【感想】解任

マイケル・ウッドフォード / 早川書房
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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1
  • 衝撃の告白!っていう訳ではないですが

    事件発覚から2年ほど過ぎて早くも古びた感じはありますが、オリンパス元社長の事件にかかわる手記です。

    やはり支援してくれた人への配慮から記述を省いているところもあるようですし、なにか驚きの新事実が具体的にあるというわけではありません。しかし、当事者としての心の動きや、菊川氏らの様子を間近から見た記述は、ワタクシも一組織人として興味深く読みました。やっぱり集団思考って怖いです。

    これを読んでも、なぜウッドフォード氏を社長にしたかなど、この事件に関する疑問点はいくつか残りますね。
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    投稿日:2013.11.12

ブクログレビュー

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  • Ray

    Ray

    入り込んで一気に読めた。
    前職を「正しい事をしようとした」ために、退職に追い込まれた自分の経験と重なった。
    「私は彼らが集団自殺に走るレミングのように思えました」という一文に共感。

    投稿日:2019.11.27

  • ブショーモノ

    ブショーモノ

    オリンパス事件は、日本のガバナンスの歪みを象徴する事例であることがよく分かる。大株主が銀行など日本の大手企業である以上、ガバナンスなんていつまでも画餅のままなのではないかと思えてくる。最後の宮田氏が語るエピソードはなにより経営の本質を語っているように聞こえる。続きを読む

    投稿日:2016.05.21

  • timezero11

    timezero11

    休暇を利用して一気に読みました。
    とある監査の本で紹介されていたので、遅まきながら読んでみました(寄り道)。

    ガバナンス・コードが策定された一因とでもいえるオリンパス事件。この「解任」後の状況はほとんど知らないけど、とにかくこれが日本の悪いところの集大成(もたれあい、事なかれ主義、秘密主義)だよねと非常に残念な気持ちになってしまう。曲がりなりにもガバナンスの一翼を担う監査という仕事をしているのだけど、この「ガバナンス」が世界でどう捉えられているか、ウッドフォード氏のこの開示からよく伝わってきます。

    自分がこのような場面に直面したときに、彼のように行動することができるか。彼のように行動するのが仕事だと観念する。そうでなければなんでしょう。

    「技術は一流ながら・・・(中略)・・・低級なガバナンスや二流の経営がはびこり、世界で戦うための力が失われているのです。」

    最後、ウッドフォード氏を支援してきた、元オリンパス専務の宮田氏の稿にて、グッドナンバー2とグッドナンバー1について紹介されているけど、これもまた印象深い。腐る程いるグッドナンバー2を経営者に選んだときから、組織の衰退が始まる。両者を見分ける力も持ちたいもの。
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    投稿日:2015.06.15

  • yk

    yk

    読了。何もかもが世界とは別のルールで動く老害達。しかたがない、それが日本だよ。危険の少ない島国村社会ではガバナンスは育たない。優秀な人ですね。朝から一気読み!!

    投稿日:2014.03.03

  • daisukeuchida

    daisukeuchida

    オリンパス事件の当事者が語っているということで非常にスリリング。書いてあることはほとんど事実なんだろうけど、これだけの事件になってしまったにも関わらず日常業務は普通に進めていたということや、執拗に「日本に帰らない」と言い張ったのはよくわからない。多分にご本人の危機管理能力にも疑問符があったからこそ解任という結果なんだろうけど、オリンパスという会社は変化を求めてなかったのかもしれないなぁとか思ってしまった。続きを読む

    投稿日:2014.03.01

  • laza_quats

    laza_quats

    このレビューはネタバレを含みます

    オリンパスの事件は世界に大きな衝撃を与えた。
    たまたま、大王製紙の報道が重なったこともあり、日本企業のガバナンスが甘いという印象を世界に与えてしまった。
    新聞報道もなされていたことなのだが、本書を読むことで、事件の詳細がよくわかる。内容は具体的で、「生々しい」。

    オリンパスの事件は日本の企業に強烈な「教訓」を与えたとみるべきである。報道や裁判にならずとも、同様の行いをしている企業がまだあるのではないか。オリンパスが失墜させたのは「オリンパスの信用」ではなく、「日本企業全体への信用」であると考えるべきであり、日本企業は今一度、ガバナンスや内部統制、監査について見直しをすべきである。

    不正や違法を行うことで、一時的に利益や信頼を勝ち取ることができてしまうのかもしれない。「隠し通せる」という認識があるからそのような行為に及ぶのであろう。しかし、「天網恢恢疎にして漏らさず」という故事成語があり、こちらの方が正しいと考えている。必ず不正や違法は暴かれることになるのであり、その時点では既に手遅れである。
    誰から見られてもはずかしくない経営を行うべきである、というより、それが当然のことである。

    本書やこの事件をきっかけとして、日本企業の経営の透明性が高まり、企業不祥事が根絶されることを願っている。

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    投稿日:2013.09.03

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