【感想】ぼくたちの家族

早見和真 / 幻冬舎文庫
(59件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
26
16
2
1
  • 「家族が機能している」

    「家があって、人が居る。」だけでは家族ではないんだ。家族の役割を演じていれば、家族というわけではないんだ。家族だからわかり合ってる訳ではないんだ、何も知らないんだ。
    家族が家族として機能しているか?幸せの尺度。

    各章毎に家族4人の一人が主人公として物語が進みます。と言っても、ラノベ風に一人称で「ぼく」「わたし」が変わるだけってチャチなものではありません。三人称ですが物語の主軸が、家族の「その一人」に移るのです。
    ですが、物語の時間軸空間軸があっちコッチに散乱して、分からなくなると言うことはありません。1つの物語がそれぞれの立場、気持ちを通して進むため、家族それぞれの生活や隠れた思いがスムースに語られていきます。それぞれの思いの擦れ違いも、読者には見えてきます。

    前半は兎に角、読むのが苦しい。辛い。でも、これはこの物語の家族が直面している気持ち、そのままです。共感してしまうため、苦しく、辛くどうしようもないと焦ります。
    あるところで希望の光が見え、その光と共に読んでいるこちらの気持ちも、とても楽になります。ここからは読み進めるのは困難ではなく、楽しくなってきます。早く先へと読み進めたくなります。
    でも4人家族なのに5章構成なんですよ。なんででしょうね。まぁ読んで下さい。

    物語の結末の方向性ですら知りたくない方は以下は読まないでね。(ネタバレってほどではないけど)





    世界がひっくり返るような大きな奇跡は起きません。
    でも、この位なら普通にあるよねって小奇跡は期待して良いかもしれません。
    それ位は起きて欲しいと期待しながらじゃないと、前半辛いですもん。


    ※追記
    表紙はアイコンだけです。
    電子書籍本体にこの絵柄の表紙は付きません。
    寂しい文字だけの表紙です。
    折角買ったのに表紙が無いって哀しいですよね。カバーが外れ、表紙も破れて丸裸になった古本を読んでる気分になります。
    続きを読む

    投稿日:2017.12.02

ブクログレビュー

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  • おん

    おん

    大学で借りた。
    一見ありふれた家族だったが、様々な視点から、それぞれが家族に思うことが書かれており、成長していく姿が良かった

    投稿日:2024.04.13

  • mo12ino

    mo12ino

    ローン月25万はキツい、年に300万?
    おそらく金利も高かったんだろうから元本もあまり減ってないとか、嫌すぎる
    バブル期にローン組んだらそうなってたらしい
    一人の視点じゃなくて、家族それぞれの視点が切り替わって進む
    どう決着つけるかわからなかったけど、最終的に収まるところに収まった感じ
    安心して読めた
    続きを読む

    投稿日:2023.11.23

  • be-san

    be-san

    こんな、ある意味「ベタな話」で泣かされるとは(^ ^;

    物忘れが酷くなってきたな...と思ってたら、見る間に言動が怪しくなる母親。医者に行ったら脳に腫瘍が見つかり「あと一週間」などと宣告され... この大事件をきっかけに、バラバラだった家族が協力し合うようになり...と、あらすじを書くとホンマにベタやな(^ ^;

    ドラマや小説などでは、何十年も前から繰り返し取り上げられてきたであろう題材で、敢えてバラしてしまうがハッピーエンドなストーリー展開。だが本書には、そんじょそこらの薄っぺらなドキュメンタリーを凌駕するような、圧倒的なリアリティがある。

    誰一人スーパーヒーローは出て来ない。むしろ問題から目を背けてばかりいる、欠点だらけの人間しか出て来ない。家族の中だけではなく、社会的にも「成功者」とはとても言えない面々だし、斜に構えてたり嫌味ったらしかったり、人間的にだって魅力的だとは言いがたい。

    それでも、一つの目標に向かってそれぞれがそれぞれの道で、方法で、解決に向けて足掻き始める。ある種「都合のいい」奇跡に助けられたりするも、その「奇跡を運んでくる人々」にもそれぞれの歴史とストーリーがあり... そう、本作は主役の一家「以外の」人々がとても魅力的である。

    文庫版巻末の解説が秀逸だが、「昭和的な家族観」などとっくの昔に崩壊している...ということを、若い作者が見せつけてくる一冊。それでも、家族ってのはやはり、良くも悪くも「特別な」存在で。そして決して「安定した」ものではなく、だから今を笑って生きなければ、という力強いメッセージが底に流れている。

    病気になった母親の、若い頃の台詞に「幸せかどうかなんて、死ぬ瞬間にならないと分からない」という一節が出てくる。若い女性が口にするには、何か達観したような、らしくない言葉に見える。が、この台詞が、この考え方が、実は後からじわじわと効いてくる。

    私自身、身近に「壊れた人」を見たことがあるからか、「他人事」として読むのは難しかった。私自身「最近物忘れが激しい」し(^ ^; 

    本書は、誤解を恐れずに言えば「ある意味『宗教が与えてくれる救い』を得られる」一冊である。ホントに、人生変わる読者が出て来ても不思議ではない。それだけの「力」がある話である。
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    投稿日:2023.10.30

  • takahiro

    takahiro

    こんなエンディングになるとは当初は全然思わなかった。良い医者に罹るかどうかが生死を分ける。その前に病気になりたくないけど。

    投稿日:2023.08.06

  • ƙの偏愛

    ƙの偏愛


    お父さんがちょっと抜けてて肝心なとこで頼りなくてかわいい。
    学生のときに出会っていたら読書感想文の本として絶対選んでたと思う。

    投稿日:2023.07.23

  • さくら

    さくら

    母の物忘れからはじまり、どたばたと家族が追い込まれていく。
    なんだかすごくリアルで読みすすめながら怖くなったけど、家族のありかたを考えさせられた。
    俊平の明るさにだいぶ救われた!

    投稿日:2023.07.08

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