【感想】雲をつかむ死

アガサ・クリスティー, 加島祥造 / クリスティー文庫
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.1
1
6
21
4
0
  • クリスティーらしい作品!

    飛行機内という完全な密室でほとんど知られてない毒をぬった針で女性が殺され、吹き矢が中で見つかった。
    殺す機会、毒と知り合う可能性、そして動機すべてを持つ人間が全てを持つ人間が一見すると見つからない中、ポアロは犯人を見つけられるのか?
    って内容です。
    ストーリーとしてはロマンスなどもまじり、犯人もけっこう意外で非常にクリスティーらしくて個人的にはよかったです。
    クリスティー作品の中で特別面白いとまでは思いませんが、普通に面白いので、特にナイルに死すなど好きな人はぜひ読んでみて下さい。
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    投稿日:2014.10.26

ブクログレビュー

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  • オズ

    オズ

    クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。普段の文脈と違った表現方法。序盤は不思議な感覚だった。
     今作は飛行機内という密室での殺人だが、密室である事がテーマではなく、フランスで金貸しをしているマダムジゼルがどのように殺害されたのかがポイントだ。当時の推理小説ではありきたりで古臭い印象があるであろう、未開の地住人の吹き矢、未発見の毒など、大げさに伏線を広げながらも二本のスプーンや黄蜂の死骸、乗客の持ち物リスト等実際の手がかりも十二分に描写し、きちんと道筋が立つ様にしている。
     当時飛行機というものがどの様なものだったかがわかる描写が面白く、ポアロが飛行機が苦手というのもイメージ通りで彼の可愛らしさの部分である様に思う。
     クリスティ作品は時代背景と海外ミステリーという側面から登場人物がこんがらがる事が多いが、今回は飛行機のスチュワード等登場人物に挙げられていない人物も多く、冒頭に挙げた様に少し変わった書き方をしていた為、序盤なかなか苦労してしまった。
     クリスティは年寄りの描写も上手いが若くて魅力的な女性を描くのも得意で読者として感情移入しやすい。ジェーンについては犯人かどうかわからない中でポアロの「お節介」が始まった段階で犯人ではなさそうだと感じたが、ポアロの粋な計画もあり悲劇的であるがこれから希望に満ちていく女性としてとても印象深い人物だ。最後、あれ程ポアロが感心するなんて(笑)とてもチャーミングだ。
     また、クリスティ自身、考古学が割と身近にある関係上、考古学者の冒険に割と肯定的なのだろう。
     トリックとしては大味で、果たして3分程度で今回のトリックが可能かどうかは疑問だ。合わせて毒針を手で刺すにしても上手くできるかどうかは謎なのだが、ここはご愛顧で良いだろう。
     人の人相なんて他人であれば気が付かないため、変装などについては納得のいくものであった。 
     ポアロ含め警察も関係者を洗いざらい巻き込むのはミステリー古典のお約束だが、なかなか今回は冒険があると感じている。ホーバリ夫人への脅迫然り、ジェーンを秘書として連れていく事然り。古典だからこそ許容できる面白さだと思う。
     最後に、ジローは少しばかりでも登場し、皮肉の一つでも言って欲しかったが(笑)名前がでるだけでも楽しい気分になった。
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    投稿日:2023.08.02

  • らいら

    らいら

    ポアロシリーズ。
    本書の特徴は、最初のわずか30ページ程度で何気ない描写の中で事件が発生し、そのわずか30ページの話が以降の探偵パートにおいて進む点であろう。
    ページ数が少ない分、他の作品と比較するとあっさりとした印象を受けた。しかし、探偵パートにおけるポアロの様々な施行の意味合いなど、解決編を読むまで全く思いつくことが無く、非常に上手く描かれていると感じた。続きを読む

    投稿日:2022.03.28

  • あやごぜ

    あやごぜ

    ポアロもの。

    パリからロンドンに向かう旅客機内で、金貸しの老婦人の変死体が発見されます。その老婦人の首には針で刺されたような跡があり、直前に飛んでいた黄蜂に刺されたのかと思いきや、席の近くに吹き矢の針が見つかります。
    そして、偶然乗り合わせたポアロの席の背後から吹矢筒が発見されて・・。
    その吹矢筒のせいで陪審員から有罪にされそうになったこともあり(?)真相解明に乗り出すポアロ。
    イギリスとフランスを行き来しながら、老婦人の背景を洗っていくうちに意外な事実浮かびあがってきます。
    飛行機の中での殺人という事で、基本的に犯人は乗客のメンバーと乗務員(スチュワード)に絞られるのですが、座席表を何度も見ても私の脳細胞では特定は難しく、結局ポアロが明かす真相に驚愕するといういつものパターンでした。
    因みに、陪審員に有罪にされそうになった件でポアロをいじるジャップ警部はとても楽しそうでした。
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    投稿日:2021.11.01

  • may

    may

    このレビューはネタバレを含みます

    特権階級がサービス事業従事者を人間として認めていなかった前提ありきで成り立つトリック。薄味+後味悪い。初期の列車ものと共通点が多いがあちらの方が大分楽しめた。

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    投稿日:2021.07.04

  • a-symmetry

    a-symmetry

    はーあ、思い込みで読んで最後にしっかり騙された!


    面白かったけれど、世間的に評価が低いのは
    可愛い子がしゃしゃり出てきて結局別の人とくっつくというよくあるパターンだったからかしら?

    投稿日:2020.08.31

  • せんすい

    せんすい

    このレビューはネタバレを含みます

    文中にある『黄と黒の毛羽立った絹のようなものが結びついている』凶器の毒針の説明がいまいち掴めませんでした。

    題名は何度か変わっていますが、雲をつかむ死という訳がぴったりで好きです。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.04.04

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