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小松左京 / 光文社文庫 (11件のレビュー)
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総合評価:
アトムヘアー
5
日本を舞台にした、最高のパニック小説
「日本沈没」このタイトルを聞いたことの無い人はいないでしょう。 タイトルを聞くと「なんと荒唐無稽な」と思われるでしょうが、作中では何とも綿密なロジックにより、この無鉄砲な展開に岩山の如き説得力を持た…せています。 そして、リアリティがあるのは沈没のメカニズムだけでなく、「日本沈没」という決定的破滅に向き合った日本人たちの生き様、これにも大変な現実感、生々しさが見られます。 タイトルがネタバレになっている以上、ハッキリ言いますが、確かに日本は沈没します。しかし、日本人たちは作中で何とか生き延びようとします。彼等の生存への闘争・努力、そして希望を得る姿を追体験できるという濃厚なひとときを楽しみました。続きを読む
投稿日:2013.10.18
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blackearowl
1
小松左京誌の代表作にして最高傑作
私が思うに、小松左京氏の作品には傾向が二つあるように思います。一つは、「ゴルディアスの結び目」や「虚無回廊」のような、思弁的、哲学的なSF、もう一つは、「さよならジュピター」や「首都消失」のような本…格ハードSFです。「日本沈没」は、どちらかというと後者の部類に入る小説です。しかし、読むに理系のセンスが必要かというとそういうわけではなく、(ちょっと子供には刺激的な表現もありますが、)中学生でも読める平易な内容です。しかし、行われた取材・ディテールの積み重ねは綿密そのもので、当時の修士論文並みの内容があると評されてもいます。 小松左京氏を一気にベストセラー作家に押し上げた人気作ですが、映画化も二回(1973年(藤岡弘主演)と2006年(草薙剛主演))、テレビドラマ化も1974年(村野武範主演)になされており、それぞれヒットしています。なお、原作に忠実なのは1973年の映画版のみで、あとは設定を使った別物と思った方が良いです。 読んだことのない方は(特に、2006年草薙剛主演版の映画を見て、初めて「日本沈没」に接した方は)、この機会に是非読んでみてください。内容は重いし、ハッピーエンドでもないですが、おもしろさは保証します。続きを読む
投稿日:2014.07.26
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まよひが
いつか読んでみたいと思っていた作品 (藤岡弘の映画は昔観た。オグシュンのドラマは観てません) 私の脳味噌ではマントルやら海流やらプレートの説明はほぼ理解不能だったが この作品の時代も今も、災害に対す…る人々の対応ってほとんど変わっていないな、と感じた 続きを読む
投稿日:2021.12.21
tikuo
多数巻を平行に読むシリーズ。大御所の代表作なんだけど、ちゃんと読んだことはなかったんだよね。「首都消失」を上下で読みはしたけど、なんかパッとしなかったので、ずっと避けてきた。 地震が多発する197X…年の日本。島が沈んだことを調べるために海底の探査中に、1日に200mもの沈下が観測される。一方で、京都(関西)でマグニチュード8強の地震に続き、東京でも大地震に見舞われ、一度に200万人以上が死亡。田所博士の言うように、日本は海に沈んでしまうのか…。 イントロ部分に阪神大震災の引用があるため、オリジナルに加筆修正がなされている可能性のある版ではあるが、1960年代に構想して、70年代の前半に描かれたものであり、今では知っていて当然のような知識も、おそらく当時ははじめての人向けに詳しく描かれているのが印象的だ。「エレクトロルミネッセンス表示」なんて、当時からあったんですかね? また、映画の方はどういう解釈になっているのかわからないが、普通の作家だと「日本が沈む。謎の現象だ」で済ませてしまうところ、まずメカニズムありきで描いているのが印象的である。また、メカニカルな部分だけではなく、統計から未来を予想するというような手法を持ってきているのは、なかなか印象的である。 一方でちゃんと読みやすくするために、地震などの現場には主人公クラスがきちんと居合わせるようになっており、それもいい加減にたまたまというわけではなく、人に会ったりという形でストーリーを広げる一環というところも、よく練られている。若干こちらの描写は少ないけれども。 日本が沈んでパニックになる、それだけなら1冊で済みそうなものだけど、なんで上下巻なのかというのは、海底の運動メカニズムを事細かに描いているからであることはわかった。続きを読む
投稿日:2018.05.15
kyumix2
上巻はなぜ日本が沈没するかを説明する科学的な?話が多く、何度も放り投げたくなった。でも、こらえてゆっくり読む。下巻で描かれる物語の説得力が増す。
投稿日:2011.12.08
librarylovers2011
単なるSFにとどまらず、政治や民族にまで言及したスケールの大きい小説です。 【熊本大学】ペンネームY・Y
投稿日:2011.11.10
K@ZU
1970年代に出版されたベストセラー。小松左京の代表作。 この小説に関しては雑誌「S-Fマガジン」2006年4月号において、作家の小川一水氏が素晴らしい論評を書いているので、いいのかわからないけ…ど勝手に引用してしまおう。僕が言いたい事のほとんども簡潔にまとめられているので僕が説明するよりずっといいはず。以下引用。 ≪小松左京的な愛国心が好きだ。/小松左京的な愛国心は、俯瞰によってもたらされる。 … 昨今の日本でつぶやかれる、陰湿で高慢なナショナリズムとはずいぶん違う。侵略に対抗して団結する心ではなく、あまりにも広い外界に出たとき少しだけ振り返って安らぐ心、それが小松さんの愛国心だ。≫ タイトルでもう内容をすべて言い表しているんだけど、地球の地殻変動によって日本列島が海中に沈没してしまうというストーリーである。 70年代、変革期の社会不安を背景にこの小説は爆発的に売れ、映画化も大ヒットを記録した。「日本沈没」という言葉がそれ自体で一つの単語のようになるほどこのタイトルは知名度を獲得している。それほど衝撃的だったのである。 よく比較されるのだが、ユダヤ人のように国土を持てず世界をさ迷うという経験を日本人はしたことがない。なので、文字通り国土が消滅してしまうという空前の事態に多くの日本人は戸惑い、うろたえ、そして泣き叫ぶ。 これは日本人という人々のアイデンティティを探る上でとても興味深い。普段意識することはないが、土地・自然・故郷というものが我々の意識形成に絶大な影響を与えているのである。 故郷というぬくぬくした場所に閉じこもって、世界に向かってきゃんきゃんと吠えてみた所でそれは母親に守られていきがっている子供とそうかわりはない。日本及び日本人について語るとき、本書は重要な意味を持つ。 そして小松左京の描く日本人はカッコいい。誰もがこの未曾有の災害に真っ向から立ち向かい、前向きに、よりよい方向に未来を導くために、がんばっている。絶望に打ちひしがれながらもあきらめたりしない。相次ぐ地震や噴火、津波などの災害から必死になって生き延びようとする人々の姿は感動を誘う。 地殻変動の過程を描いた理論的な部分に関しては、正直言って難しすぎてよくわからない。ただ出版当時には修士論文に匹敵すると評価されたそうなので、かなり科学的な裏づけはしっかりしているようです。まあSF小説なんてのはどれだけ大ボラをもっともらしく見せるかがキモなので、そこらへんは完璧です。 この版は95年に阪神大震災が起きた時に光文社文庫から緊急出版されたものだ(最近は小学館文庫から出ている)。 今年の東日本大震災を見てもわかるように、災害大国日本では大きな災害が起こるたびにこの本が思い出されるのだろう。どんなに衝撃を受けてもみんな忘れてしまうのだから。 ところで実はこの物語、もっと長い話だったのを出版社の要請で上下二冊の分量にまとめられたのだそうだ。そう言われてみるとなるほど、ずいぶん駆け足でストーリーが展開していて、未消化な部分が多いようだ。 そしてこの本で書かれなかった膨大なストーリーは、『日本沈没 第二部』のタイトルで谷甲州との共著で後に描かれることになる。続きを読む
投稿日:2011.10.30
rcn
82007.238 小学生時代からの悲願ついに実るといったところか。科学知識のとこはほとんど斜め読み。
投稿日:2011.03.10
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