【感想】愚か者死すべし

原りょう / ハヤカワ文庫JA
(42件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
8
14
14
2
0
  • 沢崎らしさが際立ってきた。

    私立探偵の沢崎シリーズ4冊目。
    相変わらずオープニングで関わらなくても良い騒動に関わり命を狙われる羽目に陥る。こうでなければハードボイルドではないという入り方だがいつも乗せられてしまうので少し悔しい気もしてきた。
    新宿署地下駐車場での狙撃事件をきっかけに沢崎は奇妙なもう一つの事件に巻き込まれる。政治家のスキャンダルが大金がらみの「ホラ話」と化ける何とも不思議なリアルさとウソくささの混在ぶりが素晴らしい。
    政治家は聖人君子でなければならないのだろうか。今回の作品はマスコミ、政治家、警察官に対して一般市民が常々抱いている違和感を上手に扱っている。しかしその雰囲気がハードボイルドらしさを少々薄めているのも事実。
    沢崎がなぜ常識的な報酬以外の謝礼を受取らないか、そのあたりの心情が語られている点もポイントである。
    さて、次は短編集、その次はいよいよ新刊へ。
    続きを読む

    投稿日:2018.04.02

ブクログレビュー

"powered by"

  • bookmania1105

    bookmania1105

    読み始めて以前に読んだ事が有るのを思い出した。
    幸い読んだと言う記憶は有るが結末やストーリーは、殆ど覚えていなかった。
    原りょうの小説を最初に読んだのも、この「愚か者死すべし」だった。この小説で原りょうを知り、他の作品も読み始めた。
    読んだのは何年も前で、その時に読んだ本は無くしてしまい、読んだ事も忘れていた。
    もう一つ思い出した事が、生前の母に、この小説を読むことを勧めて、母が面白かったと言っていた。
    母が元気だった頃、よく本を読んでいた。
    元気だった頃の母を思い出した。
    原りょうの沢崎シリーズは、どれも傑作だ。もっと沢山、作品を書いて欲しかったな。合掌
    続きを読む

    投稿日:2023.10.26

  • 2co-dobin

    2co-dobin

    「愚か者」って誰のことなんだろなー、と思いながら読了。

    ひとりよがりなヤクザ的忠義に自己陶酔する男か、
    なんか勝手に秘密とお金が集まってくる元男爵か、
    元男爵の養女である美女とその相棒に、疑いつつもしてやられた探偵か、

    新沢崎シリーズの第一弾ですが、2004年に刊行されたもの。
    でも、さすがに沢崎さんも携帯、使ってました。所持はしてませんが。
    依頼人に使い方、教わりながら。今なら情弱と蔑まれそうな。

    ニコはロスマクっぽい、隠された親族間のドロドロ系が好きなので
    本作のようなスケールの大きい陰謀が絡む系(フェイクであっても)は
    いまひとつ、趣味ではなかったです。

    次回作へとつながる、予告編めいた文庫版限定のあとがきが好き。
    内容、覚えてないけど。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.20

  • yappinkun

    yappinkun

    私立探偵沢崎シリーズ。銀行強盗を自首した父の無実を証明してほしいとの依頼がくる。依頼にきた女性を警察に送り届けたとき、沢崎は狙撃事件に遭遇する。

    投稿日:2023.05.26

  • 00020140624

    00020140624

    このレビューはネタバレを含みます

    寡黙でやれやれ系で質素でポンコツの車を乗り回していて警察には疎まれ配偶者はなく依頼者女性に好かれるけど靡かない私の中のThe日本人探偵のイメージ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.04.30

  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    新シリーズということだったので、何かが変わったかと思ったけれど、沢崎自体は今までどおり。
    時代が昭和から平成に代わったってことか?
    携帯電話を使えず、灰皿がある限りタバコを吸うスタイルは、そろそろ無理があるかも。
    もはや令和だしね。

    新宿署の錦織やヤクザの橋爪が出ないことが新シリーズということなのか、とも思ったが、少なくとも錦織の出てこない意味はあったので、新シリーズということについてはおいおいわかってくるのだろう。

    さて、肝心の事件の方だけど、いったいどれがメインの事件と言っていいのかわからないくらい、複数の事件が錯綜する。

    無為な命が多数失われる。
    そして自己中な論理を振りかざす犯人。
    その構図は変わっていない。
    だけど読後感は悪くない。
    被害者が子どもではなく、そこそこ悪党の大人だったからだろうか。

    必要以上の金はもらわないというスタイルも変わらず。
    しかしこの仕事っぷりで、どうやって自宅の家賃と事務所の家賃と駐車場代を支払えているのか?
    まあ税務署の署員に『探偵というご職業は、意外に不況に強くて、安定した、結構なお仕事なんですね」と言わせるだけの収入はあるようで、何より。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.03.02

  • kumapooooo

    kumapooooo

    この人のシリーズはぶっちゃけ好きなんだろうな。何しろ最初の導入部ときたら。つかみはオッケーというやつではなかろうか。
    とはいえ、中盤の話が少々難しすぎるというか、なんか文字数に比して展開が派手すぎて付いていけないのである。というより、この三日男爵の話があまりにアホらしいというか、いやこのお祖父ちゃんを襲うって誰でも思いつきそうだけど、いや誰も知らないのか。いやそういっても。。ねぇ、あんた。
    とか文句を言いつつも、最終的なオチへの流れは燃えるものがあって、いややっぱ好きやねん、てなるんだけどね。
    続きを読む

    投稿日:2022.11.19

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。