容易だし、ライバルも少なく、目立ちやすいのもメリットの1つ。
○仕事を呼び込み、回し続ける「セールス」と「マーケティング」
・事業内容をひと言で表現する「コンセプト」に落とし込むと、「プル型営業」を後押しできる。「誰に、何を、どのように」提供する仕事なのかをシンプルにまとめる。「優れたコンセプト」かどうかの判断基準はいたって簡単で、伝えた相手が「それいいね!」と自然と共感してくれるかどうかにかかっている。
・コンセプトの構成要素は「新規性」と「共感性」で、新規性はありすぎてもなさすぎても目に止まらない、共感性は「目のつけどころがいい!」「そういうサービスを待っていた!」といわれるもの。「顧客の声」をベースに導くのが最善。
・ファンがいるかが仕事の上で大きな差になる。熱心なファンは「仲間」=新規顧客を連れてくる。独立当初は「利便性・操作性」といった機能的な価値を評価してもらえるかが重要。その後、「期待感」「安心感」「親切度」といったものが徐々に浸透すると、関係がより良好になる。次に、望む価格で買ってくれる「理想の顧客像」を具体的に描く。そのためにはスペック的な情報以外に、顧客によって異なる「不満」「価値観」「決定理由」を洗い出す。
○「継続して儲かる仕組み」に参入障壁をつくる守備固め
・商標や特許など法律で権利を守る【隔離】、(いつの時代も有効な)同業者に「儲かりそうにないからやらない」と思わせる【無関心】、同業他社の常識を逆手に取りコンセプトをずらす【ジレンマ】、顧客の成功体験や自身の失敗談など唯一無二のエピソードで差別化する【ストーリー】、顧客同士が新たな価値を想像することを狙いとして模倣しにくくする【コミュニティ】の5つの戦略が、「儲かる仕組み」を守る参入障壁になる。
○プライベートを含めた「賢く使う・貯める・増やす」マネー
・確定申告近くで利益が出そうになった時に、経費で不必要な「大きな買い物」をする人は多い。短期的に税金は減るが、結局手元のお金が減るので、資金繰りが悪化したら元も子もない。
・経費を正しく把握する習慣を持たないと、5年後、10年後にそのツケが回ってくる。ひたすら売上を追いかける「売上至上主義」か、赤字になっても気づかない慢性的な「どんぶり勘定」に陥りやすい。月次でまとめると、経営状態の早期把握、目標達成の促進、スムーズな意思決定、収支バランスの改善、先送り体質の改善、スムーズな法人化、事業主としての自覚の芽生え・促進、といった7つのメリットがある。
○モチベーション&スキルアップ&心と体のメンテナンス
・現状維持に陥らないため、先輩や同業者の成功例の模倣(まずは追いつく)、読書(多読より「お気に入りの精読」)、定期的な情報発信(定期的>単発)、顧客と定期交流(本音を聞ける関係性を構築)、身につけたスキルや経験を教える(学習効果が高い)、自分に「意見してくれる人」を持つ(メンター効果)、他業界の成功の創造的な模倣、の7つの習慣を意識する。
・対話を通じて自分の考えを深める「壁打ち」を行うと、「モヤモヤ」していることが晴れる、頭の中で考えていたことが「言語化」できる、アイデアを聞いてもらい「率直な感想」が得られる、自分の中で「過度な思い込み」がないか気がつく、「いつまでに、何をすべきか」明確になる、目標達成のために「手放すこと」が見えてくる、「具体的なアドバイス」が得られる、という7つの効果がある。続きを読む投稿日:2022.01.04
読書の目的→個人事業主とは?必要なことは?何がお得なのか?を知ること。
個人事業主に限らず「継続して儲かる仕組み作り」はどのような形態の営利組織にも必要なことだと感じた。組織の在り方が違うだけ。
当初…の自身の読書の目的からはやや外れていた内容であったが、新しいプロジェクト、新規事業などのマインドセットやハウツーにも読み替えられてGOODでした。続きを読む投稿日:2024.02.22
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