【感想】若き数学者のアメリカ

藤原正彦 / 新潮社
(103件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
33
30
20
2
0
  • 古びることのない孤独

    作家新田次郎を父に持つ数学者でありながら、論理に偏らず情緒や感情等を大切にした筆者。
    ミシガン大学に研究員として招かれた著者が、当時のアメリカでの日々を綴ります。

    数学者でありながら、難しいことばや言い回しを使わず、キレイな日本で綴られる文章は読みやすく、文章に柔らかさと軽やかさを併せ持っています。

    当時のアメリカの様子はもちろんのこと、単身外国で生きる日本人が異国の地で感じる孤独や対抗意識、そして改めて思う日本のこと。平易な言葉ながらも、数学者らしい見事な分析力で語られます。

    ひとりの人間の内面、そして異質な文化との接触によって見えてくる自分自身のことを丁寧に描いているからこそ、古びることなく、今なお楽しめる作品になっています。
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    投稿日:2014.06.10

  • うーん

    正直、あまり面白くなかったです。すみません。
    生き方としても参考にならないし、品格ないですし。

    投稿日:2014.05.30

ブクログレビュー

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  • すみれ

    すみれ

    藤原さんの感受性の豊かさと、感じたこと、考えたことの言語化力に感動した。
    同じ体験をしても、ここまで深く考えて、感じて、言葉に表すことができる人はなかなかいないと思う。

    セリーナとの会話がとても印象的だった。
    他の作品も読んでみたい。

    続きを読む

    投稿日:2024.05.01

  • こん

    こん

    最後らへん、「私のアメリカ」にまつわる文章にoverwhelmed。
    見知らぬ地で気を張ったり、疲れたり、でもそこで頑張って認められた時の全能感、それをビシって書き表していたところで「この本は面白い!」となった。
    アメリカにいても日本での自分らしくいればそれの異質さがアメリカらしさになるって言葉、励まされる。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • さばみそ

    さばみそ

    ヴァイオリニスト、高嶋ちさ子さんがおすすめされていて知った。

    面白かった。最後の章の前までは、内容はもちろん文章が面白い!
    最後の章、藤原さんが描かれている当時(1970年代)のアメリカと現代の日本が似ているような気がした。だから、言葉が刺さった。
    アメリカは、強く、積極的なイメージだったが、そのイメージ、現実の意味を知って、大変腑に落ちた。アメリカへのイメージが変わった。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • くも

    くも

    「国家の品格」でも有名な筆者の初エッセイ(多分)。
    アメリカが題材ということで読み始め。私はアメリカだろうが日本だろうが、「〇〇の国最高!」とかいう感覚はあまりもってないし、もちたくないから、この本の随所にチラチラ出てくる「アメリカじゃなくて日本が良い!」の感覚がちょっとダメで読み終えるのが遅くなった。でも最後に出てくる「アメリカ人という国民性がないのがアメリカ人の国民性」「アメリカに真の意味で溶け込むには日本人らしく振る舞うこと」などというところは面白く読んだ。続きを読む

    投稿日:2023.12.23

  • ホン読む子

    ホン読む子

    数学者のアメリカ滞在記。

    滞在中のさまざまなことについて、深くこの方の視点、考えに触れられる。
    いいことばかりでなく、アメリカに対する対抗心、モチベーションが上がらず体調が悪い冬の期間の話も。外国で教授もするくらい賢いのでお堅い方かと思いきや、人間味あふれ、人への興味、愛のある方なんだなぁと思った。

    大学の研究vs教育の話、大学を辞めさせられた教授の話は、自分のいるコミュニティの洞察力の参考になりそう。
    続きを読む

    投稿日:2023.11.28

  • あけちゃん

    あけちゃん

    すごく面白かった!に尽きます。
    数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には『愛なしでは人間は人間であり得ない』と言うところに行き着いているところにも表れていると思います。
    また、ユーモアもあって色々な場面で何度も笑ってしまいます。アメリカに対し、初めは対抗心を持っていた著者が、一時は疎外感からノイローゼに陥り、フロリダで心が解放されアメリカを好きになる事で克服してからの、その後のアメリカに対する理解が深まる様子はすごい。
    アメリカ人の国民性についてのお考えは、ある一つの見方と言えるのかも知れませんが、アメリカと言う国を理解する上で十分納得性があり、その国民性や多様性の問題などについては、現在もなお当てはまるものであると思います。
    日本人としての自覚も改めて高まりました。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.16

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