知的創造の条件 ──AI的思考を超えるヒント
吉見俊哉(著)
/筑摩選書
作品情報
なにが知的創造を可能にするのか? 批判的読書や「問い」の発見などの方法論を示す。それだけではない。社会のデジタル化が進み、知識が断片化し、大学をはじめ社会全般で知的創造のための社会的条件が弱体化する現在、各人の知的創造を支える図書館や大学、デジタルアーカイブといった社会的基盤はどうあるべきか。AIによる知的労働の代替など、ディストピア状況が到来する可能性が高まるなか、知的創造をいかにして奪還するか――。知的創造の条件を、多角的かつ原理的に論じ切った渾身の書!
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この作品のレビュー
平均 5.0 (3件のレビュー)
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AIは連続的な出来事に関する予測は得意だが、非連続の事態には無力である。例えば、大災害・戦争・感染症など。
非連続に立ち向かう力こそが知的創造力で、それは人間にしかできない。この先AIがどんなに発展し…ても。。。
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逆に言えば知的創造力を必要としない職業は全部AIがとって変わるだろう。遠くない将来、世の中の大半が失業者になるだろう。(私は元々ニートなので高みの見物をさせていただこう/(^o^)\)続きを読む投稿日:2023.12.05
知力の大切さ、知力で働き、知力で生きていくことの大切さを痛感します。
それは今まで生きてきて、自分以外の一切すべてのどんなところとでも知力で生きて、コミュニケーションしていくことの大切さがわかるように…なりました。
自分自身みたいな精神的にも身体的にも到らない、おかしい人達であればあるほどに、余計に少しでも知力を養って、知力で働き、生きていけるようにしていく以外にはなかったです。
知力を養っていく方法とやり方として、自分自身では、少しでも〈記錄〉として、どんなことでも接していくようにしています。
「記錄」として接していくようにしていけば、少しでも余計なことを抱え込まないですみますから。自分が加害者や被害者にもならないためにも。
ニュースを読んだり、見たり、聞いたり、本を読んだり、社会や他人と接するときでもです。
はじめにー知的創造の条件とは何か
第1章
はじまりの一歩
第2章
知的バトルのススメ
第3章
ポスト真実と記錄知/集合知
インターネットは人をかならずしも賢くはしない。
主体性や判断力を備えていかなくては、惑わされたり、思い込んだり、余計なことを抱え込んだりしてしまう。
第4章
Ai社会と知的創造の人間学
この国の人々は「失敗から学ぶ」ことがほとんどできないまま、新しいブームに飛び込み続けるのです。
おわりにー知的創造の歴史的主体とは誰か
知的創造の時間は、惹かれたり、出会いのあった方々たちとの、今までの共通の思考、同じ方向を向いていました。そして自分自身、すでに六〇歳を過ぎ、人生の未来よりも過去のほうがずっと大きな割合を閉めています。
しかし、こうした次元とは別、というかこうした人生の時間に対して垂直に屹立しています。
知的創造の時間は、条件が整えられるならば、様々な地域、世代の人々が、時代の危機に直面するなかで、挑戦として編み出していくものです。その条件とは、本書で論じてきたような意味での出会いや対話、信頼を醸成する条件です。ある時は、それは小中学校での授業のクオリティであったり、子どもたちが享受できる自由の時間であったりするでしょうし、あるときには図書館やミュージアムから都市の中の劇場、広場、開かれた様々な文化的有知(コモンズ)の存在かもしれません。またあるときは、インターネットのなかで多様性や対話、過去の遺産の敬称や活用を可能にする仕組みでしょう。これらすべては、二一世紀的危機の時代の中での知的創造の条件として機能します。つまりそれらは、知的創造の主体としての〈われわれ〉が生まれる続けるために基盤なのです。続きを読む投稿日:2023.09.14
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