【感想】壁と孔雀

小路 幸也 / ハヤカワ文庫JA
(7件のレビュー)

総合評価:

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  • エラリー・クイーンをこよなく愛する小路さんが書いた北海道版ライツヴィル。

    警視庁のSPである英朗が亡き母の故郷、北海道来津平町(ライツビラチョウ)を訪れる。思いがけず祖父母と一緒に暮らす11歳の異父弟と出会い歓迎を受けるが次々と小さな事件が起きる。善良な人々の良心から出た小さな嘘が重なって問題が起きていく。閉鎖的な集落と小さな狂気というような雰囲気が小路さんのデビュー作と共通している。「後期クイーン的問題」と言われている「真の解決かどうか作中で探偵自身が証明できない」という点も良い意味の歯痒さとなっている。
    巻末おまけとして2008年の〈ハヤカワミステリマガジン〉に掲載された小路さんの本棚の写真とエッセイ付き。本棚の写真に打海文三さんの「ピリオド」が写っていて凄くうれしくなってハイテンションで読了。
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    投稿日:2017.04.24

ブクログレビュー

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  • Bookrium

    Bookrium

    小路氏には珍しいハードボイルド路線の作品。
    事件部分の背景やら犯人の行動やら、質的にいろいろ不満がありますが、人間を描いた部分は小路節が随所に出ており、プロットは△、人物造形は○という感じです。

    投稿日:2019.05.11

  • 黒い☆安息日

    黒い☆安息日

    このレビューはネタバレを含みます

    小路幸也の本ならではの味を貫いてほしかった。
    作者本人が希望したのか、出版社の依頼なのか、ともかくミステリーやハードボイルドを描こうとしているのは分かるが、全然そんな風になってない(と俺は思う)

    そもそも、この小説一番の読ませどころになってるはずの、少年が座敷牢に暮らす伏線なんて、ほったらかしやわ矛盾してるわ。自由に出入りできる座敷牢に暮らす血色のいい少年なんて伏線になるか!

    それ以外の伏線回収も荒っぽさが目立つ。オーラスどんでん返しのつもりだろうが、主人公の回想シーンにすぎなくて「えーようにも悪いようにも取れる、解釈は読み手のご自由」ってな放り出し方に見える。解釈自由は鬼手やなぁと思った次第。

    小路さんらしい優しい小説で、楽しめないことはないのだが、読み終わった後になんともケツの座りが悪い残念な気持ちがした。

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    投稿日:2018.02.28

  • m-t

    m-t

    現役大臣襲撃の際に足を負傷して休職中のSP土壁英朗。別れて育った母親の死と義理の弟の存在を知り、リハビリ兼ねて母の墓参りへ。そこで待っていたのは、数々の謎と事件だった。出会った人を初見で動物に見立てる不思議な癖というか力が。母の死の謎を解き明かせるか。続きを読む

    投稿日:2017.04.09

  • 23242324

    23242324

    SPの土壁英朗が幼い頃別れた母親の実家は、とある北海道の名家だった。労災休暇を兼ねて死んだ母親の墓参りに初めて行ったその名家には、座敷牢の中に佇む歳の離れた少年、父違いの弟がいた…。開拓時代の北海道の片隅で秘かに隠された秘密、それに纏わる謎と事件を、SPがお門違いの捜査を始めます。途中まで面白く読みましたが、最後の英朗の穿ち過ぎた謎解きは不要だった気がします。後味が悪くなりました。英朗は良識のある主人公だっただけに、人の親切や友情を素直に受け止めて欲しかったです。続きを読む

    投稿日:2017.04.03

  • kairi29

    kairi29

    小路さんの作品はやっぱりすらすら読める。主人公SPというか警察関係者にしては優しすぎて、そのまま信じてもいいのだろうか、とこちらが心配になった。都合がよすぎるというか、裏を読もうとしてしまうこちらがいけないんだろうな。続きを読む

    投稿日:2017.03.28

  • keroruu

    keroruu

    久しぶりの小路幸也さん
    東京バンドワゴンシリーズでちょっとお腹一杯の気分だったけど
    読み始めると、読みやすく、とんとん拍子に読み進められる
    ああ、面白いなぁと やっぱり面白かったなぁと。。。。
    未来くんが、元気で幸せに暮らしていけるように
    優しい大人がそれだけを考えて行動する姿に
    ミステリーで、ハラハラもあるけれど、安心して読めた
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    投稿日:2017.03.26

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