【感想】終末のフール

伊坂幸太郎 / 集英社文庫
(1571件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
289
577
507
62
12
  • 世界滅亡の閑話休題

    世界が滅亡することが決まってから滅亡するまでの一部分を切り出した話
    通常SFであれば滅亡すると決まってからの混乱期や最期に滅亡に対して足掻く作品が多い

    日本の一地域を取り上げいくつかの世帯をピックアップし生活の変化を語るが舞台が同じため各短編が関連している
    安定期に至ってからの話のため世界が滅亡するとは思えないほど落ち着いた雰囲気で話は進み明確な結論は描かれない
    それでも世間に多くある世界滅亡を取り扱う作品の裏で本作に描かれたような日常が送られていると思うと興味深い
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    投稿日:2013.10.07

  • 終末の3年前

    8年前の世界滅亡宣言から5年経った仙台のヒルズタウンに住む人達の短編集。
    大混乱の世の中も落ち着きを取り戻し・・・とはいえ、3年後には人生の終末をむかえる人々の日常。
    やり残した家族の想い、新しい命の責任、友情や愛情、寂しさ、あえて変わらない日常の強さ、死へむかう気持ち・・・
    「いかに生きるか」などという重いテーマでもなく、8編の登場人物を応援しながら、読後は前向きな気持ちになりました。
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    投稿日:2013.10.09

  • 家族との絆を思い起こさせてくれる作品

    8年後に地球に小惑星が衝突し人類滅亡が避けられないことが公表されて以後、5年の歳月が経過し、諦めの気持ちからか人々がある程度落ち着きを取り戻した頃の人間模様を描いた短編集で、現実にはありそうにない内容ですが、にも関わらず、読み終わってから、なぜか、もし本当にそのようなことが現実になったら、自分は家族とどう接してどのような話をするだろうと、ふっと考えてしまい、普段の平凡な暮らしがいかに幸せなことか改めて思い感じさせられる小説でした続きを読む

    投稿日:2013.09.26

  • 実は通常の書籍で読んだのですが。。。

    実は書籍の中古品で読んだのですが、このSF的な設定と実は「土壇場に追い込まれた時に人はどうするのか」という人間を描く作風が非常に気に入りました。直木賞を取った「ホテルローヤル」もそうですが、同じテーマの中短編を積み重ねて一つの物語を描くという「連作」という形式をとっています。書籍を読んだ時には読了するまでに少し間が空いてしまい部分的に忘れてしまった為、本来の連作の良さが活かせませんでしたが、どこでも読める「電子書籍」で一気に読了したいと思っております。連作には好き好きがあるかもしれませんが、いわゆる「スピンオフの積み重ね」のような重層的な物語を楽しみたい方で、少し重めのテーマが好きな方にはお勧めです。私はSF好きですが、そうでない方でも本来のテーマは「人類滅亡」ではなく「限られた時間で明日をどう生きるか」なので、大丈夫だと思います。続きを読む

    投稿日:2013.11.03

  • SFの設定ながら

    ある種の「シュミレーション」を期待して読むと肩透かしをくらう事間違いなしの作品ですが、「ジタバタして生きていきましょう」というそこはかとないメッセージが、小説で書かれているような「最悪の状況下」であろうと、小説を離れた現在のリアルな私達の世界であろうと、大して違いは無いのだ、という事に気付かされた作品でした。伊坂さんらしい「SF」小説なのかも知れません。続きを読む

    投稿日:2014.05.06

  • 終活のツール

    小惑星が3年後に衝突して人類滅亡必至という設定の世界で生きる人々を8つの短編によるオムニバス形式で描いています。
    衝突がわかってからの混乱や、回避の可能性の模索が一段落した時期が舞台で、穏やかに終末に向かうような雰囲気が感じられ、宗教書のようなありがたさを醸しています。

    希望を捨てない人や諦観してしまった人など、様々。
    それぞれの生き様に共感したり、共感はしないけど気づきを得たり。

    自分の人生の終わりが垣間見えた場合にどう考えて、行動するか。
    そういう思考実験の一助となるでしょう。

    ちなみに、著者の「フィッシュストーリー」を原作とする映画に、本作の設定が取り入れられ、映像化もされています。
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    投稿日:2016.01.08

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ブクログレビュー

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  • リエ

    リエ

    全人類余命3年。
    この設定は想像したことがなかった。
    やはり生きることを考えるには、
    死について考えるほかない。
    死と本気で向き合ってこそ見えてくるものがあるんだろうなと思う。
    綺麗事が通用しない社会で、
    救いとなるのは家族か宗教か。
    自分ならどうするだろう。


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    投稿日:2024.04.14

  • mm

    mm

    ずっと前に買ったけど、なんでか読んでなかった本。数年後に終わる世界で暮らす人たちの短編集。それぞれの登場人物、そして3年後地球は隕石によって滅びたのかが気になった。
    明日世界が終わるとしても、今自分にできることをやり続けるだけ。急に違うことやり始めようとしても難しいよねって。続きを読む

    投稿日:2024.04.02

  • こしヲ

    こしヲ

    終末の世界で過ごす人々の短編集。
    終末世界というSFのような世界観で、同じ団地で暮らすそれぞれの生活が非常に面白かった。

    投稿日:2024.03.26

  • ゆうすい

    ゆうすい

    この短編集ではミステリーみたいな意外性のあるどんでん返しは少ないかな。
    けれど各短編の主人公が他の短編に住人として顔を出してくれているので、全然毛色の違う各話に繋がりを見つけられて話に入りやすかったです。

    とてもシリアスな設定の中、ユーモアがあって時に笑えるキャラを生き生きと描ける作家は、伊坂先生しかいないと思う。
    本当にすごい小説家です!
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    投稿日:2024.03.15

  • sono0621

    sono0621

    突然、世界の終末のカウントダウンが始まったら、やっぱりみんなパニックになって殺人や暴行や自殺がおこり働く人もいなくなり食べるものを手に入れることも大変になるのだろうか?それでもやがて落ち着き人々は置かれた場所で穏やかにその日を迎えるまで日常生を過ごせるようになるのだろうか?自分ならどうなるのだろう…そんなことを考えながら読んでいた。
    地球に小惑星が衝突しなくても、みんな命のカウントダウンは始まっていて、"今日という日は残された日々の最初の一日" 毎日同じような日々であっという間に過ぎてしまうけどどんな状況になっても最後の日まで『とにかく生きる』それが大事なんだ。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.14

  • この

    この

    もしあと3年で地球が破滅することがわかったら、私はどうなるかなぁと考えた。生と死についての日常が書かれた一冊。

    投稿日:2024.03.02

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