【感想】カウンセラー 完全版

松岡圭祐 / 角川文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
3
7
8
1
0
  • 心は救うことができる・・・のか

    臨床心理士 嵯峨敏也の「催眠 完全版」第2弾です。
    万能鑑定士Qシリーズから、この本にたどり着いた人は注意が必要です。かなり残忍で陰惨な殺人シーンがあります。「千里眼」シリーズにも惨たらしい殺人は多々ありましたが、それでも映画のような、どこか架空の世界の出来事として処理できました。しかし、この小説は違います。私はしばらく続きを読めずにいました。
    少年犯罪に対する法の難しさ、無責任な匿名投稿が許されるネット社会の問題に考えさせられつつも、1番心にグサッときたのは親子関係の在り方かな。愛情をもって子育てをしているつもりでも、無自覚の虐待?もあり得るのだと気づかされました。改めて父親としての自分を省みてみましたが・・・ちょっと自信ないかも。
    探偵や警察が犯人を追いつめていく展開の小説と違って、主人公は臨床心理士の嵯峨敏也。カウンセラーとしての矜持と責任を示しつつ、従来のサイコミステリーにはあまり見られない、優しく温かく、そして救いの感じられる結末へと導いてくれました。

    「中国から帰ってきてから・・・」というくだりから、「千里眼 運命の暗示 完全版 クラシックシリーズ3」の後日譚としての位置づけでしょうか? 間違っていたらスミマセン。「岬 美由紀」の名が堂々と出てきて、ファンとしてうれしく思いました。
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    投稿日:2014.10.13

ブクログレビュー

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  • yuu

    yuu

    少年法、心理学、殺人犯の背景や心理
    私の興味があるところとぴったり重なる本だった
    あくまでも小説だな、と感じられる部分もあるけど、この著者の他の本も読んでみたくなったし、興味があるってずっと思っていたことの勉強をしたくなった続きを読む

    投稿日:2022.01.08

  • maki♪

    maki♪

    鑑定士Qのつもり(殺人が起きない推理もの)で読んでたら、おどろおどろしい殺戮現場にびびった~(@_@) ラスト、ちょっと強引な気がしないでもなかった??(もちろん子供たちのことは途中で出てきてたけど) イマイチ、嵯峨先生という人物像のイメージが成り立ってこないなぁ・・・続きを読む

    投稿日:2019.03.08

  • 2006takahiro

    2006takahiro

    カリスマ音楽教師を突然の惨劇が襲う。一家4人が惨殺されたのだ!犯人は13歳の少年だった…。法で裁かれぬ少年への憎悪を抑えられない彼女の胸に、一匹の怪物が宿る。一線を超えた時、怪物は心を食い尽くす!臨床心理士・嵯峨敏也は犯罪の奈落に堕ちた彼女を、そして凶行の連鎖を止められるのか!!続きを読む

    投稿日:2018.06.10

  • 林檎飴甘

    林檎飴甘

    このレビューはネタバレを含みます

    晴れやかな授賞式の舞台。
    音楽教師としての実績を評価された響野由佳里は、文部科学省からその功績を称えられ表彰されることになった。
    音楽に対して類稀なる才能を持つ由佳里は、演奏を聴くだけで演者の精神状態を見透かすことができた。
    独自の信念に基づいた教育方針が認められたことで、由佳里にとってはまさに晴れ舞台となった授賞式だったのだが。
    些細なことから父親と口論となった由佳里は、家族との会食の場を途中で抜け出してしまう。
    別れた直後、家族が惨劇に遭うとも知らずに。
    由佳里の家族を殺害した13歳の少年の態度には納得できないものがあったけれど、もしかしたらあんなものかもしれない…という気もどこかでしていた。
    有り得ないことではないと、どこかで認めてしまっていた。
    でも、少年の母親の言動にはどうにも我慢がならなかった。
    「もしかして、この母親の方が頭がおかしいのでは?」と思ってしまった。
    少年は日常的に母親の財布から現金を盗んでいた。
    窃盗罪で捕まらないかと心配する母親に、「あんた何言ってんの!」と言いたくなる。
    見知らぬ家族、子供も含め4人もの人間を殺害した息子なのに。
    謝って済むことじゃないだろうと、この母親は馬鹿なのかと。
    こんな親はいないだろうと思う反面、現実はこんなものかもしれないと思っている部分もある。
    嵯峨のように対象者に寄りそうカウンセラーばかりではないとは思う。
    自分では気付けない「歪み」は直しようがない。
    自分はまともだと、正常だからカウンセラーは必要ないと、そう思っている人の中にもきっと「歪み」を抱えている人は多いはずだ。
    ストレスを感じやすい社会だと思う。
    人間関係の難しさや、理不尽な処遇に甘んじなければならない状況も、きっとたくさんある。
    それでも、壊れていくのは嫌だ。
    何かのきっかけで誰にでも起こり得ることなら、出来れば一生縁のない生活を送りたい。
    カウンセリングの必要性を描きつつ、サスペンスとしての構成・展開、そして結末に至るまでが緊迫感にあふれていてハラハラしながら読み進んだ物語だった。

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    投稿日:2017.03.05

  • rickun

    rickun

    前作のようなどんでん返しもなく、ただただ凄惨で気持ちが重苦しくなりました。登場人物に感情移入してしまうのも書き手の力なんでしょうが… 文章のリズムや小気味よさも感じませんでした。

    投稿日:2013.03.07

  • sunday6blue

    sunday6blue

    臨床心理士が活躍するお話し。
    後から知りましたが「催眠」シリーズの第2弾ということです。
    第1弾を読んでいませんが、普通に楽しめました。

    物語のはじめの方で感じた違和感が、後の方で解決してすっきりして良かった。というのが今、思い浮かびました。

    途中、ありがちな物語かなーとか思ったりしましたが、思いすごしでした。
    面白かったです。
    続きを読む

    投稿日:2012.11.20

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