【感想】前巷説百物語

京極夏彦 / 角川文庫
(66件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
25
27
4
0
0
  • シリーズ四作目。はじまりの物語。

    上方から江戸に流れてきた若き日の又市が、損料商いゑんま屋に雇われ、双六売りから小股潜り、そして御行坊主として裏の渡世に身を置く事になるまでの連作短篇集。どうすれば誰も殺さず、死なせずに八方上手く治める事が出来るのかと、悩んで歯噛みして苦悩する若き頃の又市の青臭さが良かった。
    『旧鼠』は祇右衛門との因縁を描いた話。シリーズを読んでいれば結果も知っているし覚悟もしていたけれど、あっけなく次々と仲間達が死んでいく様は哀しかった。御行姿は弔いでもあったのだなと…ラストは、本当に、ただただ哀しかった。
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    投稿日:2015.01.02

  • 又市シリーズ4作目!

    又市のシリーズ4作目にして、時代的にはゼロという位置づけ。
    つまりは1作目の前の時代の話です。
    又市もまだ御行になっておらず、自分で仕掛けを考えたり、段取りをしたりしていません。
    何故、御行又市となり、裏の世界の住人となったかが描かれてます。
    このシリーズは1~3作と見事な仕掛けにスッキリする結末が売りですが、
    若き又市が思い通りに出来なかったり、予期せぬ助けのお蔭で生きながらえたりと計算づくではありません。
    でもそこに御行又市のルーツを見ることが出来、これまでの3作を楽しめた人なら間違いなく楽しめます^^
    1~3作を読んだ方にはお勧め!この機会に興味を持った方には1作目を進めします!!
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    投稿日:2016.07.20

ブクログレビュー

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  • ちなちな

    ちなちな

    最高!面白かった〜
    切ない読後感。旧鼠が「続巷説」の狐者異、「まだ生きるつもりかえ」というおぎんさんの言葉につながると思うとシリーズ構成の旨さに震えるし、犠牲になった宗右衛門さんに思いを馳せてしまう。

    御業の又市になる前の損料屋時代の話。
    若い又市もとても良い。本当に青臭く書かれているのがすごい。又市の御業乞食の原点がここにあった。

    読みやすい美しい文章はもちろん構成やキャラクター作りの旨さ、事件の面白さでぐいぐいその世界に引き込まれて物語に没頭してしまう。是非、初めは時系列ではなく刊行順に読み進めることをオススメ。極上の余韻と京極先生の職人技に浸れるはず。

    京極先生の本はレンガ本とか言われているけど面白すぎていつもあっという間に読了してしまうから分厚さに怯むことは一切ないな。
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    投稿日:2023.11.23

  • 弁天

    弁天

    久しぶりの百物語シリーズ。
    久しぶりすぎて前作の内容を思い出せない。シリーズものを記憶できなくなってきたのは年かもしれない。一気読みしたほうがいい。
    巷説百物語につながるのでどうなるかわかってはいるものの。呪術2期と同じでちゃんと楽しめる。又市が相変わらず照れ屋で優しくていいやつ。
    自分は散々青臭いと言われてきても、百介には絶対言わないところが優しい。
    そんな又市の青春が見られます。

    何度も書くけど、一作目の潔さが1番好きです。登場人物への感情移入はそこそこでいいのよう。でも続き読みますけどね。
    夏なので京極夏彦どんどん読みます。
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    投稿日:2023.08.03

  • ふうK

    ふうK

    2度目の読了なのに
    全く覚えがなかったので
    とにかく新鮮に読めた。
    こんなに面白かったっけ?

    京極夏彦の作品は京極堂シリーズから入ったので、
    時代もキャラクターも全く違うこのシリーズは面白くないって思い込んでいたのかな。

    ただ、最後の話はいただけない。
    人が死にすぎる。

    そこだけが残念。
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    投稿日:2022.10.01

  • gaia

    gaia

    最初はこんなに読みにくいの、大丈夫かなあと思った。
    でも他の人のコメントを読んで、これは途中で投げたら、勿体無いかもと読み進むうちに、どっぷりとはまってしまった。
    現代にも通じる人間の心理を、なるほどと思いながら読了

    辛抱強く読み始めることを勧めます。
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    投稿日:2021.09.25

  • 花嵐

    花嵐

    再読。巷説百物語シリーズ第四弾にして又市が御行の又市になる前の物語。再読というだけあってちらほらとは覚えていたのだがこのシリーズは何度読んでも感情が揺さぶられる。特に今作はまだ青臭い又市さんが語り部というのもあって、今までのシリーズでは分かりにくかった彼の根っこの部分がよく見えるようになっている。こういう下地があってこそあの又市さんになったんだなぁ…。続きを読む

    投稿日:2021.02.05

  • ちゃんまの

    ちゃんまの

    いやー、面白い。最後の旧鼠に至ってはホントに読むのが止まらなくなった。又市にあんな過去があったとは。続きが読みたいなぁ。

    投稿日:2021.01.26

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