【感想】コフィン・ダンサー 上

ジェフリー・ディーヴァー, 池田真紀子 / 文春文庫
(66件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
13
28
19
1
0
  • 良くできたハリウッド映画的エンターテイメント

    暗殺者とそれを追う専門家チームとの追いつ追われつの物語です。両者が暗殺とその阻止・逮捕という目的に向かって、知恵を尽くして対決する姿は、見せ場も多いストーリーで、読者を飽きさせないでしょう。まさに良質のハリウッド映画を小説上で再現しているようです。
    その一方で、どんでん返しが売りの作品ですが、読者に推測させるという意味での伏線がないので、実は登場人物AはBが化けていましたとか、証拠物件Cは犯人のDの意図のために残されていた、といわれても、作者の造った箱庭世界で遊ばされているだけのような不満が残ります。
    また、登場人部の描き方が表層的で、ロボットのような印象を与えます。映画なら、これくらい分かりやすく図式化したキャラクターにする必要があるでしょうが、これだけの分量の小説ならもう少し掘り下げることを期待してしまいます。
    全体として、優れたエンターテイメントで面白く読めますが、長く記憶に残る作品ではないと思います。
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    投稿日:2015.06.30

  • 殺し屋VS科学捜査

    精神が病んだ殺し屋が犯罪裁判の証人たちを殺していく物語。リンカーン・ライムたちの捜査でそれをいかに防ぐのか?
    スリリングな展開が面白い。それぞれが裏の裏をかく、あと一歩で犯人を捕まえるところまでいくのに逃げられる。
    この殺し屋、拳銃、ライフル、爆弾などに精通しているだけでなく、第六感があり、寸前のところで逮捕されない。
    なぜ、警察犬で追わないの?と疑問に思うところもあるが、まあ科学捜査で捕まえなければしょうがないか
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    投稿日:2016.04.09

  • つかまりそうでつかまらない頭のいい犯人が相手だ

    リンカーン・ライムシリーズ第2弾。
    今回は犯人が最初からわかっているため、犯人探しの楽しみはないが、かなり頭のいい殺し屋とリンカーンとの知恵比べの勝負が見処。
    まだ上巻なのにクライマックスを思わせる緊迫感。
    もう終わりそうな気配なんですけど、下巻はここからどう発展するのでしょうか?
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    投稿日:2016.10.11

ブクログレビュー

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  • highriver

    highriver

    文春ミステリーベスト10の1位発表を見て、リンカーン・ライムシリーズの記念すべき第1作「ボーン・コレクター」を読んだのが2000年。それから約四半世紀の時を経てシリーズ第2作となるこの「コフィン・ダンサー」をようやく読んだ。キャラ設定など覚えているはずもなく、ほぼ新作のつもりで読んだが噂に違わずとても面白かった。

    リンカーンは安楽椅子探偵ならぬ車椅子探偵だ。しかも最先端の機器を駆使して超微細証拠物から科学的な推理を行う。この一見「静」にも見える行動は非常にアクティブで「動」的だ。またアメリアを始めとする動けるキャラクターたちも銃撃戦はあるわ、飛行機は落ちそうになるわで全てが「動」に満ちた作品になっていて、安楽椅子探偵ものという事を忘れそうにさえなる。そして最後までどんでん返しが続くところも巧さがあり、長期シリーズ化されているのも頷ける内容だ。

    安楽椅子探偵もので有名どころといえばミス・マープルや隅の老人か。私は歴史系の安楽椅子探偵ものが好きで「時の娘」や高木彬光の「成吉思汗の秘密」はお気に入りの作品だ。
    リンカーン・ライムは既に安楽椅子探偵の代表の一人になっているようなので、これから他の作品も読んでみようと思う。
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    投稿日:2024.04.18

  • NORAxx

    NORAxx

    やっとヒボさんを追ってリンカーンライムシリーズ二弾、コフィンダンサーを手に取りました。
    棺桶が踊ってるのか、棺桶と踊ってるのか、はたまた「棺桶ダンス」という頭の上で手を三角に作ってにょきにょきするニュージャンルカルチャーなのか、タイトルだけでなんかもう脳内がブラック企業。
    本書内では「棺の前で踊る」だった。棺の前でにょきにょき....悪趣味よね。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーー
    始まりはフィリップハンセン事件
    悪事の証拠がたんまり詰まったダッフルバックを破棄したハンセンが目撃者三人を抹殺するために殺し屋を雇う。惜しくも一人は亡くなったが、残りの二人をプロの殺し屋ダンサーから守るため、ライムはロン・セリットーから確保の手伝いを頼まれる。
    珍しく乗り気(ではないが割かしあっさり頼みを承諾した)ライムだが、どうやら過去にダンサーとの因縁があるらしい。
    「見られたから殺す」という過激派ジャイアン思考のハンセンの動機でライムvsダンサー第二幕が始まった。

    ライムとサックスは前作を引き継いで、早速仲睦まじい姿を拝めるのだが...やはりしっかりギスギスする。
    捜査となると鬼のライム。彼の手足となるサックスはそりゃもうたまったもんではない同情する。
    だが、仮にライムの手足が動けばそれだけ必死に動き回るであろう事をサックスもわかっているのだろう。無茶な移動を要求されようが、爆発に巻き込まれようが、チャラい警官に品の無いナンパをされようが、彼女は諦めない。
    中々頻繁に、そして強めに悪態は着けど、彼の信念を尊敬しその為に動く事に誇りを持っているように感じる。良い関係ですね

    上巻はリモートチェスでもしてるのかと言わんばかりの裏のかき合いで平行線のまま幕を閉じた。静かだが壮絶な戦いのせいで忘れかけていたが、目撃者二人の運命と小物感強めな黒幕ハンセンの行く末も早く見届けたい。
    何よりも毎朝剃刀負けした顔で出勤する私の最推し、ジェリー・バンクス青年の事で頭がいっぱいなので早く下巻を召喚したいと思います
    ーーーーーーーーーーーー

    【お知らせ】
    久々の投稿、最後まで読んで下さりありがとうございました┏○
    投稿頻度とログインが激減したにも関わらず、、いえ、自惚れかもしれませんが、いつも久々に投稿すると温かいコメントをくれる皆さんに申し訳がありません。私としてはどんなに間が空いた投稿でも
    「あ、いたねこんな変態 またくだらん事書いてはるわ(ノ´∀`*)ぷーくすくす」といつも通り軽めに楽しく読んでいただけたら幸いです。
    読書とここのレビュー漁りはやめまてん(´;ω;`)ちゅきだから
    これからは何事もなくひょっこりはんするので何事もなく流し読んでくださいでもォォ!忘れないでくださいね(´;ω;`)
    NORAxx
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    投稿日:2023.10.15

  • ヒボ

    ヒボ

    このレビューはネタバレを含みます

    久々(約7ヶ月ぶり)にリンカーン・ライム&アメリア・サックスと再会。

    そうです、リンカーン・ライムシリーズ第2作です。

    シリーズ第1作となる「ボーン・コレクター」をNORAxxさんにオススメ頂き、猟奇と狂気を併せ持つ知能犯とのスピード感満載の対決に興奮しながら読み終え、シリーズ続編を続々と購入し得意の積読と化していましたが、上巻を読み終え、積読にしていたのを後悔させられる程にやはり面白い。

    今作でライムとサックスが(上巻ではまだそこまでの直接の絡みはありませんが)対峙するのはコフィン・ダンサー(棺の前で踊る男)と呼ばれる殺し屋。

    なにやら警察官時代のライムと因縁めいたものも...

    そして始まった知能戦。

    45時間の戦いに勝つのはライムとサックスなんでしょうが、上巻では残り24時間までが描かれています。

    前作程のグロさはありませんが、変わらずの疾走感と痺れるような知能戦は私を寝不足へと誘う悪魔の囁き。

    下巻も楽しみに読み進めます。

    説明
    内容紹介
    四肢麻痺の元NY市警科学捜査部長と女性警官が「棺と踊る者」と呼ばれる凄腕の殺し屋を追う。智力をつくして見出した意外な正体
    内容(「BOOK」データベースより)
    FBIの重要証人が殺された。四肢麻痺の科学捜査専門家リンカーン・ライムは、「棺の前で踊る男(コフィン・ダンサー)」と呼ばれる殺し屋の逮捕に協力を要請される。巧みな陽動作戦で警察を翻弄するこの男に、ライムは部下を殺された苦い経験がある。今度こそ…ダンサーとライムの知力をつくした闘いが始まる。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ディーヴァー,ジェフリー
    1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻、雑誌記者となる。大手の法律事務所で弁護士として働いた後、40歳にしてフルタイムの小説家となる

    池田/真紀子
    1966年東京生まれ。上智大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.11.10

  • みんみん

    みんみん

    ブックオフで購入
    きっと前の持ち主は手に汗握って読んだのでしょう
    何ページか分解しそうな傷み具合( ̄▽ ̄)笑

    私の手汗追加で下巻に突入です!

    投稿日:2022.05.08

  • 賀夜鳴海

    賀夜鳴海

    コフィン・ダンサーの読み味良かったー。
    初っ端から事件が起きるまでの疾走感。
    その後犯人像が不明瞭な下巻冒頭までよくわからない巻き込まれた傍観者みたいに読み進めるけれど、犯人とジョーディの下りになって初めて世界観に入り込めた気がした。
    章題ごとにカウントダウンが為されるので、その差し迫った感覚。
    そして相手の一歩先を読み合おうとする思考合戦。
    主人公を支える多彩なサブキャラクター。
    そして四肢麻痺と言うハンデを背負っているが上の意志と相反する現実の壁、仲間の危機、自分への憤りなど見るべきところが多かった。
    ラストを文字で表してしまうとどうボヤかしても未読の人へネタバレになってしまうのだけれど、コフィン・ダンサーのバックグラウンドにも厚みが欲しかった。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.28

  • don

    don

    リンカーン・ライムシリーズの第2弾。
    証人の口封じに雇われた殺し屋との攻防にページを捲る手が止まらない。下巻の後半でどんでん返しがあり、最後にさらにどんでん返しがあり、後半は一気読みしてしまった。護衛対象の女性には同情すべきなのだろうがこんな頑固な人は警察も嫌だろうなと思った。続きを読む

    投稿日:2021.10.25

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