【感想】もっとも美しい対称性

イアン・スチュアート, 水谷淳 / 日経BP
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • 現代数学と物理を対称性という基礎分野で総合したもの

    難解な数式は出てきません。入門書より詳しくて専門書よりは易しいものを読みたいのならお勧めします。
    訳者と作者の腕で流れと見せ方が非常に上手いです。導入部のつかみもよい。理系分野の本ではサイモンシンやベルを思い起こさせます。お決まりの代数方程式の歴史から物理学への持ち込み方、また、ひも理論から八元数への持ち込み方は非常に秀逸なように思います。
    作中に触れられているウィッテン氏の生き方を見ると、数学という神秘の世界で自分もまた何かできるのではという妄想にかられます。歴史学から数物に進めた氏の天才性と実際にM理論を構築したアイディアルに脱帽です。
    この本を足場にして対称性と群から、置換と代数構造や、素粒子物理の理論上の拡大体の考察といった非常に高度な領域まで踏み込める機会を見つけることができるのかもしれませんね。
    星5つ。
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    投稿日:2016.08.02

ブクログレビュー

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  • tantan

    tantan

    楽しい本だった。対称性をキーワードに古代の数学からガロア理論、そして相対性理論、最先端の超弦理論へ。厚い本だが語り口がうまくどんどん読める。この中で特に対称性で大きな発見をしたのが若くして死んだ天才ガロア。改めてガロアの偉大さがわかりました。天才ウィッテンも出てきて、現代物理の入門としても良い本だと思います。続きを読む

    投稿日:2019.09.15

  • kiyokoichi

    kiyokoichi

    数学者、物理学者たちが共通して持っていたと思われる考え方、対称性について、理解を深めることができる。すごい発見、考えをした人たちの生き様がよく描かれていて、面白いし、興味が湧いてくる。

    投稿日:2016.05.03

  • 澤田拓也

    澤田拓也

    「対称性」ということなので、素粒子理論やひも理論のことが出てくるのは分かっていた。ただ、その説明のために高次方程式の解を導く公式から始まるのは想定外。ただ、読み進めていくと納得できる。高次方程式の解法が、何かが不可能であることを証明することや、複素数という新しい「数」の発明、という数学の歴史の中でも大きなステップにつながる出来事でもあったということがわかるからだ。そして何より、現代物理学にとって重要な「対称性」の鍵となるガロアの群論がここから始まったからだ。
    (群論は、大学のときに全く頭に入らなかったことで覚えている。大事なんだろうなとは思っていたのだけれど...)

    量子力学の歴史や、ひも理論、多宇宙理論などの歴史を綴った科学書はいくつか読んだが、「対称性」を鍵に、さらにレイヤを上げてそれらの歴史を再構成したようなイメージの本だ。「対称性」ということが理解できたかというと、できてはいないのだけれど、そのフレーバーは感じることができた。8元数の性質が、ひも理論の次数が10次元であることを基礎づけるかもしれない、ということが出てくると、数学と物理学(現実)がつなが意外なところでつながるようで、心惹かれるものがある。

    数学と物理学のダンス。物理学にとって「真」とは何か。数学にとって「美」とは何か。決して簡単な本ではないが、改めてそういったことを考えさせてくれる本。でも、ちょっと難しいね。
    続きを読む

    投稿日:2014.05.06

  • ikutora

    ikutora

    いっけん何の役にたつかわからないような数学の概念が、じつに応用への大きな可能性を持つかが分かる本です。5次方程式に解の公式がないという話から始まって群論へ、微分方程式に対する同様の議論からリー群へと展開していきます。その後、これらの数学の概念は物理学の分野で不可欠な道具となっています。
    数学者たちのエピソードも面白いです。さすがイアン・スチュアートといった感じです。内容をざっと知りたいなら訳者のあとがきを読むとよいでしょう。
    続きを読む

    投稿日:2013.09.23

  • supicacipus

    supicacipus

    純粋に対称性のお話だと思いきや、数学史から眺めた対称性を浮き彫りにするという形式で、数学の楽しみがぐっと深まる本になっていました。
    数学史からの眺めているので、いろいろな人が紹介されています。そのため、リンクが貼られすぎて、この本から各方面へ、どれだけのことが調べられう得るかという、インデックスになりそうです。数学者の人間らしい一面や、その時代に要求されている数学に関して、数学は決して転載の閃だけでなく、社会と伴って進化してきていると行くことがかるいい本だと思います。おすすめです。続きを読む

    投稿日:2011.12.18

  • show

    show

    このレビューはネタバレを含みます

    大判なので通勤に持ち歩くには不便なので,読み終わるのに時間がかかった。

    群論が何かを知らないと,なぜ美しいのか分からないのではないか?

    有名人のゴシップ?も満載で楽しめる。

    2011/12/17図書館から借用;2011/12/18から読み始め;12/31読了

    レビューの続きを読む

    投稿日:2011.12.17

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