【感想】夏物語

川上未映子 / 文春文庫
(241件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
77
88
40
4
3
  • 希望に向かう結末

    読み始めて直ぐに、ああ川上未映子だと分かる文章。
    ただ、全くどういう小説か知らずに読んだため、特に第二章でのシリアスなテーマに驚いた。
    全編通して、家族の絆とか、一市民としての人間の弱さとか感じたけど、希望に向かう結末でよかった。続きを読む

    投稿日:2022.01.16

ブクログレビュー

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  • 橙色の屋根

    橙色の屋根

    初めての川上未映子本。そしてどっぷり浸かるきっかけになった本。姉妹達の会話はテンポが良く、時に笑えてしまうくらい軽やかなのに、漂っている“生”は人間の深淵で、突きつけられる。気付けば“私”がこの世にいた。生きるとは、私とは、何か。考えることをやめたくない。続きを読む

    投稿日:2024.06.05

  • あきら

    あきら

    『あこがれ』に続き、未映子作品六作目。こ、これは凄い……。うまく言えないけれど『乳と卵』は勿論のこと『ヘヴン』『すべまよ』・・など、作者のあらゆる要素(※本当はすべてといいたいところだが、まだ六作しか読んでいないので…泣) が凝縮した作品。最後のあのシーンは何処か海を思わせた。寄せては返す波のような——。確かに、最高傑作でした!!

    ちょっと余談だけれど・・川上さんの文章で"初めて"村上春樹の影を見た。まあ彼女自身、ハルキストですから少しも可笑しくはないのですが…(^^;
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    投稿日:2024.05.26

  • こまっぺ

    こまっぺ

    40歳手前、自分と同年代の女性の物語。
    私は男性で、子供、出産に関してこういう感覚を持ったことはないけど、今を逃してもっと年をとったら出来なくなることがあるだろうなっていう感覚はわかる気がする。
    それが巻子の豊胸と夏子の出産だったのかなと思う。

    川上未映子さんの昨日を何作か読んで、仲の良かった女性同士がせきを切ったように口喧嘩しだすシーンが出てくることがあるなと思った。ハラハラしながら読むが、むき出しの本音が面白い。
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    投稿日:2024.05.11

  • ゆいゆい

    ゆいゆい

    このレビューはネタバレを含みます

    子供を産む選択、産まない選択、女性には色んな選択ができる。一人で育てるという選択もある。今の時代は本当に多様性の時代になった。

    自分の家族を振り返り、時には悲しい出来事を思い出し、時にはそんななかでも幸せだった瞬間を思い出しながら、前を向いて自分の子供に会いたいと、悩んだり行動する主人公の姿、今の時代あちこちそんな女性がいるのではないかな。

    印象的だったのは、善百合子の「子供は生まれたいと思っていない」と言う考え方。たしかにね、なんて思ってしまった。結局親のエゴでしかないのかもしれない。子供のことなんて考えていないのかもしれない。それでも会いたいと思ってしまうのはなんでだろう?

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    投稿日:2024.04.25

  • ことり

    ことり

    読めて良かったと思った。

    最初は何を見せられてるのか、よく分からなかったんだけど、話が進んでいくにつれてゆっくりと霧が晴れていく感じがした。特にラストの描写が凄く丁寧に細かく描かれてて、グッときた。泣きそうになった。

    善さんの話も的確で共感できた。善さんには絶対幸せになって欲しい。
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    投稿日:2024.04.24

  • 純白

    純白

    このレビューはネタバレを含みます

    生まれてくることを望んで生まれる子どもは誰ひとりとしていない。
    生むことは賭けで親のエゴ。
    シングルマザー、経済状況、善百合子の言葉。
    全てを受け入れ、出産を選択した夏子。
    物語の結末に戸惑っている読者も多いように感じましたが、私はこれは反出生主義について問われている作品だと考えているので、あの結末になったのは新しい選択肢を増やしたいという願いよりも、生むことにおける親のエゴだったり、賭けだったり、倫理的な問題をより強調させるためなのかな?とも考えました。
    生むことに子どもの選択権なんてものは元からないのだから、どの出産も親のエゴであり、傲慢さであり、夏子の選択はそれが強調されているだけであって、他の人と根本は何ら変わりないんじゃないかな。

    けど反出生主義について全人類が問いはじめたらほんとうに人類滅びそう。何故人間だけこうも答えのないところに閉じ込められる?知性があるから?
    だとしたら知性が高いほど滅亡への道へと進んでいくの種としては弱すぎないか…

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    投稿日:2024.04.12

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