【感想】亜智一郎の恐慌

泡坂妻夫 / 双葉文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • 落ちついた文体と、江戸~幕末…激動の時代の雰囲気が楽しい。

    亜愛一郎シリーズ番外。こちらだけでも問題なく楽しめます。
    愛一郎の御先祖、幕末、徳川家定に仕える雲見番の番頭である智一郎を中心とした御話。雲見櫓で空を眺めるという閑職は隠れ蓑で、実は将軍直属の隠密…。とはいえ智一郎は愛一郎と同じくオトボケ優男キャラですが。
    配下には甲賀忍者の末裔・藻湖猛蔵、天下無双の怪力・古山奈津之助、自ら腕を斬り落として死の危機から脱した剛の者(本当は違う)緋熊重太郎。緋熊は勘違いで抜擢されたため心労が見え隠れ。
    『地震時計』『ばら印籠』『大奥の曝頭』が好み。激動の時代背景も描かれていて楽しい。奈津之助の活躍がもう少し読みたかったなぁ。
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    投稿日:2014.04.18

ブクログレビュー

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  • Tetchy

    Tetchy

    その題名に冠せられた名前が物語るように、これはかつてミステリファンを驚喜させた『亜愛一郎シリーズ』の先祖に当たる亜智一郎を主人公にした時代ミステリである。
    が、アイデア溢れる作者のこと、決して亜愛一郎シリーズを踏襲するような二番煎じは行わず、これは云わば泡坂版『仕事人』である。『必殺』は敢えて除いておこう、血生臭い話が並んでいるわけではないので。

    亜智一郎を筆頭に、芝居好きな似非荒武者緋熊重三郎に、甲賀忍術を体得した藻湖猛蔵、豪腕誇る古山奈津之助の4名で構成された雲見番衆。とてもこの一冊で終わるのは勿体ないではないか!!!願わくばシリーズ化を求めたかったがそれも今は叶わぬ。

    そんな粋な彼らが織りなす物語はかつての『亜愛一郎シリーズ』の特色であったチェスタトンばりのアクロバティックなロジックは鳴りを潜め、むしろ宝引の辰シリーズや夢狸庵シリーズに近い雰囲気を持っているが今回は将軍直属の人物という設定だけに江戸時代の歴史を色濃く繁栄しているのも興味深い。
    従ってタイトルの『恐慌』の文字は物語の勇ましさには何とも似合わないとは思うのだが。
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    投稿日:2020.02.24

  • ショーゴ

    ショーゴ

    亜愛一郎シリーズの番外編。
    ご先祖様である、亜智一郎が主役。
    シリーズの登場人物のご先祖も多数登場している。

    亜愛一郎シリーズのように、限られた人数の中での事件と謎解きが、非常に読みやすく楽しい。
    江戸時代の地理や時代風俗も、自然な形で本文に組み込まれている。
    そして、虚実織り交ぜて描かれる歴史との係わり合い。

    ただし、そのおかげで謎と解決が、多少小粒になりすぎた感があるかな。
    もっと、変なロジック、逆説を見たかったのだけど。
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    投稿日:2010.01.23

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