【感想】ここは私たちのいない場所(新潮文庫)

白石一文 / 新潮文庫
(29件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
2
9
11
4
0
  • うーん,やっぱり

    好きな作家さんで,いまでも必ず読んでいるのですが,最近の作品はちょっと・・・。今回の作品は,特別な思いをもって,知人に贈ったものだそうなので,そういう点では,贈られた側は感銘を受けるのかもしれませんが
    なんか俗世から離れすぎている感じもあるし。
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    投稿日:2020.05.16

  • 相変わらず不思議な話

    作中、自分の心は自分で癒やすしかない、自分の好きな時代の好きな曲で癒やす、に感銘。
    早速試します!

    投稿日:2020.11.08

ブクログレビュー

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  • ナマケモノ

    ナマケモノ

    俗にいうと人生成功している主人公があっさりと自分の地位を捨てていき、周りの人間模様をとおして自分の心の動きを淡々と綴っています。主人この独りよがりとも見える人生観や死生観が妹の死のみが原因なのかは、そこまで影響するのかな、と疑問に思いました。
    喪失感で1人で生きる道を選び、世間的には成功して地位は得たけど、不意なことからそれを失ってもそこは喪失感がなくたんたんしているのがむしろ不思議でした。
    結末に向けて希望のような明るい未来が見えそうな予感がしますが、あくまでも主人公は淡々と事実を受け止めているのが悪く言えば素直じゃないねえという感じですが、だいぶクールだなと思いました。
    友人のしに関する心の動きはだいぶ共感してしまいました、、、、
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    投稿日:2023.03.01

  • take9296

    take9296

    順風満帆な会社員人生を送ってきた大手食品メーカー役員の芹澤は、三歳で命を落とした妹を哀しみ、結婚もしていない。ある日、芹澤は元部下の鴫原珠美と再会し、関係を持ってしまう。しかし、その情事は彼女が仕掛けた罠だった。自らの運命を変えた珠美と会い続けようとする芹澤。彼女との時間は、諦観していた彼の人生に色をもたらし始める─。喪失を知るすべての人に捧げるレクイエム。

    著者の小説を読むのは2作目。特殊な?導入さえ納得できれば、すんなり読み進めることができた。
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    投稿日:2022.11.27

  • cfj88116

    cfj88116

    結婚せずに一人で生きていくこと。会社に囚われないこと。子供のいない世界が描かれている。とても読みやすく、内容もあっさりしていて、澱みなく読み進められる。要所に主人公の哲学が語られるが、少し弱い気がした。物語が少し弱い。物語と主人公の持論とのつながりが弱く、故に語られる内容に深みが足りなく感じてしまった。続きを読む

    投稿日:2022.08.12

  • 1659690番目の読書家

    1659690番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    優しくて嫌悪すべきところはなくて、何だか2人の主要登場人物は、誰かの理想を込めて作られたような人たちだなと思った。気持ちよく読み進められた。随所に記された死生観も考えさせられる。
    でも、なんとなく、メルヘンみたいで現実感ないなーと思ったり…

    最後に解説を読んで、すごく腑に落ちた。誰かを励ます思いで創られたものか。優しい手紙みたい。解説を読んでから再読すると、また沁みてくる。

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    投稿日:2022.04.01

  • Akiko

    Akiko

    このレビューはネタバレを含みます

    読み終わったあと、「ここは私たちのいない場所」というタイトルの意味について深く考えた。白石一文作品って、タイトルが素敵だけど、これもタイトルがずっと心に残って、ずっと考えさせられる感じ。
    主人公の存実は幼いころに妹を亡くし、自身は妻も子供も持たないと決めている、大手企業の重役。ひょんなことから会社を辞めざるをえなくなるところから物語が始まる。そもそも簡単に会社を辞めてしまえるのも、妻子がいないから。彼はあくまでも家庭なんて持たない方が良い、という姿勢を貫いている。会社を辞めて日々何もすることがなくなっても、独り身がさみしいという感じはない。
    しかし、大学時代の友人ががんで急逝したり、会社を辞める原因を作った元部下と、浮気相手の女性との関係を目の当たりにしたり、出張先の海外で大きな事故に遭った友人の話を聞いたりするうちに、彼の価値観が変わっていく・・・というのが普通の小説なんだろうけど、この主人公の場合、まったく変わらない。不思議なのが、主人公の価値観は小説中では変わっていないはずなのに、読者の方の価値観が揺さぶられ、彼の価値観は変わっていないみたいだけど、果たして本当にそうなの?みたいな気分になってくることだ。
    彼はまったく変わっていないように見えて、いくつかの体験を通してやっぱり変わっているのではないか、この経験をする前と後では、違う人間になっているのではないか…。ここは私たちのいない場所?
    それから、「子供のいる世界」と「子供のいない世界」という区切りも出てきて、とても興味深く考えた。私は今「子供のいる世界」にどっぷりと漬かって生きている。子供を生まなければ、「子供のいない世界」で朝から晩まで働いて、平日の昼間に公園の滑り台の上から青空を見上げたり、飛行機雲を見つけて喜ぶこともなかった。確かに自分にも子供だった時代があるのに、それをすっかり忘れて。
    私たちは皆、同じ世界に生きているのに、そこかしこに「私のいない場所」「私とはまったく無縁の場所」がいくつも存在している。いないからそのことに気づきもしないのだけれど。

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    投稿日:2021.08.08

  • Mr.bkm

    Mr.bkm

    まさかの白川道の死を受けて、事実婚だった女性に向けて書いた小説。やはり、白石一文は、いい。2019を締めくくる最高の一冊でした。

    投稿日:2021.07.05

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