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相田みつを / 角川文庫 (2件のレビュー)
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総合評価:
grimona
1
宗教心に裏打ちされた相田みつを氏の言葉
相田みつを氏のエッセイ集。 相田みつを氏の書と言葉に触れると、忘れかけていた人間の原点に気付かされます。 例えば、優しさの実践だったり、認め合うことだったり、弱さに素直になることだったり、です。 … 本書を読むと、相田みつを氏のこのような人間の原点への眼差しは、彼の宗教心に裏打ちされたものだということが分かります。 私が本書で印象に残ったのは「親切という文字 どっちがほんもの」。 「発達障害」と「教養婦人」から差別されているKちゃんという娘が、自分はびしょ濡れになりながらも突然の雨で困っている人たちに傘を届けた出来事を間近で体験したことに触れたもので、長いですが、引用すると、 『わたしは、教育というものの、そしてまた、自分の思い上がった心の中の盲点を突かれた思いがしました。 いま、仮にね、書き取りのテストで親切ということばが出たとします。当たりまえのことですが、その文字が正確に書けなければよい成績は取れない、よい成績がとれなければよい学校にゆけない、よい学校にゆけなければ、よい就職ができない、よい就職ができなければカッコいい生き方ができない--という一連の考え方。そこを一貫して流れているものはすべて<そんとくそろばん>だけです。 世の中を少しでも住みよいものにし、人間の心に、ほのぼのとしたうるおいを与えてくれるものは、そんとくで覚えるテスト用の知識としての<親切>ではなくて、Kちゃんのような、身体で具体的に示す、<親切そのものの行為>であり、温かい心の実践です。Kちゃんのことを差別する教養婦人に比べた時、裸の人間として、果たしてどちらがホンモノでしょう。 Kちゃんのように暖かい心と実践力を持っている人のことを、仏教では仏心のある人と言います。仏心は学歴や教養の有無には一切関係ありません。大学を出れば仏心が身につくか?というとそんなわけにはゆきません。仏教と学問の根本的な差はそこにあります。だから学問だけだと人間は、生きることに於て不完全になるんです。』 私も「そんとくそろばん」の世界にどっぷり浸かって、「親切」というものは「知識」で知っているだけだったのではと、ハッとさせられました。 続きを読む
投稿日:2015.09.05
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yahoi12
角川文庫の2011年 人へ送りたい本No.1ということなので、購入して読んでみた。 文章で読むとイマイチだなぁと思った。
投稿日:2011.12.20
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