【感想】エイリアン通り(ストリート) 1巻

成田美名子 / LaLa
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
7
4
3
0
0
  • 成田美名子の傑作

    舞台は80年代のアメリカ、ロサンジェルス。ジャーナリスト志望のフランス人留学生のジェラールは大学生活に馴染めず生き詰まっていた。そんな彼が取材対象で大学内では超有名なシャールとヒョンな事から知り合いになり同居する事に。中東の富豪の息子という情報以外、謎に包まれたシャール。彼に付き従う執事のバトラーと謎の日本人娘の翼。生まれも人種も違う彼らの奇妙な共同生活がスタートする。。

    前半はシャールがいったい何者なのかという大きな謎を背景にアメリカのキャンパスライフを送る学生達がいろんな事件に巻き込まれるという話なのですが、後半になると今程知られていなかった中東やイスラム世界、アラブ世界の政治などが物語に絡んできます。当時は他の少女漫画とは一線を画すネタを扱うなと感心然り、大変面白かったのをおぼえています。

    本シリーズはキャラクターが魅力的で主人公のシャールは無論ですが、サブキャラの人物設定が俊悦で前巻までの伏線やセリフの回収が素晴らしく、かなりしっかりとしたプロットの元で作られていると何度も感心した覚えがあります。各巻でサブキャラの一人に焦点を当てた話が展開して行き、一話終わる度に主人公の人とのかかわり方が変わって行くという凝った作りになっています。

    さて本作品のお気に入りキャラですが、私の場合はセレムですかね。あの主人公シャールを食いかねないキャラの濃さは最高。エリア88のサキにも通じる漆黒の髪にヤラレました。

    久し振りに再読しましたが、今読んでも面白い。時代背景は如何ともし難いですがね。

    ※全8話の題名は全て有名な映画の題名をモジッております。
    続きを読む

    投稿日:2015.07.18

ブクログレビュー

"powered by"

  • NORIS

    NORIS

    2022.6.5市立図書館
    大串尚代「立ちどまらない少女たち: 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ」で、70〜80年代のコミックにも読むべきものがけっこうあるようだなあと目を開かれて、吉田秋生「カリフォルニア物語」に続けて借りてみた。
    舞台はロサンゼルス、主人公はアラブの富豪子息シャール(ミックスルーツ、容姿端麗・頭脳明晰)、カナダ出身で新聞部の貧乏学生ジェラール、ひょんなことでシャールのもとに住み込み料理担当の日本の少女翼を中心にほのぼのあり、事件あり、しんみりありで、コメディという形ながら、タイトルに有る通りそれぞれ「エイリアン(在米外国人)」である人物たちの心の奥底に秘めた複雑な感情や気遣いがふと垣間見られるふしぎな作品。何巻まであるのだろう...瞬間的に相手の苦境を見抜いてさりげなく助けをいれちゃえる有能すぎるシャールという人物・来歴にはまだまだ謎が多く、この先どう展開していくのか気になる。

    1 真夜中のカーボーイ(さまざまな出会い)
    2 アラビアより愛をこめて(シャールの従姉妹ナ−ディアの来訪)
    番外編:ロスの魔法使い(翼とのであい)
    予告編:エイリアン通り

    「真夜中のカーボーイ」は未見の映画で、あらすじを読んでみたけれど、それがこのエピソードとどうリンクしているのかピンとこなかった(むしろ先に読み終えた「カリフォルニア物語」の設定こそまさしく...だった)。たぶん映画をみればすぐわかるのだろう。

    巻末の高千穂遙の解説、これをすごい作品と説明するための文章が文化と創作について普遍的な原則を語っていて、よかった。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.05

  • asaitatsuya

    asaitatsuya

    電子書籍で手に入れて、20年ぶりに読み返してみた「エイリアン通り」。LaLaの看板作家として30年以上君臨した大御所・成田美名子の出世作である。連載時(1980年代前半)はアメリカを舞台にした少女漫画がほぼ皆無である中、当時の日本の若者が憧れた「アメリカのスクールライフ」のステレオタイプなイメージを鮮烈に描き切っている。この抜群のセンスの良さは、今読んでも色褪せることはなく、時代を超えた名作と呼ばれるにふさわしい作品だと言える。続きを読む

    投稿日:2016.09.22

  • ナオミ

    ナオミ

    初期作品なので絵も癖があってちょっと見にくかったり、話も分かりにくいトコがあったりするけど、キャラが魅力的。

    投稿日:2015.12.19

  • Chanrisa

    Chanrisa

    帰って来ることができる、何年たってもいつでも戻ってこれる「家」。別れを恐れるのは自分に繋がっていられる自信が足りないから。
    卒業を前にして、色々と考えさせられる良作。
    セレムが好きでした。

    全四巻

    投稿日:2015.05.19

  • higechobi3

    higechobi3

    CIPHERからはいった成田世界
    その基礎がここに構築されています。

    飛んだ設定だけど、少女漫画的なものだけでは収まらない「社会」を見据えて自分がどうアクションを起こしていくのか、青年期の成長を見ることができる。

    読むたびに何度も、思春期を思い出します。
    同世代の時にこの作品を読みたかったな。
    続きを読む

    投稿日:2014.10.12

  • ちょ

    ちょ

     古式ゆかしい少女漫画のヒーローが出てくる。
     うん。典型的でかっこいい。これを照れもなく堂々と書くために、舞台は海外だったりするんだろうか……日本人でこのヒーローはいくら少女マンガとはいえどうなんだろー。
     …………あれ? 少女マンガのヒーローに日本男児はなれないってこと?
    続きを読む

    投稿日:2013.03.21

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。