【感想】聖の青春

村山くんに対しての愛情が計り知れないほど深く、また彼自身の命を懸けた将棋への情熱・・・我慢していても涙が絞り出てきます。

感想
苦しんでももう一度人間に生まれたい。自分から苦悩の世界へ飛び込む。本当の昏さを知らなければ夜明けの明るさには気がつけない。

「かつて、村山聖（むらやまさとし）という棋士がいた。いまも将棋の世界で活躍する羽生善治（はぶよしはる）と同世代で、羽生が若いころ「東の羽生、西の村山」と並び称されたこともあったが、1998年に29歳の…若さで世を去った。この本は、村山の短くも濃密な一生をつづったノンフィクションだ。
　幼い頃から腎臓病を抱え、すぐに発熱していた村山だが、６歳の時に将棋に出会い、その奥深い世界にのめりこんだ。プロになり、将棋界最高峰の順位戦「A級」に昇格したが、膀胱癌が見つかる。
ー村山は22歳の頃、こう記している。「人間は悲しみ、苦しむために生まれた。それが人間の宿命であり、幸せだ。僕は、死んでも、もう一度人間に生まれたい」」
（『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 　の紹介より）続きを読む

めちゃくちゃ面白いと聞いていたけれど、その通りだった。師匠の森との関係や、ライバル羽生がかっこいい。

今まだご健在だったら・・・と思わずにはいられません。
「将棋の子」で筆者と棋士の距離感を少しイメージできた上で読めたのは良かった。この距離感だからこその名著だなと思います。

通勤電車の中で少しずつ読んでたけど、ついに読み終わってしまった。かなしい。めちゃくちゃかっこいい生き様を見させてもらった。。