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有栖川有栖 / 角川文庫 (33件のレビュー)
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総合評価:
ツクヨミ
9
店もいろいろ、見せ方もいろいろ
火村シリーズの短編集。「店」にまつわる短編を5編収録しています。作品ごとに出てくる店もいろいろですが、事件内容や小説の長さ・形式なんかもそれぞれ異なっていて、一編ごとに違った味わいが楽しめます。 「…古物の魔」……骨董品店で店主が殺される。形式としては、オーソドックスな犯人当てといえるでしょうか。骨董品業界の豆知識もあって、楽しく読みました。この先骨董品集めにハマりそうなアリスが心配(笑) 「燈火堂の奇禍」……古書店の店主が万引きに遭って怪我をした。短めの作品ですが、結末の後味がよくて好みです。でも、この店主のこだわりは客としてはちょっと……。 「ショーウィンドウを砕く」……アリスではなく、芸能事務所の社長が語り手を務める倒叙もの。テーマの「店」が意外なところで生きてきて「おお」と思いました。ドラマ化もされた一編です。 「潮騒理髪店」……理髪店が舞台の、人の死なないミステリ。謎の真相は「えー」という感じでしたが、作品全体の雰囲気は収録作品中いちばん好きです。あの火村が夢見心地になるほどの理髪店、行ってみたいです。 「怪しい店」……怪しい店〈みみや〉の女店主が殺される。「古物の魔」同様オーソドックスなミステリですが、真相が明らかになる前にヒントが提示されて、読者も謎解きに挑戦できるようになっています(私は正解できませんでしたが……)。この作品にはほかにも怪しい店が紹介されていて、最後に出てくる隠れ家的な店は近所に一軒欲しいと思いました。続きを読む
投稿日:2017.01.10
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つたもみじ
8
店をテーマにした短篇集
店をテーマにした短篇集。サクッと軽めだけれど面白かった。「古物の魔」「燈火堂の奇禍」「ショーウィンドウを砕く」「潮騒理髪店」「怪しい店」安楽椅子あり倒叙あり、バラエティに富んだ五篇。「古物の魔」骨董品…店の雰囲気が良かった。骨董に対する価値は人それぞれだけれど、それ故に許せない事もある…というかなんというかあの女性客が可哀想だなと思ったり。表題作は他人の悩み事を聴く「みみや」での殺人事件。なかなかゲスい…被害者が。個人的には、何気ない日常と、人とのやり取りがほのぼのとしていた「潮騒理髪店」が好み。続きを読む
投稿日:2017.01.04
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衣兎
今年最後に誰の話を読もうかなぁなんて思っていたら自然と火村シリーズに手が伸びてしまった。 やっぱり私の中で火村とアリスのコンビが活躍するのを眺めるのは実家に戻ってきたかのような安心感があるみたい。 …今回は「お店」に纏わるミステリー話。 少し前に「宿」に纏わる短編集があったから何か趣向が似てるなぁと思ったんですけど作者さんもそう思ってたみたいですね。 この中なら「潮騒理髪店」が一番好きだったなぁ……ほぼほぼ毎回何かしらの殺人事件を解決してばかりの火村にもこういう時があってもいいと思う。 思考ゲームみたいな話ではあるのだけど、私は火村の考えた結論が本当だったらいいなと思いましたね、たまにはこういう誰も不幸にならない話もいいじゃないって。 他にも古物に魅せられてしまった犯人やら他人の不幸を覗くことを商売にしてしまった人やらまぁ色んな人が出てくるんですけど、「ショーウィンドウを砕く」の犯人に対しては何かこう……遭遇した相手が悪かったね、とちょっと同情してしまいました。 いや犯人なんだしやったことは決して許されることではないんだけど、でもまぁ……「何事にも上には上がいるんだなぁ」って感じの話ですよね、それがいい事であっても悪いことであっても。続きを読む
投稿日:2023.12.28
MO-FU
「店」を題材とした火村英生シリーズの短編集。 手がかりやヒントは結構大胆に提示されてるにもかかわらず、考えても真相に辿り着けない(お前の頭が悪いだけちゃうんけっていう感想は禁句)、しかしいざ謎が明かさ…れるとそのロジックに「なるほど〜」と納得してしまう。流石ベテランといった完成度だと思います。 今回の話の中だと「潮騒理髪店」がノスタルジックな雰囲気が醸し出されていて好みでした続きを読む
投稿日:2023.07.17
かんちゃん
有栖川有栖作品初デビューです。江戸川乱歩賞を受賞した荒木あかねさんが有栖川有栖さんの小説が好きでほとんどの作品を読み少なからず影響を受けたのではないかと聞いたので読んでみました。 最初に読むのに短編集…を選んだのは気軽に読めると思ったし登場人物がシリーズ化している方が良いかと思い選びました。 結果、この作品を選んで良かった。 5篇の作品とも味わい深く面白い。 それぞれに謎解きがあっさりしておりスッキリ読めます。次は是非、長編を読んでみたい。続きを読む
投稿日:2022.12.14
まきまきカタツムリ
店にかかわる短編5篇が収録されている。 1つめと、3つめはドラマになってた?なんだか、ききおよんだこのある話と展開で、読む気が失せて、読むのに時間がかかりすぎた…
投稿日:2022.10.15
sachichiii
このレビューはネタバレを含みます
「古物の魔」「燈火堂の奇禍」 「ショーウィンドウを砕く」 「潮騒理髪店」 「怪しい店」 それぞれに事件と、悲しかったりしょうもなかったりする動機が詰まっている。正直、被害者が悪いのでは?と思ってしまうこともある。 それでも、火村は加害者を許さないいし、追求の手も止めない。 最後の事件は特に、被害者に同情もできないし、かといって犯人が悪くないわけでもなく、ただ逃げようとする旦那も嫌で、モヤモヤしたまま終わった。 コマチさんが嫌ではないけど、なんか違うと思ってしまう。 5編共ちゃんとテイストが違ってよかった。
投稿日:2022.10.01
JINTA(じんた)
様々な店をテーマにした今作。以前宿をテーマにした作品もあってそちらも大いに楽しめた。さて今作はどうだろう。店と言っても千差万別。どうまとめるのだろう。なるほど、それぞれ味があって面白い。お気に入りは潮…騒理髪店。殺人は起きないが日常の謎に火村が出くわす。髪を切られている火村も面白かった。続きを読む
投稿日:2022.09.01
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