【感想】剣客商売四 天魔

池波正太郎 / 新潮社
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
10
16
8
0
0
  • スポ根好きの貴方にこそ贈りたい少年漫画の手本の様なシリーズ

    最強の剣客・千代太郎現る「天魔」。悪党に謀られ追い詰められる脇役の苦悩が切々と語られ、さりとて上手の敵には歯が立たず無念如何ばかりか、の所で真打登場の「老僧狂乱」。
    最強の主役はこう使えと言わんばかりの、物語の教科書の様な胸躍る展開の連続ですが、それも修練と修羅場の果てに辿り着いた厚みのあるキャラだからこそ。
    主人公の強さにも理由が欲しいスポ根好きの貴方にこそ贈りたい、少年漫画の手本の様なシリーズです。
    また●饅頭のくだりで初心な若者ふたりを苛める辺りは、作者の愛と悪戯心に触れ思わずニヤリ。
    正に娯楽の極みです。
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    投稿日:2014.07.09

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  • 白いヤギと黒いヤギ

    白いヤギと黒いヤギ

    秋山小兵衛の愛弟子•落合孫六が、かつて仕えた大名家で八百長試合をする。その審判になった小兵衛は意外な結末を見る「雷神」
    大次郎は、小兵衛のかつての同門•横川彦五郎の病気見舞いに箱根塔の沢温泉を訪れる。そこで出会った浪人は意外な過去をもっていた「箱根細工」
    大次郎の修行仲間•高野十太郎は仇を探す身。助太刀を申し出た稲田助九郎には『念友』山岸弥五七がいた「夫婦浪人」
    小兵衛のかつての門人の息子•笹目千代太郎が江戸に戻って来た。恐るべき修練を積み、小兵衛に打ち勝つ為に。「天魔」
    神田明神前に立札を立てた平内太兵衛には目的があった。近くに住むおちかという娘と、ある約定があったのだ。「約束金二十両」
    大次郎が居酒屋•鬼熊で見かけたのは旧知の坊主。狡知に長けた手段で人の金を奪っていたその坊主は仇持ちだった「鰻坊主」
    小兵衛は煙管師•友五郎を訪ねる。その途上、友五郎の妻の浮気相手が殺害される現場に出会してしまう「突発」
    大次郎の修行時代の恩人•無覚和尚が自殺を図る。盗まれたのは金五十両と、馴染の女だった「老僧狂乱」

    小兵衛•大次郎親子が更に協力関係を深め、様々な事件に立ち向かって行く第四巻。著者を個性付ける、『粋な大人たち』の物語に仕上がっています。
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    投稿日:2024.02.27

  • koba-book2011

    koba-book2011

    ▼収録されているのは、以下。



    雷神

    箱根細工

    夫婦浪人

    天魔

    約束金二十両

    鰻坊主

    突発

    老僧狂乱



    ▼印象に残っているのは、全般、「剣客として生きていく商売」が因果で辛いなあ、という話が多かった。

    「箱根細工」「天魔」が両方、小兵衛が縁があった剣客の息子が、「悪魔のような、悪の剣客になった」というなんとも痛い話。


    ▼あと「突発」が確か、夫を毒殺しようとする悪女の話で、ちょっと異色の短編だった。ジョルジュ・シムノンが書きそうな。

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    投稿日:2023.10.15

  • hituji8

    hituji8

    おはるの語尾を伸ばした話し方にほのぼのする。箱根細工のお土産のくだりもいい。その中でタイトルにもなっている「天魔」の話。こういうのも話もピリリとして楽しめる。

    投稿日:2023.07.04

  • tagutti

    tagutti

    <目次>


    <内容>
    読んだ作品の順が違うのは、自腹でなく、図書館で借りているから。私と同じころににわかに『剣客商売』シリーズを読もうと思ってしまった人がいたようで、抜きつ抜かれつして借りているからだ。でも安定の池波節。続きを読む

    投稿日:2023.03.22

  • じゅう

    じゅう

    池波正太郎の短篇時代小説集『剣客商売(四) 天魔』を読みました。


    池波正太郎の作品は『谷中・首ふり坂』以来なので約2年振りですね。

    -----story-------------
    老剣客・秋山小兵衛とその息子・大治郎が悪に挑む!
    累計2400万部突破の大人気シリーズ。

    音もなく小兵衛の前に現れ、「秋山先生に勝つために」、八年ぶりに帰ってきたとうそぶく役者のような若侍の正体は? 
    次々と道場を襲い相手を一撃のもとに殺していく魔性の天才剣士と秋山父子との死闘を描く表題作。
    愛弟子に〔なれ合い試合〕の許しを求められ、苦衷を察して許可を与えた小兵衛が、皮肉にもその試合の審判を引き受けることになる「雷神」など全8編。
    シリーズ第4作。
    -----------------------

    『剣客商売(けんかくしょうばい)』シリーズの第4作… 1974年(昭和49年)に刊行された作品です。

     ■雷神
     ■箱根細工
     ■夫婦浪人
     ■天魔
     ■約束金二十両
     ■鰻坊主
     ■突発
     ■老僧狂乱
     ■解説 常盤新平

    テレビドラマでもお馴染みのシリーズ… 安定の面白さですね、、、

    息子・大治郎が、父・小兵衛の昵懇にしていた老剣客の息子と対決することになる『箱根細工』と『天魔』では、大治郎の成長が感じられるし、相手の剣客も相当な腕前だっただけにシリアスな展開でしたが、小兵衛の弟子・落合孫六が八百長試合を受けることの許しを乞う『雷神』、男色の男の別れ話がきっかけになる『夫婦浪人』や、栄達や名利と隔絶した場所に生きる老剣客・平内太兵衛重久が、ある小娘のために二十両を稼ごうとする『約束金二十両』、毛饅頭問答が笑える『鰻坊主』等のユーモアたっぷりの作品も多く、どの作品も愉しめましたね。

    『突発』や『老僧狂乱』は、女の怖さをしみじみと感じました… 本シリーズ、まだ未読の作品もあるので、機会があれば残りの作品を読みたいですね。
    続きを読む

    投稿日:2022.03.12

  • リンリン

    リンリン

    小兵衛さんと大治郎がどんどん似てきます。が、まだまだ大治郎は未熟かな?
    のんびりと長生きしてみんなの問題を解決していって欲しいです。

    投稿日:2022.03.05

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