【感想】死にぞこないの青

乙一 / 幻冬舎
(505件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
75
160
176
44
7
  • あなたはどう思う?

    書籍説明には書き下ろし長編小説とありますが、ガッツリ長編小説を読みたい方は、きっと物足りないのでご注意を。
    少年の視点で語られていくので、スイスイ進むし、恐らく1時間以内に読めてしまいますよ。

    気が弱く引っ込み思案のマサオは、5年生で新卒・新担任の羽田からスケープゴートにされてしまいます。
    マサオは素直で優しい男の子なので、そんな理不尽な羽田の仕打ちに戸惑い、それに影響されて自分から離れて行ってしまったクラスメイト達を責めるのではなく、『自分が悪い子だからいけないんだ』と自己否定し、自分を追い詰めてしまいます。

    私には、『こんなこと現実には有り得ないよ~』と笑い飛ばすことが出来ませんでした。
    無さそうで有りそうな感じが本当に怖かったです。

    大人にも子供にも読んで欲しいな~。そしてあなたが読了後どう思うか、それを知りたいです。

    最後に…いじめって格好悪いよね。
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    投稿日:2016.04.15

  • 不思議な感触

    こんな教師が、本当に存在してるなら、たまらない。冷静に壊れていくマサオがいたたまれない。後半は、少し雰囲気が変わって、悲惨なままじゃない最後を迎える。そして不思議な余韻を残してくれる。

    投稿日:2017.04.16

  • アオの正体とは!?…

    控えめな少年の何気ない
    日常が、担任教師の心無い
    言動がエスカレートしていき、
    少年の目には「アオ」が見えだす。

    アオとは何者か。
    この担任教師はどこまで
    クソ野郎なのか。

    ややイライラする語り口の文体で、
    モヤモヤしながらもサラッと
    読んでしまった。

    アオの正体はアレだったのね。

    この作者さんの文体って、ホント
    特徴的ですよね。
    他にこんな文体の書き手って
    読んだことないな。

    多分、苦手な人はまったくムリ
    でしょうね。

    僕も本来、こういうの苦手
    なんですが、この作者さんに
    限ってはOKなのが自分でも
    不思議。

    高専出なのに小説家、
    いい感じです。
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    投稿日:2019.07.31

ブクログレビュー

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  • 溺夢

    溺夢

    このレビューはネタバレを含みます

    図書館で何となく見ていて、タイトルに惹かれて借りた本。想像していた以上に面白かった。

    小学生特有の、狭くて窮屈な思考に陥っている様子が、手に取るように分かって、苦しくなった。小さな世界から抜け出せなくて、誰かに助けて欲しいけど、誰にも言えない。自分が悪いのだと思い込む。そんな主人公がこれからどうなっていくのかと、ドキドキしながら読んだ。

    今、苦しくて辛い思いをしている小学生に読んで欲しい本だと強く思う。
    主人公は、最終的に青の正体のようなもの、つまり自分の精神状態に気づけて、言わば極端で脅迫的な思考から抜け出すことが出来た。でも、今苦しんでいる小学生は、自分を苦しめているものについての解決策とか対処法、自分の精神状態の異変に気づけなくて、自分がどんな状況に置かれているのかを理解出来ないことが多くあるのでは無いかと思う。大抵は時間が経ってから知識が増え、「ああ、自分はあの時これに苦しめられていたのか」とあとから理解する。でもそれでは遅すぎる。だから、この本を読むことで、自分を客観的に見て、早く気づいて、苦しさから解放されて欲しいと思う。
    この本では、主人公は誰にも相談せずにいじめと戦った。しかし今苦しんでいる人は、誰かに話して欲しいなと強く願う。
    自分の話になってしまうが、私は多分小学生の頃、強迫性障害になっていた。何度も同じことを考えて、何度も同じことをして、死にたくなるほど辛かった。でも、強迫性障害という概念を知らなかった私は、自分がおかしいと思って誰にも話ができなかった。思うに、小学生は、周りにいる人からどう思われるかを凄く気にしていて、大人が思っている以上に繊細で、本当のことがなかなか言えない時期なのでは無いだろうか。大人になったら、小学生の頃の心の機微なんて忘れてしまうだろうし、同じ目線に立つのは難しいことなのかもしれない。でも、先生や親は、分かってあげて欲しいと思う。
    この本は、小学生と関わる人にとっても、小学生の頃を思い出せてくれるような本である。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.20

  • 粒谷@読者垢

    粒谷@読者垢

    気弱な小学生が担任の先生に目をつけられ、いじめのターゲットにされる話。


    起承転結の転までが長く、鬱々とした展開が続く。そして割とあっけない結がやってきて少々置いてけぼりを食らった気分になる。
    乙一先生の本は何冊か読んだが、本当に乙一先生が書いたの?って言いたくなる位微妙だった。

    非常に失礼な言葉を借りると毒にも薬にもならない小説。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.18

  • おびのり

    おびのり

    またしても土瓶さんが覚えていない作品を発掘してしまった。
    あとがきによると 本当に好きなものを自由に書いてしまった小説らしい。
    おとなしめのどのクラスにも数人は居そうな心優しい少年。
    教室でそっと生きていたかったのに なぜか担任教師の標的となってしまう。
    担任は、大人の弱さだね。
    自分のクラス運命の潤滑油として彼を使う。
    彼を底辺として扱うことで、他の生徒の反抗を抑え、団結に導く。
    現実的にこういう大人が存在するのがホラー。
    教室内の蟻地獄にずるずるはまっていく感じがうまいなあと思う。
    “死にぞこない”の男の子青は、少年の幻想であり、彼自身の意思だよね。
    優しさだけでは社会は生きていけないのです。
    復讐という意思表示。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.11

  • ナマケモノ

    ナマケモノ

    主人公に感情移入してずいぶん引き込まれました。
    この、はっきりとしたあからさまな身体的な暴力でもなければ徹底的な無視でもなくて休み時間には共に遊ぶけど他は皆からの視線が馬鹿にされた様な扱いだったりどこか冷たい気がする、、、って。これが平成や今のイジメなのかなと思いました。自分の経験と少なからず重なります。
    決めてがないから誰も罰せられる事はないけど、じわじわと集団で苦しめられていく感じ。無言の同調圧力。そのあたりの表現がとても緻密で好きでした。
    アオに自分の本とを自覚させてもらい救われたのと
    羽田先生も最後は自分の弱さを認めてくれて
    それがせめてもの救いだった。実際なら最後の最後まで認めてくれないオトナばかりだと思いますがそこは物語としてハッピーエンドでよかったと思いました。新任の一生懸命やってもこれなら、しょうがないじゃない、ってあっけらかんと笑える感じがとてもホッとしました。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.04

  • はも

    はも

    小学生の頃、いじめられていた時にこれを読んでスカッとしていたことを思い出した。主人公のマサオ?と私は太っていたり鈍くさいところも似ていてシンパシーを勝手に感じていたものだった。マサオにできるんだったら私にもできる、と勇気を貰った。続きを読む

    投稿日:2023.08.04

  • のり坊

    のり坊

    つまらん。
    最近の流行りだろうか?主人公を子供にして、責任をその子に負わせる。「何せ、子供のする事ですから・・・・」と

    投稿日:2023.07.10

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