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加納朋子 / 集英社文庫 (86件のレビュー)
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1
ラストが痛快!
女なら、母親なら、社会で生活していれば…、ややこしい人間関係にイライラすることがあると思う。 主人公陽子は有能であるがゆえに、人一倍周りと合わせるのが苦痛で、自分の力を恃みに問題解決を図ろうとする。だ…けど能力があるだけではなんともならないのが人間世界のしがらみというもの…めんどくさっ! タイトルにふさわしく七章構成で、それぞれに敵が登場し、時には力ずくで、時には搦め手で、そうした面倒くさいいざこざの対処に当たっていく。 他人との立場や考え方の違いでどうしても揉め事は起きてしまう。すぱっと切り捨ててしまえれば楽なのだけれど、そうもいかない。 昨日の敵は今日の友、という風にうまくはいかないけれど、最終的になかなかの落とし所を見つけてしまう展開に「なるほど!」と感心してしまった。続きを読む
投稿日:2013.10.19
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rams
痛快!PTAエンターテイメント
読み始めは主人公の強烈なキャラと何でも敵という姿勢に引きましたが 読み進めるにしたがい徐々に気持ちが解るようになっていきました 主人公に共感しながら痛快さを味わうのも良し 敵と言われないよう我が身を…ただすのも良し いろいろな立場の人に読んで欲しい話です続きを読む
投稿日:2013.10.26
true_reason
「痛快」を越えた深さ。
この作品は、単なる「PTA物語」ではありません。 「オトナが責任を果たす」とはどういうことなのか。理不尽と思えることがたくさんある「世間」の中で、自分の信念に固執するあまり大切な存在が不利益を蒙るこ…とのないように、しかしやはり自分の信念を手放してしまうことはないように…そう振る舞うということは例えばどういうことなのか。。 主人公陽子のエネルギーと信念と懊悩と叡知と。それらがどれも軽んじるられることなく描かれ、といって決して重々しくはなることはない軽妙な筆致も保たれ…そのバランスにも舌を巻く思いで読み進めた作品でした。続きを読む
投稿日:2017.05.24
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fan
現役で小学校のPTA会長している私。仕事?フルタイム正社員のうえ副業もしてる、今風のバリキャリです。 10年以上前の本だし…と思いつつ読んだら「わかるー!!」の連続(笑) 私も最初はできることならやり…たくない!そんな婦人会みたいなの、暇な専業主婦がやりなよと思ってました。 でも半端に関わるくらいなら、ど真ん中にいた方が立ち回りやすいのでは?と会長に。 そこからはもう、陽子のようにやってます。IT、外注なんでも使って効率化効率化。金で解決できることは金で解決が最善!よく思ってない人も多いよなーと思いつつ、女の園に満場一致はあり得ないので、面と向かって言ってこない輩は無視無視。 というわけで、敵が多いところも含めて(笑)「この人私かな?」と共感しまくり。 私にも7人の敵と8人の仲間がいる。これからも続けられる限り頑張ろうと、すごく元気をもらいました!続きを読む
投稿日:2024.04.06
志水紗英
このレビューはネタバレを含みます
4.5 仕事のできる主人公。だけど立ち回りが下手なところがいいキャラしてます。 続きが気になってサクサク読めました。
投稿日:2024.01.17
なんてひだ
これを後から読んでみた。我ら七人よりパワーアップの気がする。1話ずつ男気出した後に後悔するパターンがとても好きかも、最後にトラブル相手と和解する感じもいい、嫌味嫌がらせ言う会社の男性に作家さんが代わり…にダメ出しする所なんかよくやってくれると拍手ですね、嫌な人間、イジメは大人にもあるから。実の子でないって知らなくてちょっと驚いた。1話ずつ何かしら爪痕がある、やっぱり加納朋子さんいい。昔の本購入しよう続きを読む
投稿日:2023.11.09
うえけい
二作目の、我ら荒野の七重奏 を知らずに読んだら、一作目がある事を知り読みました。一作目も二作目も図書館で借りました。 単純痛快で読みやすかったです。 体を壊したけど、性格は変わらずパワー系である事とか…、実の姉のように慕ってくれる従姉妹の存在とか、物語の為に無理矢理作ったような設定も感じましたが、わざわざそんな設定が無くても良い作品になったんじゃないかな?と思いました。続きを読む
投稿日:2023.04.15
megmilk999
PTAがあたったら、とりあえず心療内科に行って安定剤を貰おうと決めていた。 今私はフルタイムで正社員として働いていて、夫は片道2時間通勤していて、近所に親、義両親も居ないので、あたったら病まないことに…まず注力した方がいいだろうと思っていた。そのぐらい怖かった。 だけどこの本を読んで、やれることとやれないことをちゃんと示して腹括って取り組めば、乗り切れるかもしれないと思った。七人の敵が居るが、八人の味方もいるわけだから。 励まされた!続きを読む
投稿日:2023.02.12
NO Book & Coffee NO LIFE
2010年発表、加納朋子さん作品6冊目読了。 「ワーキングマザーのPTA奮闘小説!」との宣伝ですが、なんとまぁこの主人公・陽子の凄いこと! 陽子は、息子が小学校に入学し、PTAの役員決めの際、…利己的な一言で他の保護者を敵に回し、加えて学童保育、義理母・姉妹、町内自治会、スポ少等との関係でも、正論で攻める言動が災いし孤立していきます。 読み始めは、あまり良い気分ではなく、大半の人は、陰にこもらないズバリと物申す陽子の姿勢に眉をひそめるでしょう。 ただ、集団の中で、望ましい人間関係や合意形成を上手く築けない、いやそもそもそれを望んでいない陽子でしたが、自分のため家族のために、正しいと思ったことをやり続けます。すると、次第に理解・賞賛してくれる人が出てきて、少しずつ望んでいる方向に近づいていきます。読み手の私たちも、陽子への見方が(いい方に)変わっていきます。 面倒臭く、ままならない人間関係が、実にリアルに描かれており、女性のキモチ・感情だけでなく、男性側のあるあるの態度の表現も見事です。 学校が抱えるPTAの旧態依然とした体制・事業や担任を中心とした学級の閉塞性の課題も浮き彫りにします。 今、悩みを抱えて、何かを変えたいと思って頑張っている方には、多くの勇気がもらえることでしょう。多くの読者が快哉を叫び、共感と支持を得る作品だと思いました。 ちなみに、『男は敷居を跨げば七人の敵あり』(男は一旦社会に出たら、多くの競争相手や敵がいて、様々な苦労がある)という諺があり、「七人」は具体数ではなく「多い」という例えだそうですね。 「誰にでも、どこにでも敵がいる」んですね。 また、川北義則さんの2009年PHP新書『男には七人の敵がいる』(私は未読です)には、「無駄な人間関係に振りまわされず、強く賢く生きるための超一流の男のふるまい」が著されているようで、上司・部下・同僚・妻・女・子・親が取り上げられているそうです。 う〜ん、今も昔も、対応ひとつ間違えば、周囲は面倒くさい敵ばかりですが、敵がいてこそ人は大きく成長できるのもまた然りなんでしょうね。自分を磨くには、男も女も関係なく、優れた敵手は必要不可欠な存在なのだと思います。相手を理解するところから始まるのかもしれません。 孫子の兵法「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」も、いつの時代にも通ずる先達の教えですね。いやはや、勉強になりました。続きを読む
投稿日:2023.01.09
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