【感想】一人称単数

村上春樹 / 文春文庫
(144件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
15
56
47
10
4
  • ハルキらしさ

    8作からなる短篇小説集。
    これはエッセイでなくて小説なの?という作品(『「ヤクルト・スワローズ詩集」』)も含まれているし、作者の趣味嗜好が色濃く反映された作品が多いように思った。
    文体もすぐ作者と分かるもの。
    それでも、どの作品も飽きさせないし、特に『品川猿の告白』が面白かった。
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    投稿日:2023.06.14

ブクログレビュー

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  • 月食

    月食

    品川猿の話はなかなか面白いと思った。
    どうにも一編読んでから次を読んでいく気になれず、読破までかなり時間がかかった。

    投稿日:2024.04.29

  • セゾン猫

    セゾン猫

    村上春樹のいつものモヤモヤ短編集。が、ヤクルトと品川猿は面白かった。短編小説と認識して読んでいたら、ヤクルトでいきなり、エッセイとなりまた幻想の世界に入って行く。ウイズザビートルズは、オーディブルで聴いたので、ナレーターの下手くそな大阪弁が耳障りで頭に入らなかった。これは本で読み直しが必要。村上春樹の本は短編集よりエッセイがいい。続きを読む

    投稿日:2024.04.29

  • すすす

    すすす

    どの話もパッとしない、ボンヤリとしていて印象に残らない。特に自身の野球に関する思い出の話はつまらなかった。

    投稿日:2024.04.22

  • pedarun

    pedarun

    このレビューはネタバレを含みます

    【記憶に揺さぶられる今の自分とか。】
    8作の短編からなる。
    主人公の多くが過去を回想する―記憶を語っている。いろいろな設定で。勝手にあえて語る、ふと思い出したきっかけの出来事があり、語る、後日談と共に語る …

    記憶って、何をいつまで覚えているかも、思い出すタイミングも、思い出すかどうかさえも、
    自分で選べない不思議。
    その時どれだけ印象深かったか、みたいなのが因子なのだろうと思うけれど、その印象強さ自体が、一般化も出来ず、自分がコントロールできない域にあり、それが人間。

    行ったことない場所を一人歩いていて、
    ふと、旅先なんかで歩いた道とか、地域を思い出したりする。そしてその偶発性を楽しむかのように、またどこかに出かけてみるのかもしれない。
    未知なものへの好奇心も、そんな記憶から生まれるのかもしれない。
    内面が映し出される、意図せずに。

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    投稿日:2024.04.12

  • 浮世

    浮世

    このレビューはネタバレを含みます

    個人的に、非常に満足度は高い。読めば読むほど考えさせられる。何というか、得られる栄養素の多い短編小説集であった。
    本書では一貫して、「自己」について問われていたように思う。

    特に最終話、表題にもなっている『一人称単数』では、”私”は「自分というコンテントが、今ある容れ物にうまく合っていない、そこにあるべき整合性がどこかの時点で損なわれてしまった」感覚に陥っている。

    SNSが普及し、自らを”魅せる”機会が増えてきたこの時代、他者からの評価や話題性を原動力の源泉とし、自己の粉飾に勤しむ人も多い。しかし、バーチャルな世界での粉飾した”私”というコンテントが、容れ物としての、三次元に生きる肉体としての”私”と乖離し始めたとき、私という概念が、多重性を持つようになる。

    ”私”という一人称が、”複数”の意味を持つようになる。

    これはSNSに限らない。社会において、絶対的な ”私” は存在するのだろうか。
    単数としての ”私” はどこにあるのか。そもそも、 "私" は単数なのか。
    何が仮初めで、何が本質か。―――「いったい、私は誰なのか。」

    "私" という自己について、考えを巡らせる手掛かりを得られる一冊だった。

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    投稿日:2024.04.08

  • きりんぴよ

    きりんぴよ

    現実なのかそうじゃないのか、メッセージ性があるのかないのか、どこか曖昧でハッピーエンドというわけでもない結末でモヤモヤが残りました。
    村上春樹先生の本を初めて読んだのでこれが村上ワールドか!と知りました。
    様々な解釈ができ、自分について考えるきっかけになる本です。
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    投稿日:2024.04.04

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