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京極夏彦 / 角川文庫 (30件のレビュー)
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総合評価:
つたもみじ
2
彼岸と此岸の曖昧さ
短篇集。どの話も、ゾッとするような恐怖ではないけれど、日常にふと顔を覗かせる怖い話。『幽談』のように物語に織り込まれた据わりの悪さや、正体のわからない不気味さは少なかったが、それよりも、より身近なとこ…ろに潜んでいる恐怖が多かった。 本当に死んでいるのか、それとも生きているのか。彼岸と此岸のなんと曖昧なことよ。「過ぎた時は、死んだ今。記憶というのは、今の幽霊」 ラストの『先輩の話』だけは少し異質で、酷く切ないラストだったが、個人的には『凬の橋』『柿』に薄ら寒さを感じた。続きを読む
投稿日:2014.05.09
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ヒデ
「どうだろう。久し振りに来てくれたと云うのにこの有り様でね。屍と二人きりで留守番と云うのは気分の良いものじゃないだろうが、引き受けてくれるだろうか」 静かに冷や汗をかくような短編集。派手な怖さはない…が、不気味なシチュエーションと語り口で凄く不安な感情になる。各章の終わり方のうまさがさすが京極先生の筆致だった。続きを読む
投稿日:2023.03.20
タケ
短編集。幽談よりももっとこう怪談チックというか『死の世界』『あっち側』というのを感じさせる。でもどんな話だったか、と言われるとうっすらとしか覚えていないんだ…不思議… 『柿』は精神状態が心配になるよう…な話だった…。続きを読む
投稿日:2022.10.29
蛍烏賊@行き当たりばったり
久々にすっかりはまって「 」談シリーズ二作目、冥談 定番っぽい「冬」や、多分に予感のする「庭のある家」も好きですが、「カゼの橋」が一番好きでした。 今回は割と下賤な感じのお話多め、気温低めですかね … 椿は散らない。 ある日、咲いていた形のままぼたりと落ちる。 艶々した葉と毒々しいまでの紅さ。 弱々しくなって死ぬのが良いのか、ある日突然逝くのが良いのか 後者であれば、死んだことに気づいていないこともあるのではないかと思う。 生と死の間を隔てるものは意外に。 誰が死んで、誰が生きているのか…果たして誰も生きていないのではないか その紙一重な部分を覗けるか覗けないかで、予感だけでもういっぱいいっぱい。 見てはいけない、話しかけてはいけない。 もっていかれちゃうからね。続きを読む
投稿日:2022.08.15
馬南神空
あやふやな記憶についての物語が多く、ほとんどの話で、語り手のアイデンティティーに鬆が入っている。普通、この手の話はニューロティック・ホラーとか呼ばれる物語になるのだけれど、語り口やお話の構造はあくまで…も怪談。そのギャップが面白いというか、読んでいてどこか宙吊りにされてしまうような感覚がある。「予感」あたりが恐かった。続きを読む
投稿日:2022.04.11
花嵐
現代怪談シリーズ第三弾。短編集。このシリーズの他の作品は一度は読んでいたんだけど今作は初読。どの話も不思議で奇妙でちょっと怖かったり厭な気持ちになったりする。でも、その不思議さが愛おしかったり奇妙さが…愉快だったり、ちょっとした怖さにドキドキしたり厭な気持ちもユーモラスになったりする。そういったアンバランスさが面白くてまた読みたくなったりするんだろう。続きを読む
投稿日:2022.03.25
pogo
曖昧模糊とした幻想のような仄暗い短編集。さらにこれ10年ぶり程の再読で、幽かな記憶が呼び覚まされてなんだか遠い夢のような読了感。"庭のある家"が1番好き、椿の花は打首のように突然死ぬ。
投稿日:2021.09.23
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