【感想】バブルの死角 日本人が損するカラクリ

岩本沙弓 / 集英社新書
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
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4
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  • 一国経済と国際金融の両視点を合わせ持って

    リアルなマネー経済の現場感覚と歴史的な考証とが結び付いた説得力と面白さを堪能した。付加価値税はそもそも戦後欧州で輸出産業への還付目的でできたこと、アベノミクスなどと話を混ぜず整理する手法など、補助線の引き方の切れ味が見事でした。続きを読む

    投稿日:2013.12.20

ブクログレビュー

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  • kohamatk

    kohamatk

    日本政府の為替介入は、2000年までの累積が40兆円、小泉政権の間に42.2兆円、民主党政権の間に16.4兆円の規模で実施された。

    2012年秋以降のドル高の動きは、アメリカの新たな投資先が現れたと考える方が妥当であるとして、それはシェール・オイルであると推測する。

    レーガン、クリントン、ブッシュの2期務めた大統領在任期間では、1期目と2期目で為替政策が反転している。このパターンがオバマ政権でも起こるならば、2013〜2015年にバブルが形成され、2016年の任期終了前後に破裂する可能性がある。
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    投稿日:2015.04.28

  • bax

    bax

    [ 内容 ]
    消費税・新会計基準・為替介入・量的緩和の陰で国富は奪われ国益が損なわれる。
    消費税も新会計基準も表の顔と違う側面がある。
    為替介入でも国富はアメリカに流出していく。
    日本国民が必死に働いて生み出してきた富を掠めとっていく裏の仕掛けとはなにか。
    1%のグローバル強者に対抗して、99%の我々が知的武装をするための必読書。

    [ 目次 ]
    第1章 消費税というカラクリ
    第2章 税制の裏に見え隠れするアメリカ
    第3章 時価会計導入で消えた賃金
    第4章 失われた雇用と分配を求めて
    第5章 為替介入で流出した国富
    第6章 バブルの死角

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]
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    投稿日:2014.10.26

  • akihiraw

    akihiraw

    ボクが岩本沙弓さんを知ったのはいつだったろうか。記憶が定かではないけど、経済一辺倒の世の中に違和感を感じて、でも、TVや新聞のニュースで言っていることが分からず、いろんな本を読んで自分なりにもがいていたときに出会ったと思う。そのとき読んだ本は、確か、『経済は「お金の流れ」でよくわかる』。この本は、自分なりに腑に落ちた。

    岩本沙弓さんは、ボクの中では信用できる経済分野の一人。結局、巷にはいろいろな情報が溢れているけど、信用できる人を自分なりに選んでいくということが大切だというのがボクなりの実感。もちろん、100%信用しきってはいけないのだけど、やはり手すりは必要。その手すりを助けに、自分の理解を深めることが生きる知恵。

    本書では、最後の部分に岩本さんの現行経済に対する主張がある。

    ・日本は「世界一のお金持ち」でありながら、それを大多数の国民が実感していない、享受できていないという滑稽さがある。

    ・つまるところ、2001年から2011年に掛けての11年間で、日本は58.6兆円ものドル買い介入を実施したことになる。この使い道の内訳は公表されていないが、ほとんどは米国債の購入に当てられていると考えられている。2001年以降、平均すれば日本は毎年5兆円を越える米国債を買っていることになり、これは消費税1年間の税収の半分以上に当たる金額だ。

    ・アメリカの場合、中間層は凋落どころか消滅しかかっている。そして、日本でも景気停滞と物価上昇が同時に起こるスタグフレーションの恐れはもちろんのこと、中間層が没落するスクリューフレーションが進行しつつある。日本人の平均給与は、1997年は467万円だったのが、2011年は409万円まで低下している。

    ・残念ながらペーパーマネーだけに支えられた資本主義システムは、もはや限界に達しようとしているのではないか。これ以上、どれだけ紙幣を印刷したところで、劣化してしまった市場経済や資本主義経済の本質的な修復は不可能なのではないか。

    ・しかしながら、先進各国は金融緩和を続け、これでもかというぐらいの余剰資金を市中に流し続けている。アメリカを胴元としたカジノ資本主義の最後の最後のゲームが今まさに繰り広げられようとしている。

    ・節操の無い史上最大の資金供給を背景として、おそらく2013年から3年ほどは日本が牽引役となり、世界経済は未曾有のバブル期に突入するのではないか、たぶんそれが「資本主義最後のバブル」となるのではなかろうか。

    ・目先のバブル景気に浮かれるのではなく、おそらく2016年ころを契機として以降に訪れるであろう最悪の世界恐慌に備えて、内需ニッポンを作り上げる。今がそのラストチャンスであり、我々一人ひとりの考え方や選択にかかっている。
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    投稿日:2013.12.31

  • gotonorigoto

    gotonorigoto

    このレビューはネタバレを含みます

    大いに啓発された。
    図書館で借りて読んだのだが,購入したい。

    消費税の輸出還付金については,下請けいじめ的な問題として認識していたのだが,本書では,そもそも輸出補助金的役割が期待されていたのでは? という問題提起がなされており,そう考えると非常に納得がいく。

    ほかにも,なんとなく「おかしいよなぁ」と感じていたことが,著者の為替ディーラーとしての経験や統計の分析に基づく記述によって「やはり,そうか!」と膝を打つ思いになること再々。

    印象的な指摘のメモ

    消費税の税率だけを見ると日本は低いが,税収に占める割合を見ると1/4に近く,国際的にみると高い。(←この点に関しては,地方税もトータルで見ないとわからない気もするが・・・どうなんだろう?)

    「益金不算入制度」により,赤字企業として法人税を負担せず株主配当を行っている企業もある。

    ゆるやかなドル高誘導と急激なドル安の繰り返しによって,日本の富は流出し続けている。

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    投稿日:2013.12.23

  • yoyogi39

    yoyogi39

    景気対策も一部の人が恩恵を受けるだけでは国民生活は向上しない。とはいえ、日本が沈没しないためにも今の対策が必要だ。消費税率の引き上げも慎重に見極めなくては。

    投稿日:2013.11.27

  • けわた くーすけ

    けわた くーすけ

    Every man has his own reason.(人は皆それぞれの理屈を持っているものだ)Give the devil his due.(悪魔にも権利は与えよ)
    付加価値(消費)税、輸出還付金を採らないアメリカ。グローバル展開する日本企業は円/ドル建てを上手に使い分ける。為替介入はアメリカファイナンスの補助。日本の低金利が海外バブルの遠因。トリクルダウン理論(trickle-down theory)は、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」とする経済理論。日本の輸出依存度は40位くらい。シンガポール、香港(いずれも150%オーバー)、マレーシア(95%)などが高い。続きを読む

    投稿日:2013.11.19

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