【感想】重版出来!(1)

松田奈緒子 / ビッグスピリッツ
(144件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
43
48
30
1
1
  • 営業という仕事の楽しさを教えてくれる一冊。

    漫画を“つくる”ことを描いた作品は数多くありますが、“売る”ことに焦点を当てた作品はあったでしょうか。あ、「働きマン」の中でも描かれてましたね…
    1つの作品を売るために、どれだけの人が関わっているのか、どれだけの情熱が込められているのか…。モノを売り、ブームを生み出す。働くことの楽しさ、特に個人的には“営業”という仕事の楽しさを教えてくれた一冊です。続きを読む

    投稿日:2013.11.06

  • 謎がひとつ解けた

    「なんでこんなマンガが売れたのかわからない」--。こういう感じることはマンガに限らずある。「何でこの芸人が売れたのかわからない」とか。

    自分の感性に問題があるのだろう、年をとって自分はそういう感受性が鈍くなっているのだろう、と思っていた。もちろん、そういう面もあるだろうけど、そうじゃないかもしれない。

    このマンガは、「何故、売れたのか」という謎に、ひとつの答えを与えてくれた。その部分1巻のハイライトのひとつのような気がするから、読んでいただければ…と。

    たまたま見ていたテレビ番組で、新刊の移り変わりは非常に激しくて、本に出会うこと自体が奇跡、というようなことを話してた。だから、本は売る人の努力が必要なのだと。

    また、同じテレビ番組で、自分のお店である本を売りまくって、ブームに火をつけた地方書店のカリスマ書店員さんが、「そもそも必要のない本なんてない。売れないのではなく、売ってないだけ」というようなことを話していた。

    本が売れなくなることについて、誰のことかよくわからない“一般市民“が本を読まなくなっているから、とすることがよくあると思う。しかし、売る方は、本と出会う機会を増やす努力を、怠らずにしているのだろうか? そんな問いかけをしている、ような気がする。
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    投稿日:2014.01.18

  • 胸にズンと来るストーリー

    サンプルの第一話を読んでコメディタッチの漫画かな?と思って読み始めましたが、これがなかなかどうして、かなりシリアスで、第一巻は比較的ハートフルで気持良く読めましたが、二巻、三巻と読み進めると思いの他、重い話も多く、なかなかスッキリはしません。

    ですが、明るく元気で真面目で小動物的な可愛さからホッとさせられる主人公のキャラクターのおかげか、重くなりすぎず、それでものしかかるような圧迫感を感じる展開と胸にズンと来るストーリーに次を読まずにはいられない...、そんな作品です。

    ところで、タイトルの「重版出来!」は「重版シュッタイ!」と読むとのことですが、何度読んでも「重版デキ!」(デのところにアクセント)と読んでしまいます。
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    投稿日:2016.08.24

  • 売れるんじゃない、売るんです!

    怪我で競技生活を断念後、出版社に就職しマンガ編集者となった女子柔道選手が主人公。彼女のポジティブ思考や強運が周囲を巻き込み、悩める人達の問題を解決していきます。
    中でも、仕事に不満を持っていた営業マンが次第に仕事の面白さに目覚めていく過程は圧巻。いろんな立場の人達の連携によって仕事が成り立っているんだっていうのは、出版関係に限らずどんな業界にも共通していえる事だと思います。
    新聞や雑誌の書評で注目作品としてよく取り上げられていましたが、納得です。
    ちなみに、「じゅうはんしゅったい」と読みます。
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    投稿日:2013.11.05

  • 本を世に出すまでの苦しみと出した後の喜び

    ドラマからは入り、その後どっぷりハマってしまいました。
    登場人物のキャラ付けがすばらしく、こんな人いるな~からここまでの人はおらんやろ迄バリエーションに富んでいます。

    内容は他のレビュアーさんが書かれてるので割愛しますが、
    小熊という狂言廻しを通じて
     本を描く作家との距離、それを売る営業、販売店店員の熱意がびしびし伝わってきます。
    巻末のおまけマンガが良いですね~
    続きを読む

    投稿日:2016.07.16

  • 見た目より、まずは読んでみて。

    絵が…
    今どきこんな、(よく言えば)「味のある」絵のマンガは久しぶり。どう考えても一般向けには不利なはず。それでも各所で取り上げられ、アンテナ感度の低い自分にまで届いてくれたというのは、まだまだマンガ業界も捨てたもんじゃない。この本に出会えたことに感謝!
    まずは、本好きにお勧めするが、本以外の一般消費者向けのモノ作り・流通などに携わる人でも楽しめるはず。
    主人公、作中では存在感のある(体力的に?)役回りとなっているが、新人なので当然、会社を動かす力も、従って、物語を動かす力もない。しかしいつの日か、彼女が成長して、自分の物語を語れる日が来るのではないか。その日(最終回かもしれないけど)を楽しみに、もうしばらく付き合ってみよう。
    続きを読む

    投稿日:2014.03.06

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ブクログレビュー

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  • hono-Reyife

    hono-Reyife

    三月読む。必ず!
    いろいろな視野や気づきを頂けそう、、

    書店員さんが前のめりで熱く!面白いと勧めてくれたので、とても読みたくなった。

    たったひとり。
    売れるぜという自分の利益のためにただ押し付ける販売員ではなく、その顧客の嗜好を深く知り、いま読むべき、読むと道筋が開けるだろうという利用者想いの視点と書店員自身の経験と知識から渾身の一冊を差し出してくれる。
    そんな店員さんがいてくれれば、とても生きるのに前を向いて居られそうだ。

    そんな存在に出逢えてよかった!
    思い返せば、住む場所場所で、必ず数人地域サポーターと呼べるまちのお母さん、お父さん、お兄さんに出会ってきたなぁ。
    またあの街に会いに行こう。
    おにぎりセットとしあわせのお味噌汁を頬張りに。桜の咲く頃に。

    私も、だれかにとってそんな存在になれたらいいな。
    読んでくれたひとが輝ける。自ら輝きを放つはじめの一歩をそっと押せる。そんなきっかけづくりを叶える選書員になりたい。
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    投稿日:2024.03.12

  • saya

    saya

    このレビューはネタバレを含みます

    心ちゃんの魅力と社長の見る目の良さから始まり
    一気に心ちゃんにハマってしまう展開が好きだ。

    三蔵山先生のエピソードはとても好きだ。
    老化が理由であれば徐々にのことなので
    自分でも気づきにくいだろうし、
    心ちゃんが解決策を見つけてくれて本当に良かった。
    あのアシ以外はみんな良いお弟子さんたちだし
    デジタルに挑戦しようというのも偉いし
    五百旗頭さんもこれからは相談するよと言ってもらえて
    編集冥利に尽きるだろう。

    フィクションだからと流すべきところなのだろうが
    紙をヤギに食べさせるのはやめて欲しい。
    体を悪くしてしまう。捨てるよりよほど罰当たりな行為だ。
    換金してから寄付でもすれば良いのに。

    普通にハラスメントが出てくるが、業界的にはこんなものなのだろうか。
    締め切り破りにしても一般的な企業であればありえないことなのに
    なんとか原稿を取ってきて印刷機も止めさせて何とか入稿する
    というのももう古い慣習のような気がする。
    人気でもきっちり締め切りを守っている作家さんも当然いるわけだし。

    希望の部署に配属されず、それでも自分なりに一生懸命やっているのに悔しい気持ちは分かるが
    心ちゃんのことを知らずに勝手に女はいいよななどと
    言い出す根性が小泉の良くないところなのではと思う。
    書店員さんが本人に幽霊みたいというのは失礼極まりないが
    正直言い得て妙ではある。

    心ちゃんが何も知らなくて子供っぽいまっすぐさではなくて
    今まで自分の領分で積み重ねて苦労してきたからこそのまっすぐさなのが良い。

    面白い漫画が売れるとは限らない。
    人気商売のものはどれもそうだろう。
    本当は良いものはみんな売れて欲しいが。
    書店さんがはりきってディスプレイしてくれて、
    それを見て担当さんと作家さんが喜んでくれる流れが素敵だ。

    最終的に小泉が化けたのが気持ち良い。
    岡さんの奥さんがサインをもらっておいてくれるのもさりげなく良かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.18

  • につ

    につ

    このレビューはネタバレを含みます

    感想
    コマ割が独特だなぁ。出版業界の裏側が覗ける。

    あらすじ
    柔道一筋だった黒沢は怪我で柔道を諦め、出版業界でのし上がることにする。漫画の編集に配属され、作家の扱いや営業の努力など様々なことを学ぶ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.06

  • maiaki

    maiaki

    このレビューはネタバレを含みます

    どうして今までこの本を読んでいなかったのか激しく後悔。
    本が好きで、本屋が好きで、本にまつわるもの全てが大好きな私がどうして手に取っていなかったのか。
    まずは全巻読んで、ドラマのDVDもぜひ見るとしよう。

    この本では本を売る側の熱意が熱く描かれていたけれど、本当にその通りだと思う。
    作る人、関わる人全ての努力と熱意で私の手元にやってくる本たち。
    売れる本は愛されている、というセリフが作中にあるが、それもその通り、うんうんと大きくうなづいた。
    電子書籍も手軽で悪くないと思うけれど、やっぱりどうも紙の本の方が好きなんだよな。
    出版業界の不況や町の本屋がどんどん減っているなどのニュースが流れて久しいが、私は買う側、読む側からこれからも応援していきたいと思う。

    あと、私も徳を積んで運を貯めてみようと思う。
    不思議なことが起きるかはともかく、すごく気持ちのいいことじゃないかと思う。
    いいことを教えてもらった。感謝。

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    投稿日:2023.02.22

  • workma

    workma

    主人公の心ちゃんの真っ直ぐな生き方に励まされます!「いろいろあるけど、どこかに自分のことを待っている人がいるから仕事がんばろう」と思えました。

    印刷会社や、書店など、出版にまつわる人々のことも描かれていて、出版物に興味がある方にも、おすすめのマンガです。続きを読む

    投稿日:2021.06.05

  • hazel8483

    hazel8483

    柔道ひとすじに頑張ってきた心ちゃん。
    怪我でその道をあきらめたあと、
    就職したのは出版社。
    その理由が「漫画を見て柔道に憧れたから」
    だって!
    自分がワクワクしたように
    世界中の人をワクワクさせたい…
    ええやん、ええや〜ん。ベタだけど。

    で。お仕事です。
    編集部の営業さんって
    こうやって売り込みかけるんだ。
    漫画に限らず、他の出版物もだろうけど
    たくさんの人の手が橋渡ししてるんですね。
    そんな裏側も見れて楽しい。
    あと編集長が阪神ファン(笑)
    続きを読む

    投稿日:2021.03.19

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