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上橋菜穂子 / 講談社文庫 (277件のレビュー)
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総合評価:
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5
泣いちゃう!
少女エリンと神獣リランの物語の最終巻。 泣ける…! 避けよう避けようとして頑張っても運命に翻弄されて、結局はカタストロフィに向かっていってしまうエリンたち。 色々な立場の人がいて、それぞれの思惑が絡ま…って、まるでそこにしか出口がないみたいに結末に至る。 よくあるファンタジーと違って、剣も魔法もなくて、謎解きのように神獣や世界の法則が明かされていくのが 本当に圧巻。 個人的にはこの作者のもうひとつのシリーズより、こっちのほうが断然好き。 読み終わって、まるでかつて本当に生きていた人のように、エリンが胸の中にいた。続きを読む
投稿日:2013.10.03
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3
人間も捨てたもんじゃない
作者ご本人のおっしゃるように、最後の最後、最終章のためにこの物語はここまで続いてきたんだと思います。 それくらい最終章には震え、体の奥底から涙がこみ上げてくる思いがしました。 人と獣、人という獣の物語…を是非体感してみてください。 必ずしもハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、自分にも何かできることがあるんじゃないか、やらねばならないのではないか、そんな気にさせてくれる物語です。続きを読む
投稿日:2015.04.02
タカス
1
ついに完結
こういう結末が待っているのは予想できていたことだったけど、安易な誰もがハッピーな結末にしないことで作者が伝えたいことに重みが増したと思います。できればもう少し家族で過ごす、幸せな時期の描写も読みたかっ…たなぁ。続きを読む
投稿日:2013.09.26
ゆきおんな
エリンは幸せだったのでしょうか?
何にもとらわれず自分の家族の為だけに生きていられる自分の環境がありがたく思えるほど、世界観に浸って読むことが出来ました。 他の方も書いておられますが、エリンの笑顔が絶えないような場面を読みたいと思って…います。 続きを読む
投稿日:2013.11.12
aox
心に残る完結編
前2部作では、人と獣の交流がメインで描かれていた。 この完結編を含む2部作では、そこから更に人との交流をも取り込んで話が進む。 エリンは家族というものを持ち、ジェシという子供との交流というか、ジェシの…心、考えていることをどこまで理解できるのか…から、真王の心、そして人との争いである戦争というものに巻き込まれて行く。 また、王獣、闘蛇といったものの心についての理解も深めて行く。 しかし、その本当の心はわからない。わからないからこそ悩み、そして流れに飲み込まれて行く。 物語全編を通して、色々理解しようとするエリンしかし、周りがエリンの望む事を許さない状況、そして最後のシーン…。 きっと最後の最後で、エリンに同調していればしている程、この物語は深く心に刻まれるだろう。続きを読む
投稿日:2014.01.29
yakitori
人という獣
短命で獰猛な人という獣が生きていくために群れや規律を作り自らそれに取り込まれ縛られていくという負の部分と世界の成り立ちを解き明かしたいという探究心や理不尽な現状を打破し幸せに生きていくための勇気という…正の部分。この相矛盾する人の業をこの作品はエリンたち主人公を通して描いている。真実とはあまりにも残酷でそれを一人ではもしくは一世代では解決できなくて、だからこそ人は他の人間や次の世代に託していく。本シリーズは、その語り伝えていくという本来物語が持っている本質をついているからこそ、読んでいて深く感動する。続きを読む
投稿日:2013.09.24
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うたかた
このレビューはネタバレを含みます
『獣の奏者』闘蛇編〜完結編 2023/07/23頃〜2024/05/10 1回目 最初はなつかしい気持ちだった エリンの子供なのに大人びた姿、動物のことになると現れる子供らしい姿 大人になってみるとどれも可愛らしい子どもの姿だった 母を失うという壮絶な経験をしてもなお、禁忌とも呼べるそれを解き明かそうとしたエリンの姿は勇敢だったけれど、勇敢な人がひとりいたとて世の中は災いをその目で知るまで変わろうとしない。苦しかった。バスの中で嗚咽しそうだった。 『獣の奏者』という話の中で一番鍵になるのは「母」だと思う。エリンは母を闘蛇に喰われ、イアルは母に売られ、ジェシも母をあの戦いで失う。 惨いと思ったのは、エリンもイアルも母を失ったことを辛く重く心を痛めているはずなのに、二人とも命を落とす覚悟がある。ジェシにそんな思いはさせたくないと言いながら、しっかり思いながら、そんな思いをさせてしまうことを自覚している。 しかし最後のジェシはあまりに強かった。 何度もその話をするのは苦しいだろう。獣ノ医者として働く度に母の背中を思い出すだろう。それなのにまだ母の背中を追っている。エリンとイアルの強かさを継いでいる。きっと孫も凄く強かだろう。 最後は本当にグロテスクだった。あそこまでの災いが起こるなんて想像していなかった。アニメ化しなくて良かった。 闘蛇の甘い匂いを嗅いでいるようだった。 兵士たちの死に顔が浮かぶようだった。 こうなると知ってもジェシは母を信じていた。強い子。私ならどうするだろう。きっと王獣で飛べない。 アルを飛ばすことを選べない。 最後に母と過ごした四日間はどんな気持ちだっただろう。 けれどエリンは叶えた。王獣を解き放つ願いを叶えた。 素晴らしい人だと思う。ただ、自己犠牲の強さだけはいただけない。 ソヨンはエリンをどんな顔で迎えるだろう。きっと二人とも地獄へ落ちる。戒律を破った者として、災いを起こした者として。それでも二人がしたことは間違っていない。エリンもソヨンも子を思ってしたことだ。 苦しい。暴れたい。これから外伝を読む。母としてのエリンがどうあったのか。きっと優しく、厳しい母であったのだろう。 イアルとの結婚までも気になる。二人がどうやって仲良くなっていったのか、それが気になって仕方ない。 幸せになって欲しかった。イアルと結婚したことを知ったときの安堵感はとてつもない。この二人が結ばれたことが何よりの幸せだったのかもしれない。 ジェシは二人の子に生まれて幸せだっただろうか。二人のことを誇って欲しいとおもう。 あーーーーーーあ また読み終わってしまってくるしい。 新しい本を探さなくては。 上橋菜穂子の本をもっと読もうかと思う。
投稿日:2024.05.12
り
堂々の完結作。最後まで止まらない面白さだった。中弛みすることもなく素晴らしかった。またいつか絶対に読みたい。もっと悠々と考える時間を私も持ちたいと、人生を通して考える習慣をつけて豊かに生きたいと思った…。続きを読む
投稿日:2024.05.07
読書は聴くものです
いよいよ最終巻。 王獣と闘蛇の秘密をほとんど解き明かしたエリン。 過去の大きな災は王獣と闘蛇の接触により起きた可能性が高いことがわかりつつも、いよいよ戦争が始まってしまう。 その接触がやはりとんでもな…い現象を起こしてしまい、それを止めるためにエリンは決死の行動を起こす。 最後は感動でウルウルしました。 上橋菜穂子さんの作品はリアルな設定の上に人間感情の機微が描かれ、夢中になって読める本当に面白い作品ですね。続きを読む
投稿日:2024.04.06
たぬきつね
一貫して、獣はそして人はどう在るべきか、一つの考え方を示してくれる。そのメッセージを、これ程魅力的なストーリーに乗せられる作者にただ脱帽です。
投稿日:2024.02.19
きんぴら
戦争はなくならない、というくだりがすごく重く響きました。 エリンの一生って、、、ジェットコースターみたいだなぁ。。。
投稿日:2024.01.31
きゅう
最後約50ページ程の描写は、『風の谷のナウシカ』で王蟲の暴走を食い止めるナウシカのようでした❗読み終わった後は、何だか高揚感がいっぱいの作品でした❗ 決してハッピーエンドとは言えないけれども、希望の…ある終り方でとても気に入っています♫ 読む前は『守り人』シリーズよりも面白いはずがないと、勝手に決めつけていましたが、4冊読んでみると、甲乙つけがたい作品でした❗(ストーリーは守り人シリーズよりも深いと思います。)至福の時を過ごせたこの作品に感謝です。また、樋口さんのカバーデザインがとても綺麗で、とても気に入っています❗続きを読む
投稿日:2024.01.16
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