【感想】魔法使いの弟子たち(上下合本)

井上夢人 / 講談社文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
2
3
1
0
0
  • ソルジャーブルーに思いを馳せる

     導入はパンデミック。ドラゴンウィルスと呼ばれる恐怖の感染症が甲府を襲う・・・というから、このままパンデミック後の世界が描かれると思ったら、比較的、狭い範囲かつ早期に封じ込め成功。しかし、このウィルスからの回復者より4人の特異能力者が現れた事によって・・・。 
     4人(実質3人)ともにいきなり「地球征服」とか「超能力部隊」などを思考する人ではなかったので、この先どのように生きるかが問題です。当然、世間は彼らをどう扱うのでしょう? 適度なアクションを含めつつ、あっと云う間の上下巻でした。
     少々、設定が大らか過ぎるような気もしますが、詳細な科学的・時事的背景は読みやすさと反比例?。 これはこれで読みやすくてよかったです。

     (余談) 竹宮惠子様「地球へ・・・」のミュウ(超能力者・ミュータント)を思い出しました(古い!)。ソルジャーブルー(ミュウのリーダー)のような存在がいないと、それこそはじめから破滅的な争いになってしまうのでしょう。異質なモノを受け入れるって、とても大変ことですね。
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    投稿日:2015.10.05

  • 壮大なスペクタル…

    こういう「SF」「ミステリー」
    「ファンタジー」ともつかない、
    ものすごいスペクタルな物語の
    書き手さんって、僕の中ではですが
    高野和明氏や、梅原克文氏と、
    この作者さんしか思いつかないなぁ。
    あれだけ荒唐無稽な話しを途中で
    ものの見事に号調させるとともに
    矛盾が生じぬよう、要所要所で
    キチンと話しを整理されている。
    同作者の「オルファクトグラム」を
    読んだ時も感動したけど、
    この作品も面白かった。
    絶望的か?と思えば、ラストは
    未来へ繋ぐ終わり方でした。
    好みはあると思うけど万人に
    お勧めの逸品ですね。

    ※魔法使いの弟子たちという表題が
     何となく、にくい演出とも言えます。
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    投稿日:2014.11.10

  • 未曾有のSFパンデミック

    極めて高い致死率で、爆発的に拡がった感染症は竜脳炎と名付けられた。
    竜脳炎から奇跡的に生還し、意識を取り戻した3人は、特殊な能力を獲得していた・・・

    特殊能力とパンデミックの関連は?
    そして彼らを取り巻く数奇な運命。

    まさしく魔法使いのように駆使される能力と、まさかの展開で、続きが気になり一気読み。
    パンデミックSFサイキックバトルとか、どれか一つキーワードにピンときたらおすすめ!
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    投稿日:2013.09.26

  • 一気に読みました

    とある病院から始まった『竜脳炎』と呼ばれる致死性の高い感染症。
    そして生き残った数人に残った奇妙な後遺症。
    どんどんと状況が変化していき、続きが気になって一気に読みました。
    文章もとても読みやすい。

    ただ医療系のパンでミックものを想定して読むと、ちょっと肩透かしをくらいそうです。
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    投稿日:2014.01.03

  • 最初から引き込まれます

    導入からいきなり事件が発生して主人公達が巻き込まれてと、トップギアに入るまでがかなり早く、
    すぐに物語りに引き込まれてしまいます。
    個人的には物語序盤がローペースな作品だと、クライマックスまで我慢できずに投げてしまう事が多いので、
    この作品はまさにそういう自分にはぴったりでした。

    内容としては、医療物というよりはSFアクションで、ミステリー要素は薄めですが
    ミステリーだと思って手にしても期待は良い意味で裏切ってくれます。
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    投稿日:2015.06.23

  • 危険なウイルスの大流行のきっかけを作り生き残ってしまったら?

    婚約者の木幡が脳の治療の為のウィルスを開発している落合めぐみは、婚約者と共にある老人の見舞いで病院へ来ていたが、突然怒り出した婚約者に病院から追い出され、家族が待つ自宅へと帰ってしまった。病院では、突然倒れた婚約者から致死率がぼぼ100%のウィルスが病院内へ広がり、バイオハザード。速やかな封鎖がなされたが、そうとは知らずに帰ってしまった落合めぐみからウィルスが静かに街へ広がってしまった。
    この作品の主人公は週刊誌の記者の仲屋京介は病院の取材で、婚約者と連絡を取ろうとしている落合めぐみと出会い、そして…。仲屋京介は落合めぐみが罹患していることに気づいて冷静な対応をしたが…。

    奇跡的に生き残ってしまった三人(仲屋京介、落合めぐみ、興津)は、広げてしまった事を悔やみ、何故生き残ってしまったのかと悩む。そして、危険なウィルス(ドラゴンウィルス)の竜脳炎の後遺症で、ある常識はずれの力へ目覚めてしまう話。


    感想としては、なかなか面白かった。三人がどうなっていくのか気になり、どんどん先を読みたくなった。誤字も少々あったが、展開が面白かったのでそんなに気にならない。
    時に主人公には好感が持てた。仲屋は感情を表に出すのが苦手で、努めて冷静(緊張&不安で冷静になる)、団体行動が苦手な性格なのだが、少しずついい方へ変化したようです。
    内容はトンデモ系のSFなんで、突拍子のない、トンデモ系が平気な人向け。後半が少々失速気味(内容も込み入っている)ので、後半とラストで賛否両論だろうなとは思う。
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    投稿日:2017.08.21

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